メイドと武器商人
メイドとずるい刀
悲鳴すら上げることなく銀狐は仮面を割られながら宙を舞います。
どうやら炎の壁を張った段階でかな〜り気を抜いていたのか二発目のメイドパンチはあっけないほどに簡単に銀狐の顔面、もとい、仮面にたたき込まれてしまいました。
しかし、吹き飛ばされながらも炎刀を手放さなかったのはさすがというべきでしょう。
どうやら吹き飛ばされた拍子に展開されていた炎の壁はぶっ飛ばしたのと同時に消えてしまいました。ですが割れた仮面の間からは赤い液体とこちらを睨みつけてくる銀狐の瞳を私は捉えました。
ああ、あの目はまだやる気ですね。
そう確信した私はやはり炎で使い物にならなくなりましたが、不厚めに作った手甲は使えはしませんがかろうじて形は残っている魔導液体で作り上げた手甲を剥がすようにして取るとそれを避けることのできないであろう銀狐に向けて全力で放り投げてやります。
避けることができない、いえ、宙にいるため避ける場所がないという状況です。
放り投げた魔導液体の手甲は先の拳よりも格段に速いものです。
硬度だけでいえば上質の鋼をも上回る魔導液体です。それを人間の限界なんてあっさりと超えている私、リップスこと機械人形が投げつけたわけですからふつうに当たったのであれば大けが。あたりどころが悪ければ即死といったところでしょう。
そんな避けれないはずの即死の一撃を銀狐は吹き飛ばされながらも体を回転させ、炎刀を振り回すことによって炎を放出。魔導液体の手甲を切り裂き、燃やしつくしてきます。
「え~ ずるくないですかあの刀」
思わず思ったことを声に出してしまいます。
それほどまでにあの刀、炎刀の能力がずば抜けています。
確かに銀狐もかなりのスペックを誇ってはいますがそれを裏打ちしているのは紛れもなくあの刀です。
「燃やせ炎刀!」
回転しながら落下してくる銀狐が炎刀を振るいながら叫びます。
それに呼応するようにして炎刀にまとわりつく炎が膨れ上がり破裂。
幾つもの小さな炎の塊に分裂した火の雨が私の頭上に降り注いできます。
それをみた私は即座に駆け出します。
避けるためではなく守るために。
「ご主人様!」
すぐさまパラソルの下でくつろぐご主人様のもとへ駆けつけるとご主人様を脇に抱え、ついでにフィルの首元を掴むとその場から急速離脱。
その直後にパラソルとテーブルへと炎弾が雨霰のごとく降り注ぎあっさりと燃やし尽くしてくれました。
機械人形である私やフィルならばこの程度の下級魔法程度の火力では傷一つ負うことはないでしょう。ですがパラソルの下でお菓子を頬ばっているご主人様は素材がないので錬金術を使うこともできず、自身の身を守るすべもありません。
おのれ…… 銀狐!
私やフィルではなくご主人様までねらうとは!
怒りを込めた視線を銀狐へと向けると奴はというとちゃっかりと地面にへと着地を果たしていました。見たところは仮面がひび割れ、蒼い瞳とわずかに紅い髪が見て取れます。
「フィル、今度こそご主人様を頼みましたよ」
「ん、任せて」
どことなく不安がある返事ですね。
「もしご主人様に傷が一つでもついたものならばそのボディは使い物にならなくなるくらいに壊しますからね」
「……最善を尽くします!」
少し気合いが入ったようですね。
フィルも気合いが入ったようですし戦闘用ではないとはいえ回避に専念すればご主人様に傷がつくことはないでしょう。むろん、本当に傷なんてつけた日には冗談ではなく本気でスクラップにしてやります。
そして銀狐。
ご主人様に殺さないようにと言われましたから殺しませんがご主人様へ手を出したことを後悔さしてやります。
そう決心した私は再び炎刀を構えようとしている銀狐と対峙するのでした。
どうやら炎の壁を張った段階でかな〜り気を抜いていたのか二発目のメイドパンチはあっけないほどに簡単に銀狐の顔面、もとい、仮面にたたき込まれてしまいました。
しかし、吹き飛ばされながらも炎刀を手放さなかったのはさすがというべきでしょう。
どうやら吹き飛ばされた拍子に展開されていた炎の壁はぶっ飛ばしたのと同時に消えてしまいました。ですが割れた仮面の間からは赤い液体とこちらを睨みつけてくる銀狐の瞳を私は捉えました。
ああ、あの目はまだやる気ですね。
そう確信した私はやはり炎で使い物にならなくなりましたが、不厚めに作った手甲は使えはしませんがかろうじて形は残っている魔導液体で作り上げた手甲を剥がすようにして取るとそれを避けることのできないであろう銀狐に向けて全力で放り投げてやります。
避けることができない、いえ、宙にいるため避ける場所がないという状況です。
放り投げた魔導液体の手甲は先の拳よりも格段に速いものです。
硬度だけでいえば上質の鋼をも上回る魔導液体です。それを人間の限界なんてあっさりと超えている私、リップスこと機械人形が投げつけたわけですからふつうに当たったのであれば大けが。あたりどころが悪ければ即死といったところでしょう。
そんな避けれないはずの即死の一撃を銀狐は吹き飛ばされながらも体を回転させ、炎刀を振り回すことによって炎を放出。魔導液体の手甲を切り裂き、燃やしつくしてきます。
「え~ ずるくないですかあの刀」
思わず思ったことを声に出してしまいます。
それほどまでにあの刀、炎刀の能力がずば抜けています。
確かに銀狐もかなりのスペックを誇ってはいますがそれを裏打ちしているのは紛れもなくあの刀です。
「燃やせ炎刀!」
回転しながら落下してくる銀狐が炎刀を振るいながら叫びます。
それに呼応するようにして炎刀にまとわりつく炎が膨れ上がり破裂。
幾つもの小さな炎の塊に分裂した火の雨が私の頭上に降り注いできます。
それをみた私は即座に駆け出します。
避けるためではなく守るために。
「ご主人様!」
すぐさまパラソルの下でくつろぐご主人様のもとへ駆けつけるとご主人様を脇に抱え、ついでにフィルの首元を掴むとその場から急速離脱。
その直後にパラソルとテーブルへと炎弾が雨霰のごとく降り注ぎあっさりと燃やし尽くしてくれました。
機械人形である私やフィルならばこの程度の下級魔法程度の火力では傷一つ負うことはないでしょう。ですがパラソルの下でお菓子を頬ばっているご主人様は素材がないので錬金術を使うこともできず、自身の身を守るすべもありません。
おのれ…… 銀狐!
私やフィルではなくご主人様までねらうとは!
怒りを込めた視線を銀狐へと向けると奴はというとちゃっかりと地面にへと着地を果たしていました。見たところは仮面がひび割れ、蒼い瞳とわずかに紅い髪が見て取れます。
「フィル、今度こそご主人様を頼みましたよ」
「ん、任せて」
どことなく不安がある返事ですね。
「もしご主人様に傷が一つでもついたものならばそのボディは使い物にならなくなるくらいに壊しますからね」
「……最善を尽くします!」
少し気合いが入ったようですね。
フィルも気合いが入ったようですし戦闘用ではないとはいえ回避に専念すればご主人様に傷がつくことはないでしょう。むろん、本当に傷なんてつけた日には冗談ではなく本気でスクラップにしてやります。
そして銀狐。
ご主人様に殺さないようにと言われましたから殺しませんがご主人様へ手を出したことを後悔さしてやります。
そう決心した私は再び炎刀を構えようとしている銀狐と対峙するのでした。
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