雑食無双ヨルムン
ヨルムン地上に立つ
波の音が聞こえる。
というか今もしかしたら我は波になってるんじゃないかの?
そんなことを考えながら瞳を開くと上半分は空を、下半分は海中が視界に映る。どうやら半分が海に浸かっている状況のようじゃ
「イッタィ目がぁぁぁぁぁ!」
海水に浸かっている側の瞳が凄まじく痛い。人型のこの体に痛みとか初めての感覚なのじゃが「これが人種の痛みか〜」などと感動に浸る前に激痛が襲ってきよった。なんたる理不尽。
とりあえずは何度か瞬きを繰り返しようやくまともに眼が開けれるようになったところでいい加減に起き上がることにする。
右を見る、海である。
左を見る、海てある。
上を見る、空である。
正面を見る、なんとそこには森があった!
正面しか進む道がないので仕方なしに我は進むことにしたわけであるがそれもすぐに終わった。なぜなら正面の森を抜けると、
やっぱり海だったわけだからのう。
「うーむ」
まぁ、落ち着こうというわけで砂浜に座り込んだわけじゃが、正直どうしようもないわけじゃよな。
元の姿ならばこんな海などちょいちょいのちょいと渡れるんじゃがなにせ今の我の元の姿、頭だけであるからな。いかに優れた完璧生物な我と言えど頭だけで海を渡ることはできまいて。
「これは新手の罰なんじゃないかのぅ」
結界から出してもらえたと思ったら海水に流され身動きが取れない孤島というのはかなりタチが悪いしのう。希望をチラつかせて後で蹴落とすとは…… あやつは天使の皮を被った悪魔と言われても我は納得するであろうな。
「ともあれどうにかせんといかんわけだしのぅ」
あの結界から抜け出せた影響かどうかはわからんが微妙に空腹であるからのう。確か封じられて千五百年とか抜かしておったがそんなにも長い間、我が何も食べてこなかったことに我自身がびっくりしておるゆえ。
くぅ〜と蛇であった時では考えれないほどに可愛らしい音がなる。
うむ、我慢は良くないのぅ。
決心した我はお腹を満たすために海へと顔をつけ以前と同じように一気に飲み干すべく海水吸い上げた。
「あ⁉︎ がっ! ばっ⁉︎」
途端、口の中がなんとも言えない刺激を受け、さらには喉が痛んだために慌てて海水から顔を引き上げる。
「げぇぇぇぇぇ! なんじゃこれは! 辛い! 辛い? うむ、なんかよくわからんがとりあえず辛ぃ!」
おかしい、昔の我であれば海水などただの飲み物であったというのになぜこんなに辛いのだ!
いかん、飲めぬせいで余計に腹が減ってきたわ。
仕方なしという意味を込めて近くの木を掴み、大きく口を開けかぶりついた。
ガシっという音とともに私はよろよろと後ろに下がり、うなだれるかのように膝をつき四つん這いになった。
我がかぶりついた木は少しの歯型がついだけで齧られた後もなければ欠けている様子も見られなかった。
「なんで我は木すら食えんのじゃ…… まさか! ステータスオープン!」
ステータスオープンはこの世界であれば生まれた時から使える魔法であり、自身の所持するスキルを確認することができる初期魔法じゃ。
我はステータス閲覧の魔法を使い自分のスキルを確認し、唖然とし、愕然とし、消沈した。
「な、なんたることよ」
ステータス
ヨルムン
レベル1
所持スキル
・銅の胃袋
・そこそこ強い歯
・そこそこ大きく開く口
・交神
愕然とするしかあるまいて…… あるまいて!
我のスキルはどこに行ったのじゃ!
我が牙は全てを嚙み砕きしオリハルコンの牙! 我が口は吞み込めぬものなし暗黒門! そして我が胃袋は如何なるものも収容するとオリハルコンの胃袋と神もちょっぴりビビるくらいの最強スキルとその他のオマケスキルたちは!
というかなんじゃ⁉︎ ヨルムンて! 我にはjgadtjhdtgamという立派な名前が…… ってなんでヨルムンは認識できてjgadtjhdtgamは認識できんのじゃ⁉︎ 
くそ、こうなったらもう一つの基本スキル交神であやつに直々に文句を言ってくれるわ!
「交神!」
トゥルルルルル…… トゥルルルルル……
いつものことなんじゃが、交神を使う時に鳴るこの音はなんなんじゃろうか?
『ガチャ』
「おい、神よ! いい加減に我に嫌がらせをするのをやめよ! いつもいつもいじいじと汚らしい手を使いおって!」
『……』
おかしいのぅ、いつもならこれくらい言えばなんか言ってくると思うんじゃが。
「なんとか言ったらどうなんじゃ!」
『この交神は現在使われておりません。周波数をもう一度ご確認の上でスキルをご使用ください』
「はぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
もうなんと言えばいいか全くわからん。なんじゃシュウハスウって。使用されてないとかどういうことなんじゃ。交神が上手くいかないなんてことは初めてなんじゃが…… いや、封印されていた間に何かあったと考えるべきなんじゃろか。
本当に打つ手がないんじゃないんじゃないだろうか?
燦々と照りつける太陽を見上げ、落ち込みながら我はそんなことを考えるのであった。
というか今もしかしたら我は波になってるんじゃないかの?
そんなことを考えながら瞳を開くと上半分は空を、下半分は海中が視界に映る。どうやら半分が海に浸かっている状況のようじゃ
「イッタィ目がぁぁぁぁぁ!」
海水に浸かっている側の瞳が凄まじく痛い。人型のこの体に痛みとか初めての感覚なのじゃが「これが人種の痛みか〜」などと感動に浸る前に激痛が襲ってきよった。なんたる理不尽。
とりあえずは何度か瞬きを繰り返しようやくまともに眼が開けれるようになったところでいい加減に起き上がることにする。
右を見る、海である。
左を見る、海てある。
上を見る、空である。
正面を見る、なんとそこには森があった!
正面しか進む道がないので仕方なしに我は進むことにしたわけであるがそれもすぐに終わった。なぜなら正面の森を抜けると、
やっぱり海だったわけだからのう。
「うーむ」
まぁ、落ち着こうというわけで砂浜に座り込んだわけじゃが、正直どうしようもないわけじゃよな。
元の姿ならばこんな海などちょいちょいのちょいと渡れるんじゃがなにせ今の我の元の姿、頭だけであるからな。いかに優れた完璧生物な我と言えど頭だけで海を渡ることはできまいて。
「これは新手の罰なんじゃないかのぅ」
結界から出してもらえたと思ったら海水に流され身動きが取れない孤島というのはかなりタチが悪いしのう。希望をチラつかせて後で蹴落とすとは…… あやつは天使の皮を被った悪魔と言われても我は納得するであろうな。
「ともあれどうにかせんといかんわけだしのぅ」
あの結界から抜け出せた影響かどうかはわからんが微妙に空腹であるからのう。確か封じられて千五百年とか抜かしておったがそんなにも長い間、我が何も食べてこなかったことに我自身がびっくりしておるゆえ。
くぅ〜と蛇であった時では考えれないほどに可愛らしい音がなる。
うむ、我慢は良くないのぅ。
決心した我はお腹を満たすために海へと顔をつけ以前と同じように一気に飲み干すべく海水吸い上げた。
「あ⁉︎ がっ! ばっ⁉︎」
途端、口の中がなんとも言えない刺激を受け、さらには喉が痛んだために慌てて海水から顔を引き上げる。
「げぇぇぇぇぇ! なんじゃこれは! 辛い! 辛い? うむ、なんかよくわからんがとりあえず辛ぃ!」
おかしい、昔の我であれば海水などただの飲み物であったというのになぜこんなに辛いのだ!
いかん、飲めぬせいで余計に腹が減ってきたわ。
仕方なしという意味を込めて近くの木を掴み、大きく口を開けかぶりついた。
ガシっという音とともに私はよろよろと後ろに下がり、うなだれるかのように膝をつき四つん這いになった。
我がかぶりついた木は少しの歯型がついだけで齧られた後もなければ欠けている様子も見られなかった。
「なんで我は木すら食えんのじゃ…… まさか! ステータスオープン!」
ステータスオープンはこの世界であれば生まれた時から使える魔法であり、自身の所持するスキルを確認することができる初期魔法じゃ。
我はステータス閲覧の魔法を使い自分のスキルを確認し、唖然とし、愕然とし、消沈した。
「な、なんたることよ」
ステータス
ヨルムン
レベル1
所持スキル
・銅の胃袋
・そこそこ強い歯
・そこそこ大きく開く口
・交神
愕然とするしかあるまいて…… あるまいて!
我のスキルはどこに行ったのじゃ!
我が牙は全てを嚙み砕きしオリハルコンの牙! 我が口は吞み込めぬものなし暗黒門! そして我が胃袋は如何なるものも収容するとオリハルコンの胃袋と神もちょっぴりビビるくらいの最強スキルとその他のオマケスキルたちは!
というかなんじゃ⁉︎ ヨルムンて! 我にはjgadtjhdtgamという立派な名前が…… ってなんでヨルムンは認識できてjgadtjhdtgamは認識できんのじゃ⁉︎ 
くそ、こうなったらもう一つの基本スキル交神であやつに直々に文句を言ってくれるわ!
「交神!」
トゥルルルルル…… トゥルルルルル……
いつものことなんじゃが、交神を使う時に鳴るこの音はなんなんじゃろうか?
『ガチャ』
「おい、神よ! いい加減に我に嫌がらせをするのをやめよ! いつもいつもいじいじと汚らしい手を使いおって!」
『……』
おかしいのぅ、いつもならこれくらい言えばなんか言ってくると思うんじゃが。
「なんとか言ったらどうなんじゃ!」
『この交神は現在使われておりません。周波数をもう一度ご確認の上でスキルをご使用ください』
「はぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
もうなんと言えばいいか全くわからん。なんじゃシュウハスウって。使用されてないとかどういうことなんじゃ。交神が上手くいかないなんてことは初めてなんじゃが…… いや、封印されていた間に何かあったと考えるべきなんじゃろか。
本当に打つ手がないんじゃないんじゃないだろうか?
燦々と照りつける太陽を見上げ、落ち込みながら我はそんなことを考えるのであった。
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