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雑食無双ヨルムン

るーるー

ヨルムン 乱入する

 薄暗いところから急に明るいところに出た我は目を細めながら空に浮かぶ太陽を睨みつける。


『おっとここでランキング戦乱入の挑戦者の登場たぁぁぁぁ!』


 解説役のような奴がリングの方へと姿を現した我を発見したのか大きな声を張り上げてきよる。
 それに答えるように耳を抑えなければならないほどの大きな歓声を受けながら我はリング中央で武器をぶつけ合う奴らの方へと歩みを進める。


「乱入だと?」
「俺たちの闘いに割って入る愚か者がいるとはな」


 闘っていた二人も武器を合わせるのを止め、同じリングへと上がる我の方へと視線を向けてきよる。
 そんな中、我は軽くステップを踏むようにリングへ飛び乗る。


「お主らが今戦っとる奴らか?」


 我をジッと見てくる男二人にむけて軽く拳を振るって準備をする。


「わけあって、というか我の服代と食費のためにお主ら二人のふぁいとまねーとやらが必要なんじゃが」


「あん?」
「んだとぉ」


 ふむ、おかしいのう。
 我正直に話をしただけなんじゃがなんでこんなにめやさっきみたいなやつをぶつけられなきゃいかんのじゃ?


「俺たちの闘いの……」


 おお、いきなり消えよった!
 しかし、我に影が落ちているから後ろにいることは丸わかりじゃな。


「邪魔をすんじゃねぇ!」


 しかし、わかるのと避けれるのは別じゃ。
 振り返った我の目に飛び込んできたのは唸りを上げながら迫る拳じゃ。


 ぶっちゃけた話、この身体ヨルムン、筋力と防御力以外は大して強くはないというのがよくわかっておる。それに攻撃は防げても衝撃は防げんときたもんじゃ。


 避けれんなら受けるしかないわけで我は顔面に迫る拳に向かい頭を突き出すようにしてやり返す。
 頭から鈍い音と何かが折れるような音が響くと共に微妙に体がふらつき後ろに下がるのを涙を流しながら踏みとどまる。


「いったぁいのぅ!」
『おっと、マフラックが凄まじい速度で繰り出した拳を挑戦者! 物怖じせずに受け止めたゾォ! そして今入った情報では乱入者はヨルムン! 聞いたことがない名だな果たしてその実力は⁉︎』


 いや、受け止めたんじゃなくて殴られたんじゃが…… とりあえずは殴られたのがイラッとしたのでこっちも殴り返してやるとしよう。


「そいや」


 まずは挨拶というわけで軽く拳を握り放つ。
 これくらいなら避けるか防ぐなりできるじゃろ。


「げぇぇぇぇ!」
「え?」


 我が放った拳は我がびっくりするくらい簡単に腹に突き刺ささりおるし。


『速い! なんで速さだ! 挑戦者ヨルムンが繰り出した拳がマフラックの腹に突き刺さるぅぅぅぅ!』


 うわ、口から何か吐き出しよった!というかなんて弱さなんじゃ。これでいいのか人間よ。
 慌てて体を揺らし飛んできたものを躱すとまずは一人目をさっさと片付けるべくさらに拳を振りまくる。
 今度は一発でなく連打を叩き込む。


「うりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃうりゃぁ!」
「あばばばばばばばばばばばっ」
『連打連打連打! マフラック全く抵抗できない! 振るわれる拳を避けるすべなくすべて手数料込みで受け取っている状態だぁ!』


 連打による衝撃で変な悲鳴を上げながら足がリングから浮き上がるほどじゃ。


「ほい、一人目」


 さっき我の顔面に拳を叩きつけてきよったからな同じように顔面に拳が唸るように放ってみる。
 するとパァンという軽い音と共にマフラックと呼ばれた男の顔面は吹き飛び、体は糸が切れたかのように力なく倒れこみよった。
 マフラックとやらの顔面が弾け飛んだ瞬間、闘技場内に鳴り響いていた歓声が一瞬にして静寂に飲み込まれる。
 そしてマフラックだった物が倒れこむ音はその静寂の空間によく響いておる。


『な、』
「な?」
『なんということだぁぁぁぁぁ! 飛び入り乱入の挑戦者ヨルムン! 闘技場ランキングでは五位のマフラックをいとも容易くぶちのめしたぁぁぁぁぁぁ! 情けない! 情けなすぎるぞ弱ラック!』


ん? マフラックではないのか?


 ワァァァァァァ!


 心の疑問は届くことなく先ほどまでの静寂が嘘のように闘技場全体が爆発したかのような歓声のせいで震えとるようじゃ。


『バルドルとの因縁の決着をつける前にリタイアとはマフラックもさぞ無念でしょう!』


 え、我もしかして結構大きな舞台に乱入してしまった感じなんじゃろうか……


「く、我が永遠のライバルをよくも!」


 瞬く間に距離を詰めてきたバルドル? が手にしていた槍を突き出してきたのでそれを掴み取り、そのまま筋力にものを言わせて横に放り投げる。
 投げられた瞬間驚きに目を見開いたバルドルであったが空中にいる間に体勢を整えたようで危なげなく着地しおった。
 我はというと別に追撃をするわけではなく穴だらけになりズレたりして微妙に動きを阻害する服を少しばかり破っているところじゃ。


『もうちょい! もうちょい! ガッデム! もう少し胸元破れよ! それじゃ微エロじゃねえか!』


 ブゥゥゥゥゥゥ!


 なぜか観客たちからも非難のような声が上がってくる。たかだか服一枚が少し破っただけでなんなんじゃ。


「…… 貴様、どんな鍛錬をしたのだ」


  槍を構えなぜか我を睨みつけるようにしてバルドルとやらが尋ねてくる。


「ん? 喰ってただけだが?」
「たわ言を!」


 怒気を撒き散らすと同時にバルドルから放たれる圧力のようなものが増した気がする。
 いや、我は本当に食べてレベルが上がるんじゃが……

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