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雑食無双ヨルムン

るーるー

ヨルムンは楽して儲けたい

「はぐ! むぐ!」
「どんだけ食うんだよ……」
「ふぁふぅふぁらふがるじゃへぉ?」
「食べる喋るかどっちかにしてくれ!」
「もぐもぐ」
「食うのかよ!」


 呆れたような声を出す男であるが肉を焼くのをやめることのないところを見るとまだ焼いてくれるようじゃ。 
 男が言うにはイーサンが我に寄越した皮袋の中にはそれなりに入っていたようじゃ。金額でいうと三万セルらしい。ここの焼いた肉を全部食えるだけの金らしいのでとりあえずお腹を満たすことにしたのだ。
 ただひたすらに食べる。テーブルとは呼べないが樽の上に置いた皿に次々に置かれる肉をひたすらに食べる。
 口内に広がるこの肉の旨みがなんとも言えぬ。しかも棒切れ(串というらしい)ごとに味が違うわ肉が違うわで飽きることが全くない。
 我は機嫌よく串に刺さった肉を口へと運んでいくんじゃが……


『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』『未知の味を取得しました。経験値を……』


 口に肉を運ぶたび度に経験値取得の声が脳内に響いて非常にうるさい。いや、音は出ていないんじゃがうるさいんじゃ。
 その声にちょっぴりイラつきながらもひたすらに食べる。


「おい、もう肉はないぞ」


 それをどれ位続けたのかわからんが男が声を上げる。言われて気づいたが樽の上の皿についに肉乗らなくなっていた。というか串しかない。


「もぐもぐ、おかわり」
「だからねぇと言ってるだろが!」


 残っている肉を全て口に放り込み皿を男に突きつけると怒鳴られた。


「たく、串焼きで散財するやつなんて初めて見たぜ」


 男に愚痴られながらも教えてもらい我は皮袋から一万セル分の硬貨がわからないので袋ごと男へと手渡す。すると男は微妙な顔をしながらも硬貨を取ると袋を返してきた。


「うむ、うまかったぞ。まだ微妙に足りんがな」
「あんだけ食ってか⁉︎ 普通の奴ならよく食っても五、六本だぞ」
「いや、そんなもん腹の足しにすらならんじゃろ」


 元の体から考えると今食べた量なんぞ食べた内に入らんしの。じゃが、自分でも疑問に思うがこの美少女のどこにあれだけの量の肉が入ったんじゃろか?


「ん、まぁ、美味かったのは確かじゃ」
「そりゃどうも。しかし、お前さんはこんなことに散財してていいのか?」
「さんざい、というのが何かはわからんが質問があるんじゃが?」
「なんだよ」


 そこいら中に散らばった串を拾い集めながら答えてくれるところを見ると質問には答えてくれそうじゃ。


「このセルとかいうのを手に入れるためにはどうしたらいいんじゃ?」


 先ほど道で聞いていたところでは食べ物を手に入れるにはこれと交換のようじゃしの。


「そりゃ、仕事をして稼ぐに決まってるだろ?」
「どんな仕事があるんじゃ?」
「変なことを聞くやつだな。働かなくてもいいような別大陸からでも来たのか?」
「……似たようなもんじゃな」


 というか働いたことすらないんじゃがな。


「金を儲けるなら俺みたいな商売をするかギルドで依頼を受けるとかだな。あとは傭兵ってのがあるがこいつは荒事専門だからなぁ」


 そう言い我を見ると苦笑いを浮かべ「嬢ちゃんには無理だな」となにやら勝手に納得しおった。まぁ、美少女じゃからな!


「金が手に入りやすいのはその話しぶりからして傭兵やギルドの依頼といったところかの?」
「ああ、そうだが…… だがお前さんには無理だぞ? ゴロツキや荒くれ者が多い職だしな」


 む、荒くれ者というとあれか。船を襲っておったような海賊とやらみたいな奴らじゃろうか?
 あんな奴らでできるなら我でもできそうじゃし。


「楽勝そうじゃな」
「ん? なんか言ったか?」
「なんでもないぞ」


 ボソッと言った我の言葉に男が反応するがなんでもないように手を振って誤魔化す。


「ああ、あとは貴族に嫁にもらってもらうとか、あとは広場の聖剣を引き抜いたりしたら金なんていくらでも入るだろうよ」


 冗談のように男が呟き再び周りの掃除に戻る男であったが我は男の言った言葉が気にかかった。


 聖剣。
 あれは意外とやばいものじゃ。天使の使ってた光の剣は大概のものが切れてしまうものじゃったが聖剣も限りなくそれに近い性能を持っておったはずじゃし。
 確か昔見たときは名前を忘れたが勇者が持っていたかのう。なんか叫びながら聖剣を振るったら空を覆っていた魔物共が一掃されていくのを酒を飲みながら見た覚えがあるし。
 さすがに以前の我をスパスパと切ることはできんとしてもそれなり・・・・には切られるかもしれんな。


「そんな聖剣がこの街にあるのか。しかし、名前はなんじゃったかのぅ?」


 首を傾げながら考えるがもともと名前を覚えるのが得意ではない我の頭にはまったくと言っていいほど記憶にない。


「まあ、形を見たら思い出すじゃろ」


 そう結論付けた我は再び人賑わう通りへと身を躍らせよい匂いが香るほうへと足を伸ばしたのじゃった。

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