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雑食無双ヨルムン

るーるー

ヨルムン、遠距離から仕掛ける

「これはまた、すごい光景じゃな」
「ですね……」


 ルーと共に他の冒険者同様ドラゴン狩りへと繰り出したわけなんじゃが……


「ドラゴン多すぎじゃないかのう?」


 あっちを見てもこっちも見てもドラゴンまみれじゃ。
 クマの言う通り地上にいるドラゴンは飛ぶ様子を全く見せんな。確かに手足をバタバタと動かして走り回る姿、あれはただの大きなトカゲにしか見えん。
 そしてその倍に匹敵する数の人間たちが飛びかかっていっているわけなんじゃが……


「ヒャッハァァァ! 囲め囲め!」
「一人で飛びかかるな! 全員で襲え!」
「俺の右手に秘められた力をついに解放する時が来たようだな」


 もうよくわからん連中もいっぱいいるわけなんじゃよな。
 秘められた力に限って言えばなんてことはないただの炎の魔法じゃったからな! しかもドラゴンの鱗に傷も残らないほどの! 微妙すぎる火力じゃな。それでもやはり数の暴力というのは恐ろしいもので繰り返し打ち付けられる剣や槍のせいかドラゴンの鱗に徐々に傷がついていってるようじゃし時間がかかっても倒せるじゃろう。


「うわぁぁぁぁ!」
「二体目だ! 二体目がきたぞぉぉぉ⁉︎」


 相手が一体だけじゃったらのう。周りにもドラゴンはいるんじゃから途中から乱入される危険性を全く考えておらんかったんじゃろうな。先ほど我が見ていた妙な連中は現れた二体目のドラゴンに蹴散らされていきおった。結構な勢いでドラゴンの奴が体当たりをしておったから下手したら死んどるかもしれんのぅ。


 上を見上げると幾つもの色とりどりの魔法が空を飛び交い、それを羽の生えたドラゴンが躱すという光景なわけなんじゃが……


「どちらも決め手に欠けとらんか?」
「空飛ぶドラゴンの武器は爪と牙しかありませんからね」


 確かにルーの言う通りのようで空を飛び回り魔法を回避したらしいドラゴンは空を旋回。翼をはためかせなが急降下を開始すると足に当たる爪を閃かせ、おそらくは魔法を唱えていたであろう魔法使いを掴み再び宙へと舞い上がっていきおった。


「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! たすけてくれぇぇぇぇぇ!」


 連れ去られた魔法使いらしき男の悲鳴が木霊しているわけなんじゃがかなりの高さまでドラゴンは上がってしまったからのう。すでに助けれるレベルではないんじゃよな。
 しかし、うーむ、あれは後で美味しくいただかれるんじゃろうか? 
 というか美味いのか? ニンゲンは……


「先生! 僕達も早く参加しましょう!」
「……お主、前から思ってたが自殺願望でもあるのか?」


 今さっき目の前で人一人ドラゴンの餌にされたばかりじゃというのになんなんじゃそのやる気は……


「いえ、今の僕ならいける気がするんです!」


 こやつはまだ自分のレベルが上がったことに気づいておらんみたいじゃし、確かに自分の力を知らんといいのはまずいんじゃろうなぁ。


「まぁ、死なん程度に行ってくるがいい」
「はい!」


 嬉しそうに腰の剣を引き抜いたルーのやつは以前よりも速く移動し剣を振るい冒険者たちが群がるドラゴンへと突撃していきよる。
 まあ、我の手刀を反射で防いだルーならばそうそうやられはせんじゃろう。
 ルーを見送った後に再び我は周りで暴れまくるドラゴンへと目をやるわけなんじゃが。


「やっぱり知ってるドラゴンはいないようじゃのう」


 これだけドラゴンがいれば我の知ってる奴がいるかと思ったわけなんじゃがなぁ。というか全部同じ顔に見えるわい。


 周りを一人でキョロキョロと見渡す我をいい餌だと勘違いしたドラゴンが口からよだれを撒き散らしながらこちらに向かって駆けてきよるわけなんじゃが、そんなドラゴンを横目に見ながら我はその場に屈み込みと手頃な拳大の石を掴み上げ、こちらに走り寄るドラゴンへと向きなおる。まぁ、これでよいかのう。


「せい!」


 手にした石をこちらに向かい爆走を続けるドラゴンへと向けて腕を振りかぶり放り投げる。
 放り投げられた石は唸りを上げながら我が狙いをつけた頭ではなく、せかせかと動かしている脚に直撃。
 じゃが腐ってもドラゴン。いくら我のバカみたい力で投げた石であったにもかかわらず石は鱗に当たった瞬間に砕け散りよった。
 少しばかり顔を歪めたような感じがしたんじゃがドラゴンじゃしよくわからん。


「やっぱりただの石じゃ効かんようじゃのう」


 再びしゃがみ混むと今度は土を掴み、今までやったことがない全力で握りしめる。
 色々と人間なら上げてはいけないような音が我の手から聞こえてくる。そして手を開けば先ほど投げたり石より格段に小さい、じゃが同じくらいの重さの小さな石が転がっておった。


「これならどうじゃろうか?」


 先ほどよりも確実に強度は上がっておるはずじゃ。問題はドラゴンの鱗を貫けるかどうかなんじゃが、それも試してみん事にはわからんしのう。
 再び大きく振りかぶり小さくなった石を再び全力で投げつけた。


「おりゃぁ!」


 投げられた石を今度はどこかに当たればよい! の精神で放ったわけなんじゃが今度はどこを間違ったのかドラゴンの口の中に飛び込むといとも簡単に喉を貫通し飛び出していきよった。


「ん?」


 貫通したからすぐに死ぬかと考えていたわけなんじゃが我は石を放り投げた姿勢のまま首を傾げた。
 だってドラゴンの奴は全く意に介さないようにこちらに走って来よるようじゃった。

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