雑食無双ヨルムン
ヨルムンうずくまる?
どうも我のことのようなので面倒であるが声をかけられた方へと体を向ける。
体を向け、我の視線の先には重そうな鎧を着込み、細長い筒のようなものを持った奴らが隊列を組んでおった。
所々に上がる旗に描かれておる図柄が目に入り我は目を細める。天秤に剣と盾。あれは我が世界蛇として暴れていた頃にも見たことがあるものじゃからのう。
「ふむ、天教騎士団か。あやつらはきょーかいとかいう所の兵じゃった気がするんじゃがのう」
天教騎士団。
簡単に言えば『天使と神様の美貌は世界イチィィィィィ』とかいう信念を抱いておる騎士団なわけじゃ。
タチが悪いのはこいつらは本当に神や天使から信託を受けることができるので別名「神の尖兵」とまで言われておるんじゃ。
まぁ、信託なんてなくても暴れまわる迷惑な奴らなんじゃがな。
昔、暇つぶしで潰したと思っとったんじゃが生き残りがおったんじゃな。
『動くな! 動くと撃つぞ!』
そんなことを感慨深く考えておるとなにやら偉そうな奴が再び大声を上げてきよった。
「あん? なにをじゃ?」
撃つというからには何か飛んでくるんじゃろうが、船にあったようなたいほうとやらの姿は見えんのじゃが。
首を傾げながら考えておると「足元、射撃、撃てぃ!」という掛け声とともにドォンという腹に響く音が鳴り、我の足元に小さな穴がいくつもあき、白い煙が上がりおった。
「おお……」
地面にこんな小さな穴を開ける魔法があるとは…… 人類は無駄なことに力を込めておるようじゃな。
『今のは威嚇射撃だ! 体を穴だらけにされたくなければ手にしている武器を離し両手を上げろ!』
再び細長い筒が我の方に音を立てながら向けられとる。どうやらたいほうとかいうやつの小さいやつみたいじゃな。
『早くしろ!』
「はいはい」
ガミガミとしつこい奴じゃ。めんどくさげに首を振りながら我は全力で聖剣を放り投げた。
どこへ?
そりゃもちろん密集している天教騎士団の方へとじゃよ。
『なっ⁉︎』
驚愕の声が上がっている間にも我が全力で投げた聖剣は凄まじいまでに唸る音を響かせながら飛んでいき、片膝をついて細長い筒を構えている天教騎士団の面々に突っ込んでいった。
途端、周囲に赤い雨が降る。
我の全力によって投じられた聖剣は刃の部分が当たれば人の体などなんの障害にもならんとばかりに斬り捨て、台座の部分が当たれば当たった部分が陥没し吹き飛ばしていた。
「ほれ、手放したぞ?」
聖剣を投じた後は両手を上げてやったが天教騎士団の面々はそれどころではないようじゃな。
至るところで悲鳴が上がり、聖剣が通った後は死体か怪我人のどちらかしかいないような状態じゃ。
「う、撃てぇ!」
かろうじて無事だった天教騎士団の奴らが怯えたようにして筒を構え、こちらに向けてくる。次に乾いた音が鳴り響くと我の体に何かが当たるような感触が疾る。
「うん?」
何かが当たったであろう場所へ視線を向けるとイーサンから貰ったローブにいくつか穴が開いておった。しかし、服を貫通はしていたがその下の我の体には傷一つ負わせていないようじゃ。よくよく見るとなにやら尖った物がいくつも飛んできているようなんじゃが我の体に触れた瞬間にひしゃげて乾いた音を響かせながら地面に落ちていっとる。
「隊長! 対象に変化が全く見られません」
「バカな⁉︎ なぜ平然とたっていられるんだ!」
「隊長! 我々はどうすれば⁉︎」
なんか向こうで天教騎士団の奴らが喚いとるんじゃがそれを無視しながら我はその場に座り込み、周囲に散らばる物を拾い上げて見て見る。
「見ろ! 奴も不死身ではない! その証拠にうずくまっているぞ!」
『おお!』
拾い上げた物をまじまじと見て見たんじゃがひしゃげてるのは鉄の塊みたいじゃのう。
つまみ上げたそれを手の中でしばらく遊んだ後に口に放り込んでみる。
しばらく口の中で転がし、咀嚼してみる。
『未知の味を取得しました。経験値を140入手しました。ヨルムンのレベルが16に上がりました』
おお、経験値じゃ! れべるあっぷじゃ! 新しい味じゃ! なんか中に砂みたいなやつが入っておったからのぅ。それが未知の味覚になってるのか。
『新たなスキル〈ブレス(リバース)〉を習得しました』
ん? ブレス?
なんか我が昔使っていたのと微妙に違うんじゃが。なんじゃ? この後ろに付いてるリバースとかいうやつは。
「ってしつこいの貴様ら!」
人が考えごとをしている間に好き放題にバシバシと撃ってきよってからに!
痛くはないが体に響くんじゃぞ!
再び、地面に転がる鉄屑を今度は食べるためではなく手で攫うようにして握りしめると我は立ち上がり腕を振りかぶる。
「隊長! 対象はピンピンしてます!」
「撃て! とりあえず撃て!」
「やかましいわ!」
握りしめていた鉄屑をまだ喚いている連中に向け放り投げてやる。
向こうが放つ物よりも若干大きな音を上げながら鉄屑は天教騎士団の面々の体に吸い込まれていき、くぐもった声を上げながら後ろに吹き飛んでいった。
「やっぱり聖剣が例外なだけかのう?」
吹き飛ばされた天教騎士団は痙攣したかのように震えておるし精々鎧が凹んどるだけだからじゃのう。
体を向け、我の視線の先には重そうな鎧を着込み、細長い筒のようなものを持った奴らが隊列を組んでおった。
所々に上がる旗に描かれておる図柄が目に入り我は目を細める。天秤に剣と盾。あれは我が世界蛇として暴れていた頃にも見たことがあるものじゃからのう。
「ふむ、天教騎士団か。あやつらはきょーかいとかいう所の兵じゃった気がするんじゃがのう」
天教騎士団。
簡単に言えば『天使と神様の美貌は世界イチィィィィィ』とかいう信念を抱いておる騎士団なわけじゃ。
タチが悪いのはこいつらは本当に神や天使から信託を受けることができるので別名「神の尖兵」とまで言われておるんじゃ。
まぁ、信託なんてなくても暴れまわる迷惑な奴らなんじゃがな。
昔、暇つぶしで潰したと思っとったんじゃが生き残りがおったんじゃな。
『動くな! 動くと撃つぞ!』
そんなことを感慨深く考えておるとなにやら偉そうな奴が再び大声を上げてきよった。
「あん? なにをじゃ?」
撃つというからには何か飛んでくるんじゃろうが、船にあったようなたいほうとやらの姿は見えんのじゃが。
首を傾げながら考えておると「足元、射撃、撃てぃ!」という掛け声とともにドォンという腹に響く音が鳴り、我の足元に小さな穴がいくつもあき、白い煙が上がりおった。
「おお……」
地面にこんな小さな穴を開ける魔法があるとは…… 人類は無駄なことに力を込めておるようじゃな。
『今のは威嚇射撃だ! 体を穴だらけにされたくなければ手にしている武器を離し両手を上げろ!』
再び細長い筒が我の方に音を立てながら向けられとる。どうやらたいほうとかいうやつの小さいやつみたいじゃな。
『早くしろ!』
「はいはい」
ガミガミとしつこい奴じゃ。めんどくさげに首を振りながら我は全力で聖剣を放り投げた。
どこへ?
そりゃもちろん密集している天教騎士団の方へとじゃよ。
『なっ⁉︎』
驚愕の声が上がっている間にも我が全力で投げた聖剣は凄まじいまでに唸る音を響かせながら飛んでいき、片膝をついて細長い筒を構えている天教騎士団の面々に突っ込んでいった。
途端、周囲に赤い雨が降る。
我の全力によって投じられた聖剣は刃の部分が当たれば人の体などなんの障害にもならんとばかりに斬り捨て、台座の部分が当たれば当たった部分が陥没し吹き飛ばしていた。
「ほれ、手放したぞ?」
聖剣を投じた後は両手を上げてやったが天教騎士団の面々はそれどころではないようじゃな。
至るところで悲鳴が上がり、聖剣が通った後は死体か怪我人のどちらかしかいないような状態じゃ。
「う、撃てぇ!」
かろうじて無事だった天教騎士団の奴らが怯えたようにして筒を構え、こちらに向けてくる。次に乾いた音が鳴り響くと我の体に何かが当たるような感触が疾る。
「うん?」
何かが当たったであろう場所へ視線を向けるとイーサンから貰ったローブにいくつか穴が開いておった。しかし、服を貫通はしていたがその下の我の体には傷一つ負わせていないようじゃ。よくよく見るとなにやら尖った物がいくつも飛んできているようなんじゃが我の体に触れた瞬間にひしゃげて乾いた音を響かせながら地面に落ちていっとる。
「隊長! 対象に変化が全く見られません」
「バカな⁉︎ なぜ平然とたっていられるんだ!」
「隊長! 我々はどうすれば⁉︎」
なんか向こうで天教騎士団の奴らが喚いとるんじゃがそれを無視しながら我はその場に座り込み、周囲に散らばる物を拾い上げて見て見る。
「見ろ! 奴も不死身ではない! その証拠にうずくまっているぞ!」
『おお!』
拾い上げた物をまじまじと見て見たんじゃがひしゃげてるのは鉄の塊みたいじゃのう。
つまみ上げたそれを手の中でしばらく遊んだ後に口に放り込んでみる。
しばらく口の中で転がし、咀嚼してみる。
『未知の味を取得しました。経験値を140入手しました。ヨルムンのレベルが16に上がりました』
おお、経験値じゃ! れべるあっぷじゃ! 新しい味じゃ! なんか中に砂みたいなやつが入っておったからのぅ。それが未知の味覚になってるのか。
『新たなスキル〈ブレス(リバース)〉を習得しました』
ん? ブレス?
なんか我が昔使っていたのと微妙に違うんじゃが。なんじゃ? この後ろに付いてるリバースとかいうやつは。
「ってしつこいの貴様ら!」
人が考えごとをしている間に好き放題にバシバシと撃ってきよってからに!
痛くはないが体に響くんじゃぞ!
再び、地面に転がる鉄屑を今度は食べるためではなく手で攫うようにして握りしめると我は立ち上がり腕を振りかぶる。
「隊長! 対象はピンピンしてます!」
「撃て! とりあえず撃て!」
「やかましいわ!」
握りしめていた鉄屑をまだ喚いている連中に向け放り投げてやる。
向こうが放つ物よりも若干大きな音を上げながら鉄屑は天教騎士団の面々の体に吸い込まれていき、くぐもった声を上げながら後ろに吹き飛んでいった。
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