雑食無双ヨルムン
砲弾無双
投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる投げる。
バカのひとつ覚えのごとく近くにある砲弾を掴んでは適当に放り投げる。
すでにいくつ投げたのか分からぬが、船は至る所に穴が開き、その穴から青い海と空が見えるようになっていた。
「だ、だれかあいつを止めろぉ! このままやられたんじゃ船が沈んじまう!」
「バカ言うな! あんな砲弾、掠っただけでもミンチになっちまう」
「力自慢のゴリオンが一瞬で肉塊に変わったんだぞ⁉︎ そんなの止めれるわけねえだかぺぇ!」
おぅ、なんか当たったみたいじゃな。また紅い飛沫が上がっとるみたいじゃし。
あやつらがいうゴリオンとはさっきやたらと大きな声をあげながら胸を叩きながらやってきた大男のことかのう? 砲弾を投げる感覚を掴む練習に丁度良かったから本気で投げてみたんじゃが上手いこと当たったせいで胸に大穴を開けてしもうたんじゃ。
しかし、いい感じに恐怖しとるみたいじゃな。すでに我が腕を振りかぶるだけで海賊共は悲鳴をあげながら隠れても意味のないところに隠れる始末じゃし。木の壁の後ろに隠れても意味なんてないんじゃがの!
「ギャァァァァァァァァァァァァ!」
なんとなく隠れてるかなぁと思った場所に砲弾を投げつけると木片と肉片が飛び散った。
ふむ、当たりじゃな。
すでに初めのような海賊共の抵抗は見られずどいつもこいつも息を殺すようにして隠れているようじゃ。
「おい、さっき我を海に叩き落としたここのボスはどこじゃ? さっきと同じで上か?」
砲弾を投げるのを止め、静寂が支配する空間に問いを投げかけた。
聞こえるのは息を飲む音と唾を飲み込むような音だけじゃ。仕方ない。
「教えたくないというなら仕方ない。また船を沈める作業を再開すると……」
「待て待て待て待て!」
我が再び近くの砲弾を掴み上げ、手で遊んでいると慌てたように海賊共が姿を見せてくる。
「ぼ、ボスなら甲板だ! さっきからそんなに時間が経ってねえし略奪の指揮を執っているんだ!」
「かんぱんってこの上かのぅ?」
我が上を指差しながら問うと首がとれんばかりの勢いで海賊共は頷いておる。まぁ、この後に及んで嘘をつく理由なんてないからの。
「なら、お主らは助けてやろうかのぅ」
正直者には報いるもんじゃからのう。
「た、助かった」
安堵したのか腰を抜かしたように座り込む輩が多いのぅ。しかし、こ奴らは勘違いをしておるな。
「お主らはお主らはな」
「え?」
間抜けな声を上げる海賊の横を我が無言で振り抜いた腕から放たれた砲弾が通過し、さらに海賊船内を破壊していく。
「お主らは助けるが船を沈めるという主目的は変わらんぞ?」
「う、嘘つきが!」
返事代わりにさらに砲弾を投げつけると悲鳴をあげながら海賊共は姿を次々に消していく。
あやつらのボスは確か上だと言っておったのぅ。
少しばかり気だるさを感じる腕をぐるぐると回し、再度砲弾を掴み上げ、今度は上へめがけて放り投げる!
砲弾がかんぱんとやらを突き破るたびに先程同様に悲鳴が我の耳に聞こえ始めてきた。同時に上の木が壊れていくので徐々に青空が見え始めておる。
「とう!」
ある程度空が見えるようになったところで砲弾を二つほど持ったまま跳躍、甲板へとあっさりと登り着地すると周囲から悲鳴が上がる。
「ひぃ⁉︎」
「またでやがった!」
「なんなんだよあれは!」
絶望に染まりきったような表情で我を見てくるのはやめよ。
「あん? 美女に決まっとるじゃろが」
「テメエなんで生きてやがる⁉︎ いや、俺の船になにしやがった!」
大きな声で怒鳴れたので思わず体がビクッとしてしまったぞ。声の方へと振り返ると視界一面に鋼の色が広がっておった。思わず普通に持っていた砲弾を前に出し鋼とぶつかる。すると船が震えるような衝撃が私を中心に広がり、船が軋むような音を上げる。
「今度は吹き飛ばされんよ?」
ニヤっと笑いながら問答無用で我に大剣を叩きつけてきたボスとやらに笑いかける。
「っ⁉︎ 鋼の剣が!」
見れば鋼の剣とやらが砲弾の形に凹んでいるのが見て取れる。しかし、こいつなんて力なんじゃ。手が痺れる。もし、この力を受けたらまた痛いんじゃろうなぁ。
海賊共のボスが驚いたような声を上げている間に我は反対側に持つ砲弾を振りかぶり、それで殴りつけた。
「おおう⁉︎」
それを大剣で受け止めたボスは大声をあげながら弾き飛ばされるように後ろへと下がる。
「お、これで殴ったら痛くないのぅ! ちょっと手が痺れるだけ、で!」
両手に持つ砲弾でひたすらに殴りつけていく。そのたびに鉄と鉄が打ちあうような鈍い音が上がっていく。その音が上がるたびにボスの剣が歪んでいくんじゃがそんなものは無視してひたすらに殴る。
「くそがぁぁぁ!」
ひたすらに殴られるのにイラついたのかボスが大振りに剣を放つ。とっさに砲弾で受け止めるがあまりに向こうの勢いが強く、衝撃で私の手から砲弾はあらぬ方向へと飛ばされていった。
「あぁ」
丈夫でいいものじゃったんが。放物線を描きながら飛んでいった砲弾はやがて海に音を立てながらぶつかっていった。
「死ね! ガキが!」
ボスが咆哮をあげながら歪んだ大剣を振り下ろしてきよる。残った砲弾を掲げてそれを受け止める。が、砲弾の表面を滑るようにして軌道が逸れた大剣は砲弾を持つ我の手を打ち付ける。
「いったぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
大剣に打ち付けられた衝撃と痛みで手にしていた砲弾が我の手から零れ落ちた。
「ギャァァァァァァァァァァァァ⁉︎」
なにやら海賊ボスが悲鳴をあげていた。いや、悲鳴あげてたの我のはずなんじゃが……
バカのひとつ覚えのごとく近くにある砲弾を掴んでは適当に放り投げる。
すでにいくつ投げたのか分からぬが、船は至る所に穴が開き、その穴から青い海と空が見えるようになっていた。
「だ、だれかあいつを止めろぉ! このままやられたんじゃ船が沈んじまう!」
「バカ言うな! あんな砲弾、掠っただけでもミンチになっちまう」
「力自慢のゴリオンが一瞬で肉塊に変わったんだぞ⁉︎ そんなの止めれるわけねえだかぺぇ!」
おぅ、なんか当たったみたいじゃな。また紅い飛沫が上がっとるみたいじゃし。
あやつらがいうゴリオンとはさっきやたらと大きな声をあげながら胸を叩きながらやってきた大男のことかのう? 砲弾を投げる感覚を掴む練習に丁度良かったから本気で投げてみたんじゃが上手いこと当たったせいで胸に大穴を開けてしもうたんじゃ。
しかし、いい感じに恐怖しとるみたいじゃな。すでに我が腕を振りかぶるだけで海賊共は悲鳴をあげながら隠れても意味のないところに隠れる始末じゃし。木の壁の後ろに隠れても意味なんてないんじゃがの!
「ギャァァァァァァァァァァァァ!」
なんとなく隠れてるかなぁと思った場所に砲弾を投げつけると木片と肉片が飛び散った。
ふむ、当たりじゃな。
すでに初めのような海賊共の抵抗は見られずどいつもこいつも息を殺すようにして隠れているようじゃ。
「おい、さっき我を海に叩き落としたここのボスはどこじゃ? さっきと同じで上か?」
砲弾を投げるのを止め、静寂が支配する空間に問いを投げかけた。
聞こえるのは息を飲む音と唾を飲み込むような音だけじゃ。仕方ない。
「教えたくないというなら仕方ない。また船を沈める作業を再開すると……」
「待て待て待て待て!」
我が再び近くの砲弾を掴み上げ、手で遊んでいると慌てたように海賊共が姿を見せてくる。
「ぼ、ボスなら甲板だ! さっきからそんなに時間が経ってねえし略奪の指揮を執っているんだ!」
「かんぱんってこの上かのぅ?」
我が上を指差しながら問うと首がとれんばかりの勢いで海賊共は頷いておる。まぁ、この後に及んで嘘をつく理由なんてないからの。
「なら、お主らは助けてやろうかのぅ」
正直者には報いるもんじゃからのう。
「た、助かった」
安堵したのか腰を抜かしたように座り込む輩が多いのぅ。しかし、こ奴らは勘違いをしておるな。
「お主らはお主らはな」
「え?」
間抜けな声を上げる海賊の横を我が無言で振り抜いた腕から放たれた砲弾が通過し、さらに海賊船内を破壊していく。
「お主らは助けるが船を沈めるという主目的は変わらんぞ?」
「う、嘘つきが!」
返事代わりにさらに砲弾を投げつけると悲鳴をあげながら海賊共は姿を次々に消していく。
あやつらのボスは確か上だと言っておったのぅ。
少しばかり気だるさを感じる腕をぐるぐると回し、再度砲弾を掴み上げ、今度は上へめがけて放り投げる!
砲弾がかんぱんとやらを突き破るたびに先程同様に悲鳴が我の耳に聞こえ始めてきた。同時に上の木が壊れていくので徐々に青空が見え始めておる。
「とう!」
ある程度空が見えるようになったところで砲弾を二つほど持ったまま跳躍、甲板へとあっさりと登り着地すると周囲から悲鳴が上がる。
「ひぃ⁉︎」
「またでやがった!」
「なんなんだよあれは!」
絶望に染まりきったような表情で我を見てくるのはやめよ。
「あん? 美女に決まっとるじゃろが」
「テメエなんで生きてやがる⁉︎ いや、俺の船になにしやがった!」
大きな声で怒鳴れたので思わず体がビクッとしてしまったぞ。声の方へと振り返ると視界一面に鋼の色が広がっておった。思わず普通に持っていた砲弾を前に出し鋼とぶつかる。すると船が震えるような衝撃が私を中心に広がり、船が軋むような音を上げる。
「今度は吹き飛ばされんよ?」
ニヤっと笑いながら問答無用で我に大剣を叩きつけてきたボスとやらに笑いかける。
「っ⁉︎ 鋼の剣が!」
見れば鋼の剣とやらが砲弾の形に凹んでいるのが見て取れる。しかし、こいつなんて力なんじゃ。手が痺れる。もし、この力を受けたらまた痛いんじゃろうなぁ。
海賊共のボスが驚いたような声を上げている間に我は反対側に持つ砲弾を振りかぶり、それで殴りつけた。
「おおう⁉︎」
それを大剣で受け止めたボスは大声をあげながら弾き飛ばされるように後ろへと下がる。
「お、これで殴ったら痛くないのぅ! ちょっと手が痺れるだけ、で!」
両手に持つ砲弾でひたすらに殴りつけていく。そのたびに鉄と鉄が打ちあうような鈍い音が上がっていく。その音が上がるたびにボスの剣が歪んでいくんじゃがそんなものは無視してひたすらに殴る。
「くそがぁぁぁ!」
ひたすらに殴られるのにイラついたのかボスが大振りに剣を放つ。とっさに砲弾で受け止めるがあまりに向こうの勢いが強く、衝撃で私の手から砲弾はあらぬ方向へと飛ばされていった。
「あぁ」
丈夫でいいものじゃったんが。放物線を描きながら飛んでいった砲弾はやがて海に音を立てながらぶつかっていった。
「死ね! ガキが!」
ボスが咆哮をあげながら歪んだ大剣を振り下ろしてきよる。残った砲弾を掲げてそれを受け止める。が、砲弾の表面を滑るようにして軌道が逸れた大剣は砲弾を持つ我の手を打ち付ける。
「いったぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
大剣に打ち付けられた衝撃と痛みで手にしていた砲弾が我の手から零れ落ちた。
「ギャァァァァァァァァァァァァ⁉︎」
なにやら海賊ボスが悲鳴をあげていた。いや、悲鳴あげてたの我のはずなんじゃが……
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