雑食無双ヨルムン
ヨルムン、宙をぷらぷらする
「ようやくみつけましたよ!gadtjhdtgamさん! 」
最後に見た時よりかなりボロボロの様子でブリューフルが我に詰め寄ってきよる。輝いていた金の髪はなんじゃか燻んでおるし、服も所々に穴が空いておるようじゃ。
「ふむ、その節は世話になったのう」
「あ、いえいえ私も任務でしたので」
といっても封印を解いてもらった後には水で流されたわけなんじゃがな。
しかし今、目の前にいるブリューフルにはなにか違和感のようなものを感じるんじゃよな。服装とかそんな物ではないんじゃが。
「あ、おぬし頭の上にあった輪っかはどこにやったんじゃ?」
今のブリューフルの頭の上には金色に輝く輪っかが見当たらないんじゃ。あと背中にあった羽根も見当たらん。
「あなたがとったんでしょう⁉︎ 返してください! あれがないと私、天使の力が全く使えなくなるんですから!」
顔色を変えたブリューフルは我に向かい飛びついてくると一気に喋り始めとる。というか唾が飛んできよるし。
必死じゃな。というさあの輪っかは天使の力の源だったんじゃな。ということは食べておればかなりのレベルアップが望めたということか。
ち、おしいことをしたものじゃ。
「そんなことを言われても我は輪っかなんて持っとらんぞ?」
「な、なんでですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
我の服の首元を掴むとブリューフルは我を軽々と持ち上げる。そのせいで我の足は地面から離れたためぷらぷらと体が揺れる。
いや、こやつ天使の力がなくなったとか嘘じゃろ? すごく簡単に我を持ち上げよったぞ? 顔は真っ赤じゃがな。
「な、なんで持ってないんですか! あの状況ならあなたが持っていると考えるのが普通でしょう!」
「いややや、ととと、とりあああえずゆゆゆゆらすすすなぁぁぁぁ」
必死の形相で掴んだ我を足が地面に着かんのをいいことに上下左右に振り回しよる。いかに物理系の攻撃が効かん我であっても振り回されると非常に気分が悪い。
「やめい!」
「ぐふっ⁉︎」
振り回されると反動を利用して我はブリューフルの腹に向け蹴りを繰り出してやるといとも容易く腹へと突き刺さり、ブリューフルが空気を吐き出すような声を出すと我を手放し、腹を抱えてそのまままうずくまりよった。我はというと普通に着地。
「そもそもの話じゃがな。おぬしの頭の輪っかを我が持っていたとしてじゃ、そんなもんなら我はとっくに食っとるじゃろうよ」
神の眷属である天使の所有物じゃ。さぞ美味しい経験値になったじゃろうよ。
「うう、あれがないと私、神域に帰れないんですよぉ」
「神域とは確か神が住んどる領域じゃったか?」
昔何回か連れていかれたことがあったんじゃがな。神域はなんかよくわからんのが充満しておるからのぅ。皮膚がピリピリしていやな場所じゃったな。あんまり行きたい場所ではない。
というかあれがないと入れない場所だったとは初めて知ったわい。
ギュルルルルル
めちゃくちゃ大きな音が響いた。
これ、多分お腹の音じゃよな? しかし、我のではないんじゃがな。じゃが、周りの奴らの目線は明らかに我ら二人の方のうちの我の方を見とるんじゃよな。
「先に言っといてやるが我ではないぞ?」
だって我は常に小腹が減るからのぅ。クマから貰ったカバンの中に食べ物をたらふく詰めておるし。腹が減る前に食べておるからな。
「……おぬしか」
目の前で蹲るブリューフルの顔は見えん。だが長い金色の髪の隙間から見える耳がやたらと赤いのをみると恥ずかしがっておるのか?
「なななな、天使である私のお腹が鳴るわけないじゃないですか!」
我の言葉にバッとブリューフルが顔を上げ否定の言葉を叫んできよるが顔は真っ赤っかじゃな。
これはブリューフル決定じゃろ。
「そう! 神の眷属たる私のお腹が鳴るわけなんて……」
ギュルルルルル
「あ……」
「……」
さすがに我も気まずい。みるみる顔がさらに赤くなっていき、挙句に瞳に涙まで貯め始めたブリューフルを見ておれず視線を逸らした。
「し、仕方ないんでずぅ! 天使の輪っかがなくなったから人と変わらない力しか出せないしお腹も減るようになってしまったんですからぁぁ!」
再び俯き滝のように涙を流すブリューフル。涙はそのまま地面へと落ちるとみるみるうちに水たまりを作り始めるくらいの量じゃ。
「なんてダメ天使なんじゃ……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁん! 私ダメじゃないもん!」
我がごく自然に心に思ったことをそのまま何気なく言った言葉がブリューフルの心に刺さったのかブリューフルは再び泣き始めるのじゃった。
最後に見た時よりかなりボロボロの様子でブリューフルが我に詰め寄ってきよる。輝いていた金の髪はなんじゃか燻んでおるし、服も所々に穴が空いておるようじゃ。
「ふむ、その節は世話になったのう」
「あ、いえいえ私も任務でしたので」
といっても封印を解いてもらった後には水で流されたわけなんじゃがな。
しかし今、目の前にいるブリューフルにはなにか違和感のようなものを感じるんじゃよな。服装とかそんな物ではないんじゃが。
「あ、おぬし頭の上にあった輪っかはどこにやったんじゃ?」
今のブリューフルの頭の上には金色に輝く輪っかが見当たらないんじゃ。あと背中にあった羽根も見当たらん。
「あなたがとったんでしょう⁉︎ 返してください! あれがないと私、天使の力が全く使えなくなるんですから!」
顔色を変えたブリューフルは我に向かい飛びついてくると一気に喋り始めとる。というか唾が飛んできよるし。
必死じゃな。というさあの輪っかは天使の力の源だったんじゃな。ということは食べておればかなりのレベルアップが望めたということか。
ち、おしいことをしたものじゃ。
「そんなことを言われても我は輪っかなんて持っとらんぞ?」
「な、なんでですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
我の服の首元を掴むとブリューフルは我を軽々と持ち上げる。そのせいで我の足は地面から離れたためぷらぷらと体が揺れる。
いや、こやつ天使の力がなくなったとか嘘じゃろ? すごく簡単に我を持ち上げよったぞ? 顔は真っ赤じゃがな。
「な、なんで持ってないんですか! あの状況ならあなたが持っていると考えるのが普通でしょう!」
「いややや、ととと、とりあああえずゆゆゆゆらすすすなぁぁぁぁ」
必死の形相で掴んだ我を足が地面に着かんのをいいことに上下左右に振り回しよる。いかに物理系の攻撃が効かん我であっても振り回されると非常に気分が悪い。
「やめい!」
「ぐふっ⁉︎」
振り回されると反動を利用して我はブリューフルの腹に向け蹴りを繰り出してやるといとも容易く腹へと突き刺さり、ブリューフルが空気を吐き出すような声を出すと我を手放し、腹を抱えてそのまままうずくまりよった。我はというと普通に着地。
「そもそもの話じゃがな。おぬしの頭の輪っかを我が持っていたとしてじゃ、そんなもんなら我はとっくに食っとるじゃろうよ」
神の眷属である天使の所有物じゃ。さぞ美味しい経験値になったじゃろうよ。
「うう、あれがないと私、神域に帰れないんですよぉ」
「神域とは確か神が住んどる領域じゃったか?」
昔何回か連れていかれたことがあったんじゃがな。神域はなんかよくわからんのが充満しておるからのぅ。皮膚がピリピリしていやな場所じゃったな。あんまり行きたい場所ではない。
というかあれがないと入れない場所だったとは初めて知ったわい。
ギュルルルルル
めちゃくちゃ大きな音が響いた。
これ、多分お腹の音じゃよな? しかし、我のではないんじゃがな。じゃが、周りの奴らの目線は明らかに我ら二人の方のうちの我の方を見とるんじゃよな。
「先に言っといてやるが我ではないぞ?」
だって我は常に小腹が減るからのぅ。クマから貰ったカバンの中に食べ物をたらふく詰めておるし。腹が減る前に食べておるからな。
「……おぬしか」
目の前で蹲るブリューフルの顔は見えん。だが長い金色の髪の隙間から見える耳がやたらと赤いのをみると恥ずかしがっておるのか?
「なななな、天使である私のお腹が鳴るわけないじゃないですか!」
我の言葉にバッとブリューフルが顔を上げ否定の言葉を叫んできよるが顔は真っ赤っかじゃな。
これはブリューフル決定じゃろ。
「そう! 神の眷属たる私のお腹が鳴るわけなんて……」
ギュルルルルル
「あ……」
「……」
さすがに我も気まずい。みるみる顔がさらに赤くなっていき、挙句に瞳に涙まで貯め始めたブリューフルを見ておれず視線を逸らした。
「し、仕方ないんでずぅ! 天使の輪っかがなくなったから人と変わらない力しか出せないしお腹も減るようになってしまったんですからぁぁ!」
再び俯き滝のように涙を流すブリューフル。涙はそのまま地面へと落ちるとみるみるうちに水たまりを作り始めるくらいの量じゃ。
「なんてダメ天使なんじゃ……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁん! 私ダメじゃないもん!」
我がごく自然に心に思ったことをそのまま何気なく言った言葉がブリューフルの心に刺さったのかブリューフルは再び泣き始めるのじゃった。
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