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雑食無双ヨルムン

るーるー

封印なう1

 我の名はjgadtjhdtgam
 うむ、だめじゃ。
 何回言っても我の名前発音できんし。
 あのあばずれ天使セラフィーに封印されてから早年たったかわからん。いろんなことが…… 特には起こらなかった。
 いや、だっての? 普通に考えてみ? 封印されてからずぅぅぅぅと海底じゃからな? どこに嬉し恥ずかしのイベントが転がっとるというんじゃ。
 むしろなにもない。やったことといえば多少結界内を自由に動けるような体を再構成したくらいじゃし。本来の目的は我の巨大な頭に巻きついとった黄金の鎖を外すために体を人族くらいの大きさにしてみたんじゃ。あわよくば鎖の隙間から逃げ出せるのでは⁉︎ と考えたんじゃがな。結果からはというと抜け出せなかった。いや、網目から抜け出せると思ったんじゃがの? ちゃっかり結界貼られてたんじゃわ。


 はっはっはっはっは。はぁ、すごい無駄な時間を過ごした気がするわ。
 そうはいっても本当に時間をかけたのは『きゃらめいきんぐ』のほうなんじゃがな。
 だってのぅ、我、蛇以外の体なんてなったことないからの。人族なんて米粒みたいなものじゃしまじまじと見たことなんてないわけじゃよ?
 とりあえず人族の好みはボン、キュ、ボンなわけじゃよ。
 なんでそんなことを知ってるのか? それはまだ暴食蛇と呼ばれる前に神とやらと酒を飲んだことがあっての。その時にあやつが言っておったのじゃ。その時にあやつに貰った『きゃらめいきんぐセット』とやらを使うことにしたわけじゃ。


 あのバカは無駄に細かいことにこだわる職人肌とかいうやつじゃからの。この『きゃらめいきんぐセット』とやらも気合の入り方が半端じゃなかった。
 なに、この髪の長さのミリ単位での調整とか。身長や体重はわかる、わかるんじゃが重心とかそんな細かいことまで決めるのか? 細かすぎるじゃろうて。あとなんじゃ? この胸の形とか皿型とかつりがね型とかわかるわけないじゃろが。サイズなんて知るわけない。なんかバーみたいなやつを引いたり押したりするとサイズ変わるみたいじゃが、面倒だから一番下にしておいた。


 そうしてきゃらめいきんぐとやらにかけた時間は約八百年ほどであり、それでようやく今の我の姿になったわけじゃな。
 蛇の時と同様に光沢を持つ黒い長髪。宝石のような紫の瞳。雪のように白い肌。そして最後の方で設定がめんどくさくなったので適当にした小柄な身長、そして壁のようは胸。


「ふむ、意外と人間の体も悪くないのぅ」


自分で作り上げた作品とも言える我の体をペタペタと触りながら我は感想を述べる。
使い回しがいいように小柄な体にしてみたのじゃが以前の我との視線の高さの違いが凄まじい違和感じゃの。途中から面倒になって適当に作っていったとしても、人間から見れば十分に魅力的な美少女に見えることじゃろうて。
 今ならわかる。あやつが作って侍らしていた天使たちの胸が小さい理由。絶対に飽きたからだと。あんなに設定できる項目を多くすると飽きるに決まっておる。我は飽きたぞ。
 あやつ、凝り性のくせに飽きっぽいからの。ぱずるとかいうやつも十ピース? 位で床にばらまいておったの


 初めのうちははしゃいどったよ。
 だって初めての体じゃからの。封印は巨大な我の頭を縛り付けるような大きさで張られてたわけじゃから動き回るスペースはあったわけじゃし。人型の肉体なんて試したわけじゃ、走り回ったり飛び跳ねたりといろいろの。
 それも十年くらいじゃったかの? とりあえず飽きたんじゃよ。


「暇じゃ……」


 なーんにもない無駄に広い結界の中をゴロゴロと転がり回るのが最早日課になりつつあるし。
 することがないというのは非常に暇なのである。
 一応外はみえるんじゃがの。外海だし、なにより深海じゃからの。光も届いとらんみたいじゃし水しか見えんわけじゃ。


 結界の解除? そんなことは無理じゃ。我、食べることはできても解除なんかできんし。


 そんなこんなですることがなくなった我はしかたないし惰眠をむさぼったり唐突にイラつい際には結界にひたすらに拳を叩き込んだりしていたわけなんじゃ。


 そして、外の世界では二千年の時が流れたある日、なんの変化もなかった結界内に変化が訪れたのじゃった。

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