雑食無双ヨルムン
ヨルムン、ちょっと戦いたくなる
「いやー、倒れてしまってすいませんでした」
ルーの奴が一時的に狂ってゴートゥヘルにこなくなりしばらくたったある日。
わけのわからない奇声を上げて我に攻撃きてきた姿など想像できないくらいに普通のルーが姿を現しよった。
「すいませんでした、ではすまんレベルじゃったんじゃがな」
「え、ぼくはここで酔っ払って倒れたんでしょう?」
「あぁ⁉︎」
なにをトチ狂ったことをぬかしよるかと思い、我は肉を頬張りながらルーの方へと目をやるんじゃが、こやつの目、嘘を言っとる感じが全くせん。
そういえばサリハルの奴が前後の記憶が曖昧なるとか抜かしておったな。これがその状態なんじゃろうか?
「まぁ、どうでもよいわい。しかし、約束は守るのじゃぞ」
我に食事を提供するという約束をのう。
「なんのことです?」
首を傾げながらなにを言ってるのかわからないと言わんばかりの本気の口調で言ってきよった。
ハッハッハッハ。
腕一本くらいもらってやろうかのぅ。
我が割と本気でそう考え頬張っていた肉を全て噛みちぎりゆっくりと立ち上がり、手刀を作るとルーの奴は水をかけられたかのように汗だくになりよった。
そして我は一歩踏み込み手刀を一閃。狙うはルーの奴の右腕であったがそれはルーの奴が驚くべき速度で抜きはなった刃にて防がれ、それに我は驚き目を見開いた。
それは周りの客も同じでありなにより防いだはずのルーの奴も目を丸くして驚いておった。
「ほう! この街に来てから我の攻撃を避ける輩はいても防いだのはお主が初めてじゃな」
「え? え? 体が自然に動いたんですけど⁉︎」
防いだルーの奴は混乱中のようじゃな。
厳密には正気を失っていた時のルーの奴も攻撃を防いだりしていたわけなんじゃがあれはケモノとしての勘で動いていたような感じじゃった。
じゃが先程のルーは無意識でしかも反射に近い動作で剣を抜きおったからのぅ。
思わず舌舐めずりしてしまうというものじゃよ。
昔からそうじゃったが我が本気で暴れれる機会というのは非常に稀じゃからな。
世界蛇であったとき然り、今の無駄に体が硬い人型の時然りに。
「クマの話ではレベルが上がっとるという話じゃったな」
ならば少しばかり本気で羽目を外してもよいんじゃろか。
今や我の頭には食事とか約束とかのことは一切なく暴れたい気分なんじゃよな。今までの戦いが不完全燃焼だったのも理由の気がするわけなんじゃが。
「よし、ちょっと戦おうじゃないか」
「え、いや、戦うのはちょっと……」
やる気に満ちる我とは反対に消極的なルーじゃが我はやめる気はないからのぅ。
手刀から拳へと握り変えると我は構えを取る。しかし、それを遮るように毛むくじゃらの大男クマが間に入って来たのでそれを眉をひそめなが見上げる。
「なんじゃ?」
「俺の店であばれるたぁいい度胸だ」
クマの手にはオリハルコン製の灰皿がある。しかも両手に持っとる。あれで殴りつけられるのはさすがに痛そうじゃ。
「そんなに力が有り余ってる貴様にいいものがある」
「いいものじゃと? 食い物か?」
「まぁ、結果的に食い物にはなるだろうな」
結果的に食い物になるとはどういうことじゃ?
怪訝な顔をしているであろう我を無視してクマの奴はポケットから一枚の紙を取り出し我に手渡してきよった。
手渡された紙に目を落とすとそこには冒険者ギルドからの依頼と書かれており、
「ドラゴン退治じゃと?」
めんどそうなものが書かれてあった。
ルーの奴が一時的に狂ってゴートゥヘルにこなくなりしばらくたったある日。
わけのわからない奇声を上げて我に攻撃きてきた姿など想像できないくらいに普通のルーが姿を現しよった。
「すいませんでした、ではすまんレベルじゃったんじゃがな」
「え、ぼくはここで酔っ払って倒れたんでしょう?」
「あぁ⁉︎」
なにをトチ狂ったことをぬかしよるかと思い、我は肉を頬張りながらルーの方へと目をやるんじゃが、こやつの目、嘘を言っとる感じが全くせん。
そういえばサリハルの奴が前後の記憶が曖昧なるとか抜かしておったな。これがその状態なんじゃろうか?
「まぁ、どうでもよいわい。しかし、約束は守るのじゃぞ」
我に食事を提供するという約束をのう。
「なんのことです?」
首を傾げながらなにを言ってるのかわからないと言わんばかりの本気の口調で言ってきよった。
ハッハッハッハ。
腕一本くらいもらってやろうかのぅ。
我が割と本気でそう考え頬張っていた肉を全て噛みちぎりゆっくりと立ち上がり、手刀を作るとルーの奴は水をかけられたかのように汗だくになりよった。
そして我は一歩踏み込み手刀を一閃。狙うはルーの奴の右腕であったがそれはルーの奴が驚くべき速度で抜きはなった刃にて防がれ、それに我は驚き目を見開いた。
それは周りの客も同じでありなにより防いだはずのルーの奴も目を丸くして驚いておった。
「ほう! この街に来てから我の攻撃を避ける輩はいても防いだのはお主が初めてじゃな」
「え? え? 体が自然に動いたんですけど⁉︎」
防いだルーの奴は混乱中のようじゃな。
厳密には正気を失っていた時のルーの奴も攻撃を防いだりしていたわけなんじゃがあれはケモノとしての勘で動いていたような感じじゃった。
じゃが先程のルーは無意識でしかも反射に近い動作で剣を抜きおったからのぅ。
思わず舌舐めずりしてしまうというものじゃよ。
昔からそうじゃったが我が本気で暴れれる機会というのは非常に稀じゃからな。
世界蛇であったとき然り、今の無駄に体が硬い人型の時然りに。
「クマの話ではレベルが上がっとるという話じゃったな」
ならば少しばかり本気で羽目を外してもよいんじゃろか。
今や我の頭には食事とか約束とかのことは一切なく暴れたい気分なんじゃよな。今までの戦いが不完全燃焼だったのも理由の気がするわけなんじゃが。
「よし、ちょっと戦おうじゃないか」
「え、いや、戦うのはちょっと……」
やる気に満ちる我とは反対に消極的なルーじゃが我はやめる気はないからのぅ。
手刀から拳へと握り変えると我は構えを取る。しかし、それを遮るように毛むくじゃらの大男クマが間に入って来たのでそれを眉をひそめなが見上げる。
「なんじゃ?」
「俺の店であばれるたぁいい度胸だ」
クマの手にはオリハルコン製の灰皿がある。しかも両手に持っとる。あれで殴りつけられるのはさすがに痛そうじゃ。
「そんなに力が有り余ってる貴様にいいものがある」
「いいものじゃと? 食い物か?」
「まぁ、結果的に食い物にはなるだろうな」
結果的に食い物になるとはどういうことじゃ?
怪訝な顔をしているであろう我を無視してクマの奴はポケットから一枚の紙を取り出し我に手渡してきよった。
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