メイドと武器商人
メイドと迎撃
次々に唸りを上げて飛んでくるゴーレム砲弾の雨の中、魔導列車が爆走していきます。
ええ、速度を緩めることなくです。
『あーあー、ご乗客の皆様にお知らせいたします。本魔導列車は現在何者かの襲撃を受けております。規定に従い、本魔導列車は迎撃を開始しながら走行を続行します。乗客の皆様が死なないことを職員一同願っております。幸運を!』
なかなかイカれたことを言う職員さんです。ですが積荷や乗客の身代金目当ての襲撃が日常茶飯事に起きるのであればこんなものなのかもしれません。
魔導列車に乗るにはそれなりにお金がないといけません。つまり逆に考えれば乗る人間はお金持ちなわけです。
戦うことを生業にしている傭兵崩れの連中などからしてみれば魔導列車に乗る連中はいい金ヅルなわけなんですよね。
そのため魔導列車にはちょくちょくならず者共が襲撃をかけてくるわけなんですよ。だから魔導列車の中では死んでも自己責任になるわけですが。
そんなわけで魔導列車もただ搾取されるだけの存在ではありません。ましてやこの魔導列車は襲撃に備えていると言わんばかりの重装甲のものです。
そんな襲撃を告げた魔導列車の上へと上がり、射撃に最適な位置へ着いた私の横で魔導列車の屋根の上に取り付けられていたコンテナが音を立てながら開いていきます。
すると中からいくつもの筒を束ねた物。私が使う超連射砲と同じような物が姿を表すとその砲身を上空へと向け掃射を開始します、
私もブーツに仕込んであるアンカーで体を固定し、魔導液体を使用し両の手に超連射砲を作り上げるとそれを上空に向け銃弾を放ちます。
途切れることない連射音が響き、その度にゴーレム砲弾は細切れになりながら落ちてはいきますが、なにせ数が多いです。こちらで迎撃も試みてはいますが魔導列車全てを守れるほど完璧ではありません。何発かのゴーレム砲弾は屋根の上の超連射砲を叩き壊し、防御が手薄になった一般客のみなさんが乗っていらっしゃる車両へとぶち当たっており当たった場所は表現し辛い地獄絵図が展開されています。
幸いなことにご主人様が乗る車両の迎撃率は百パーセントを超えています。なにせ私が取りこぼしてもアオイが叩き切ってくれてるわけですからね。
「うらぁぁぁ!」
アオイが気合の入った声を上げ、刀が閃くたびにゴーレム砲弾が切り裂かれていきます。
ですが持久戦なあまりよろしくありませんね。
「ご主人様、このままでは私の胸、もとい魔導液体が無くなります」
すでに魔導列車が走る時に生じる風圧で胸元の布がパタパタと揺れています。こうして話している間にも私の胸がどんどん萎んでいっています。ついでに言うなら魔導列車に備え付けの超連射砲の銃弾も切れ始めたのか空撃ちするのが目立ち始めています。
つまりは結構やばい状況なのです。
「んー? 大丈夫じゃないかな?」
ゴーレム砲弾が次々に飛んできていつ死んでもおかしくない状況下でありながらもご主人様はフィルに入れさしたであろう紅茶を口に含みながら呑気にそんなことを言ってきます。
これは私どもを信頼しているという意味でしょうか?
「たぶんバカの仕業だからじきに止むよ。そのあとにまたバカみたいなのがでてくるよ」
「はぁ」
なぜかうんざりしたような口調でご主人様が言います。それにどうやらご主人様はこの襲撃者にも心当たりがあるようですね。その間にも飛んでくるゴーレム砲弾をアオイと共に迎撃しているとご主人様の言う通り飛んでくるゴーレム砲弾の数は減り始め、やがては完全に止まります。
「おお、本当に止まりました」
空に黒い点が見えなくなったので少しばかり安堵します。魔導液体も残り少なかったから助かりました。
「姉様! アオイ! 上にでっかいのがきてる!」
『でっかいの?』
アオイと私が同じように聞き返し
私は空を見上げる形で、アオイはでっかい穴となった窓から外を見るような形で頭上へと視線を向けます。
するとそこには、
「スゥゥゥゥパァァぁぁぁぁ!」
奇怪な叫びと共に視界を真っ黒にするほどの今までのゴーレムとは比べ物にならないくらいに巨大な拳が落下してくるのが目に入るのでした。
ええ、速度を緩めることなくです。
『あーあー、ご乗客の皆様にお知らせいたします。本魔導列車は現在何者かの襲撃を受けております。規定に従い、本魔導列車は迎撃を開始しながら走行を続行します。乗客の皆様が死なないことを職員一同願っております。幸運を!』
なかなかイカれたことを言う職員さんです。ですが積荷や乗客の身代金目当ての襲撃が日常茶飯事に起きるのであればこんなものなのかもしれません。
魔導列車に乗るにはそれなりにお金がないといけません。つまり逆に考えれば乗る人間はお金持ちなわけです。
戦うことを生業にしている傭兵崩れの連中などからしてみれば魔導列車に乗る連中はいい金ヅルなわけなんですよね。
そのため魔導列車にはちょくちょくならず者共が襲撃をかけてくるわけなんですよ。だから魔導列車の中では死んでも自己責任になるわけですが。
そんなわけで魔導列車もただ搾取されるだけの存在ではありません。ましてやこの魔導列車は襲撃に備えていると言わんばかりの重装甲のものです。
そんな襲撃を告げた魔導列車の上へと上がり、射撃に最適な位置へ着いた私の横で魔導列車の屋根の上に取り付けられていたコンテナが音を立てながら開いていきます。
すると中からいくつもの筒を束ねた物。私が使う超連射砲と同じような物が姿を表すとその砲身を上空へと向け掃射を開始します、
私もブーツに仕込んであるアンカーで体を固定し、魔導液体を使用し両の手に超連射砲を作り上げるとそれを上空に向け銃弾を放ちます。
途切れることない連射音が響き、その度にゴーレム砲弾は細切れになりながら落ちてはいきますが、なにせ数が多いです。こちらで迎撃も試みてはいますが魔導列車全てを守れるほど完璧ではありません。何発かのゴーレム砲弾は屋根の上の超連射砲を叩き壊し、防御が手薄になった一般客のみなさんが乗っていらっしゃる車両へとぶち当たっており当たった場所は表現し辛い地獄絵図が展開されています。
幸いなことにご主人様が乗る車両の迎撃率は百パーセントを超えています。なにせ私が取りこぼしてもアオイが叩き切ってくれてるわけですからね。
「うらぁぁぁ!」
アオイが気合の入った声を上げ、刀が閃くたびにゴーレム砲弾が切り裂かれていきます。
ですが持久戦なあまりよろしくありませんね。
「ご主人様、このままでは私の胸、もとい魔導液体が無くなります」
すでに魔導列車が走る時に生じる風圧で胸元の布がパタパタと揺れています。こうして話している間にも私の胸がどんどん萎んでいっています。ついでに言うなら魔導列車に備え付けの超連射砲の銃弾も切れ始めたのか空撃ちするのが目立ち始めています。
つまりは結構やばい状況なのです。
「んー? 大丈夫じゃないかな?」
ゴーレム砲弾が次々に飛んできていつ死んでもおかしくない状況下でありながらもご主人様はフィルに入れさしたであろう紅茶を口に含みながら呑気にそんなことを言ってきます。
これは私どもを信頼しているという意味でしょうか?
「たぶんバカの仕業だからじきに止むよ。そのあとにまたバカみたいなのがでてくるよ」
「はぁ」
なぜかうんざりしたような口調でご主人様が言います。それにどうやらご主人様はこの襲撃者にも心当たりがあるようですね。その間にも飛んでくるゴーレム砲弾をアオイと共に迎撃しているとご主人様の言う通り飛んでくるゴーレム砲弾の数は減り始め、やがては完全に止まります。
「おお、本当に止まりました」
空に黒い点が見えなくなったので少しばかり安堵します。魔導液体も残り少なかったから助かりました。
「姉様! アオイ! 上にでっかいのがきてる!」
『でっかいの?』
アオイと私が同じように聞き返し
私は空を見上げる形で、アオイはでっかい穴となった窓から外を見るような形で頭上へと視線を向けます。
するとそこには、
「スゥゥゥゥパァァぁぁぁぁ!」
奇怪な叫びと共に視界を真っ黒にするほどの今までのゴーレムとは比べ物にならないくらいに巨大な拳が落下してくるのが目に入るのでした。
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