雑食無双ヨルムン
ヨルムン、剥かれる
『攻める攻める攻める! バルドルが怒涛の連続突きだぁ! さきほどあっけなく散ったマフラックの仇を討たんとせんばかりの突きだぁ! 挑戦者ヨルムン手がだせなぁぁぁぁい!』
「ラララララララっ!」
解説者の声とバルドルとやらの声がうるさい。
バルドルの突きはやたらと速いし、さっきみたいに一撃で仕留めるために力を込めているわけではないので掴むこともできん。一撃で仕留めるタイプではなき数で制圧するタイプみたいじゃな。我は当然一撃タイプじゃがな。
となると自然と避けれぬ我は体で受けざる得ないわけなんじゃが我の体は無傷であっても(衝撃は痛い)纏う服がそういうわけにも行かずみるみるうちにボロ布へとかわっていくんじゃよな。
しかもその度に観客の歓声が大きくなるという謎の現象付きじゃ。
『いいぞ! いいぞバルドル! お前は男の浪漫をわかっている! そのまま剥いちまえ!』
うーむ、どうやら我の服がボロボロになれば会場の熱気が上がっておるような気がするのう。
「ところでお主は強い方なのかのう?」
攻撃を受けながらも時折拳を振るうんじゃが全く当たらん。まるで軌道がわかっているかのように躱されるしのう。
「闘技場において槍のバルドルとは我輩のことだ!」
返礼と言わんばかりに繰り出される槍を全く避けれぬままひたすらに食う。衝撃は結構いたいんじゃよ。
「となるとどれくらい手加減をすればいいんじゃろ?」
さっきの男は割と手加減をしないまま全力の拳を顔面に叩き込んだら顔が消えてしもうたからな。さすがに原型を残しとかんと蘇生魔法も無理じゃろ。
……蘇生魔法あるよな? 我がいた頃はあったんじゃが封印されている間になくなったとかそんなことはないよな?
なかったらさっきの男は蘇生できんわけなんじゃが……
「ふん!」
目の前のバルドルが槍を我の肩に向け叩きつけてきよる。肩に多少の痛みを感じたがそれだけじゃ。じゃが、あのバルドルの武器は凄いのう。我の体に突きをしてきても全く歪んでおらんし形も変わっとらん。
なにやら特殊な物でできているのかもしれんのう。
「貴様、先程から防戦一方で全く攻撃をしてこんではないか!」
「うん? ああ、考え事を……」
喋ってる途中で槍が顔の横っ面を叩いてきよった。当然避けきれず衝撃に流されるまま体もくるくると回転する。
「馬鹿にしてるのか!」
「いや、全くしとらんが?」
何回転かしたせいか気分が悪い。というか気持ち悪い。しかし、今吐いたらその吐いたのがブレスかどうかわからんし所構わず吐くわけにはいかんしのう。
これは今後のためにもさっさと決めた方が良さそうかの。
そう決めるやいなや我は脚に力を込めて一気に飛び出す。間合いを詰めて拳で沈めてやろうという算段じゃ。
しかし、バルドルには見えていたようで槍による突きではなく横へと振るうなぎ払いへと変化させ走り出した直後の我の脚を横から打ち付けてきよった。
「いたっ⁉︎」
横から打たれた衝撃は地味に痛いものでそれにより姿勢を崩した我はリングの上を転がる羽目となった。ついでにボロ布と化していた服もついには耐えきれなくなったのか完全に破れてしもうた。
「ぜ、絶対泣かす」
目尻に浮かんだ涙を拭いながら我はそう誓う。けっして無様に転がされたことにイラっとしたわけでも打ち付けられた脚(脛の部分)がジンジン痛むからではない。そう、断じてない。
我が立ち上がる先とは比べものにならないほどの歓声が闘技場を揺らす。思わず耳を覆ってしまうほどじゃ。
『きたぁぁぁぁぁ! ロリの全裸きたぁぁぁぁぁ! 普段であれば犯罪だがここは何が起こるかわからない闘技場! もんだいなしだぁ! 紳士の諸君らは心のキャメラに刻みつけて帰るように!』
「いや、何を言っとるのか全くわからん」
この喋る奴はきっと頭がおかしいと思うんじゃがな。
「ふん、力だけの小娘に我輩の槍さばきが凌げるとは思わんがな」
こちらを馬鹿にしたように鼻で笑いおってからに。
「お主は絶対泣かすからな!」
我はバルドルに向けて胸を張りながらビシッと指差す。その瞬間なぜか観客が大いに湧いたのは謎であるがな。
「ラララララララっ!」
解説者の声とバルドルとやらの声がうるさい。
バルドルの突きはやたらと速いし、さっきみたいに一撃で仕留めるために力を込めているわけではないので掴むこともできん。一撃で仕留めるタイプではなき数で制圧するタイプみたいじゃな。我は当然一撃タイプじゃがな。
となると自然と避けれぬ我は体で受けざる得ないわけなんじゃが我の体は無傷であっても(衝撃は痛い)纏う服がそういうわけにも行かずみるみるうちにボロ布へとかわっていくんじゃよな。
しかもその度に観客の歓声が大きくなるという謎の現象付きじゃ。
『いいぞ! いいぞバルドル! お前は男の浪漫をわかっている! そのまま剥いちまえ!』
うーむ、どうやら我の服がボロボロになれば会場の熱気が上がっておるような気がするのう。
「ところでお主は強い方なのかのう?」
攻撃を受けながらも時折拳を振るうんじゃが全く当たらん。まるで軌道がわかっているかのように躱されるしのう。
「闘技場において槍のバルドルとは我輩のことだ!」
返礼と言わんばかりに繰り出される槍を全く避けれぬままひたすらに食う。衝撃は結構いたいんじゃよ。
「となるとどれくらい手加減をすればいいんじゃろ?」
さっきの男は割と手加減をしないまま全力の拳を顔面に叩き込んだら顔が消えてしもうたからな。さすがに原型を残しとかんと蘇生魔法も無理じゃろ。
……蘇生魔法あるよな? 我がいた頃はあったんじゃが封印されている間になくなったとかそんなことはないよな?
なかったらさっきの男は蘇生できんわけなんじゃが……
「ふん!」
目の前のバルドルが槍を我の肩に向け叩きつけてきよる。肩に多少の痛みを感じたがそれだけじゃ。じゃが、あのバルドルの武器は凄いのう。我の体に突きをしてきても全く歪んでおらんし形も変わっとらん。
なにやら特殊な物でできているのかもしれんのう。
「貴様、先程から防戦一方で全く攻撃をしてこんではないか!」
「うん? ああ、考え事を……」
喋ってる途中で槍が顔の横っ面を叩いてきよった。当然避けきれず衝撃に流されるまま体もくるくると回転する。
「馬鹿にしてるのか!」
「いや、全くしとらんが?」
何回転かしたせいか気分が悪い。というか気持ち悪い。しかし、今吐いたらその吐いたのがブレスかどうかわからんし所構わず吐くわけにはいかんしのう。
これは今後のためにもさっさと決めた方が良さそうかの。
そう決めるやいなや我は脚に力を込めて一気に飛び出す。間合いを詰めて拳で沈めてやろうという算段じゃ。
しかし、バルドルには見えていたようで槍による突きではなく横へと振るうなぎ払いへと変化させ走り出した直後の我の脚を横から打ち付けてきよった。
「いたっ⁉︎」
横から打たれた衝撃は地味に痛いものでそれにより姿勢を崩した我はリングの上を転がる羽目となった。ついでにボロ布と化していた服もついには耐えきれなくなったのか完全に破れてしもうた。
「ぜ、絶対泣かす」
目尻に浮かんだ涙を拭いながら我はそう誓う。けっして無様に転がされたことにイラっとしたわけでも打ち付けられた脚(脛の部分)がジンジン痛むからではない。そう、断じてない。
我が立ち上がる先とは比べものにならないほどの歓声が闘技場を揺らす。思わず耳を覆ってしまうほどじゃ。
『きたぁぁぁぁぁ! ロリの全裸きたぁぁぁぁぁ! 普段であれば犯罪だがここは何が起こるかわからない闘技場! もんだいなしだぁ! 紳士の諸君らは心のキャメラに刻みつけて帰るように!』
「いや、何を言っとるのか全くわからん」
この喋る奴はきっと頭がおかしいと思うんじゃがな。
「ふん、力だけの小娘に我輩の槍さばきが凌げるとは思わんがな」
こちらを馬鹿にしたように鼻で笑いおってからに。
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