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雑食無双ヨルムン

るーるー

ヨルムン、期待されてるようで失望されてる?

「それでけいことやらはなにをするんじゃ?」


 我とルーがやってきたのは以前、百足ひゃくあしイノシシをぶっ飛ばしたカッツァ平原へとやってきたわけじゃが人間にけいこなんてつけたことがない我は一応の弟子であるルーへと尋ねる。


「正直、先生には人に物を教える才能なんて皆無なのはわかっています。ですから!」


 ルーはなにやら決意を秘めたような貌へと変わると腰の剣を引き抜き、構える。それは戦う技術など皆無な我からみても美しい構えであった。
 しかし、さっき我のことを普通に貶しよったよな? 我、先生じゃろ?


「私の攻撃の実験になってもらいます! あ、先生は手加減してくださいね? 私がサクッと死ぬと訓練になりませんので」
「めんどうじゃのう」


 攻撃を受け続けるだけでも結構なストレスじゃと思うんじゃが、そこにさらに手加減をせんとなるとしんどそうじゃぞ。


 そんな我のうんざりした心境なと知らぬルーはというと手にした剣を構え、なにやら唱えておるようじゃ。
 すでにやる気満々じゃ。


「風よ纏え!」


 む、これは確か姿が見えなくなるほどの速さを得る魔法じゃったかのう。本気のようじゃな。


「ふむ、めんどうじゃがこい」


 これも食事のためじゃと我慢するしかあるまい。
 我は腕を組んだまま立ち、ルーの攻撃を待つ。
 どうせ奴の攻撃は我にダメージを与えることはできんわけじゃしな。
 そして瞬きをする間にルーの姿がかき消える。


 またじゃ。
 以前も見えなかったが今回もやはり見えん。
 しかし、ルーが大地を蹴って近づいてきているのはわかる。
 だって大地が抉れておるのとその音が響いておるわけじゃからな。
 加えて我の今までの経験上、高速で動く者は大概が細かい動きができん。


絶閃ぜっせん!」


 おそらくは突き出されたであろう剣が通った場所の空気が唸る。
 それだけでも十分に位置の予測はできるというものじゃ。
 まさに見えんがわかる状態。


「つまり避けるのは容易いわけじゃよ。バカが」


 動くのは最低限。
 一歩横へ。
 それだけで高速で動くルーの剣先は我にかすることもなくただ通過するだけとなる。
 ふ、なんと知的な我。


「弐ノ型!」


 しかし、元来より期待もとい予測とは大体が裏切られる。
 その裏切りはしたり顏の我に衝撃が走り、地面を転がされたことから開始する。


「ん?」


 しばらく転がり我の視界いっぱいには土らしきもので埋め尽くされておる。
 むぅ、口の中にも入っとるようじゃな。


『未知の味を取得しました。経験値を3取得しました』


 土って未知じゃったのか…… しかし経験値すくないのぅ。
 もう恒例ともなりつつある土まみれになった服をはたくわけじゃが汚れはあんまり落ちんのう。
 いや、それよりも。


「なにをしたんじゃ? ルー」


 我からかなり離れた位置で剣を構えているルーへと尋ねる。
 我は確実にルーの突きを躱したはずじゃ。


「簡単です。絶閃弐ノ型ぜっせんにのかたです」


 そういえばなんか言っておったのう。
 よく聞こえんかったんじゃよ。


「弐ノ型は突き出した剣を魔法に付与さすことで強制的に軌道を変更さす技です」
「うん?」


 よくわからん。
 つまりは力付くで軌道を変えるということか?
 そうならばなかなかに強引な技、といえるんじゃないのか? というかそれは簡単にできるもんなんじゃろうか?
 全くわからん!


「ともかく、見える攻撃と実際の攻撃は違うということです」
「なるほど」


 腕を組み、首を傾げている我をみてなにを思ったのか知らんがルーが我にもとてもわかりやすく言ってくれる。
 見えるのが正しいとは限らんということじゃな。
 いや、そう考えるとあの技は恐ろしくめんどうな技じゃな。
 初めてみたときはただ早いだけの突きかと思ったわけなんじゃが……
 それにニノカタとか言っておった。ニノカタの二が一の次の数字である二ならばもしかしたら三とか出でくるんじゃなかろうな。


「では、次行きます! 次はさらにちがう技行きます!」
「えー」


 タネがわかっても避けれん攻撃を受け続けなければならん宣言を受けた我はげんなりとした表情を剣を構え、ウキウキとした表情をしているルーをみるのじゃった。

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