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雑食無双ヨルムン

るーるー

ヨルムン、猛威を振るう

 ヨルムンテイルが猛威を振るう屠殺場の中でドラゴン達は必死じゃった。必死に空を、大地を駆け回り追いすがるヨルムンテイルから逃げようと躍起になっておるようじゃ。
 あるドラゴンは地中に逃げようとしたところを穴を掘ろうとしていた腕ごと切り裂きく。ブレスを吐いてきたドラゴンはブレスごとヨルムンテイルで真っ二つにしてやった。それすらくぐり抜けてきたドラゴンには……


「ヨルムンパンチ!」


 手加減無用のヨルムンパンチを口を開けて我を食べようとしたドラゴンの顔面へと叩き込んでやった。当然、我の全力を受けたドラゴンなど顔がなくなるほどの勢いで吹き飛ぶ。
 ヨルムンパンチは凄まじい威力を発揮してくれるわけじゃが……


「いったぃ!」


 衝撃が半端なく痛い!
 我の麗しの体がギシギシというくらいじゃ。やはり腐ってもドラゴン。その体はやたらと硬いわけじゃ。まぁ、消し飛んだがな。
 つまり、遠距離、中距離ではヨルムンテイルが猛威を振るう。なぜかわからんがヨルムンテイルでの攻撃は衝撃が発生せずに我はちっとも痛くないわけじゃからな。そして近距離に入った輩は痛いが必殺のヨルムンパンチで消しとばすという最強コンボのわけじゃ。
 つまるところドラゴンなど我の敵ではなくなったわけじゃな。今や空飛ぶドラゴンですら我の脅威にはなり得ぬ。


「わっハッハッハッハ!」
「先生楽しそうですね」
「あ?」


 突然後ろから話しかけられたものじゃから反射的にヨルムンテイルを操り背後の奴に向けて横薙ぎに払うように繰り出してしもうた。唸りを上げながら後ろの人物へと迫ったヨルムンテイルじゃがその一撃はやたらと甲高い音を立て止められよった。


「な、なにするんですか先生!」
「いきなり後ろに立つ奴が悪いに決まっとるじゃろか」


 背後に立ったルーはヨルムンテイルをどうやら家宝の剣で受け止めたようじゃ。しかし、あの剣は興味深いのう。我の拳を受け止めたこともそうじゃがかなりの勢いで放ったのじゃが、それでも折れるどころか刃こぼれ一つ見当たらん。ようやくルーの奴も壊れない武器を得たんじゃろうか?


「先生これなんですか?」
「ん?」


 ルーの奴が剣と拮抗しているヨルムンテイルへと視線を向けながら尋ねてくる。
 さてなんと答えたものじゃろうか?
 ゆらゆらと尻尾を揺らしながら思案するわけじゃが明暗が全く思いつかん。
 というかこやつらはそもそもの話、我が世界蛇であることを微塵も信じておらんわけじゃからな。
 どう言っでも納得してくれる気がせんなじゃがな。


「ふむ、スキルじゃな」
「スキル⁉︎」


 剣とかち合うのをやめた我は自分の尻尾を撫でながら真実を告げる。
 だってこの尻尾はスキルで作ったわけじゃからな。嘘は言っとらん。


「へー、そんな体の一部を増やす系のスキルも存在するんですねぇ。どうやって習得するんですか!」
「しらん」


 食ってレベルが上がったら覚えただけじゃしな。特に意識をしたわけでないしのう。
 こうしてルーとしゃべっている間にもドラゴン共が幾度も襲いかかってきとるわけなんじゃが我はヨルムンテイルで、ルーの奴は宝剣で叩き斬っておるわけで周りは結構な血の匂いが漂っておる。


 これは今夜は大量の肉を食えそうじゃな!


 ウキウキとしながらヨルムンテイルを操り我は晩御飯を量産していっているわけなんじゃがそんな折に我の頭上に不意に大きな影が落ちる。


「なんじゃ?」


 疑問に思いヨルムンテイルを動かすのを止め、頭上を見上げると巨大な紅色が目に入った。我の眼に入ったもの、それは真紅の鱗を持ち、巨大な顎門を揃え、口内には地獄の焔を思わすような炎をちらつかせたそこいらを飛んでいるドラゴンとは比べ物にならないくらいに巨大なドラゴンじゃった。


『みつけたぞgadtjhdtgam!』


 なぜか憎悪に満ちた瞳で睨みつけられながらそんな言葉を投げかけられた。


 ……どちらさまじゃ?

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