メイドと武器商人
メイドとSの笑み
「姉様の謎、なぜ家事はできないのに紅茶とケーキ作りだけはうまいのか」
私の作ったクリームたっぷりのケーキを口周りにつけながらケーキを食べる手を止めないフィルが酷いことを言ってくれます。
「べ、別に家事ができないわけではありません! ちょっと! ちょっと苦手なだけです!」
そう、私はちょっと力が強いから掃除をしたら壊してしまうだけのはず。洗濯だって軽くやったら服は破けてしまうし。
「つまり、私に使われる物が脆いのが問題なんです!」
「姉様、人それを諦めという」
力強く宣言した私の言葉をフィルは無表情で淡々と斬り捨ててくれます。
ジト目でフィルの方を見ると私は素早く腕を走らせるとフィルがせっせと口に運んでいたケーキを皿ごと奪い取ります。
「姉様?」
突如として食べていた物が目の前から無くなったことに気づいたフィルが無表情なようで悲しそうにな眼を私に向けてきます。
そしてフィルより頭ふたつぶんほど大きな私が皿を手にして上へと掲げるとフィルの身長的に届かない位置へ皿をあげてやると椅子から立ち上がると必死に私の周りを飛び回り、私の手にあるケーキを奪い返そうとしています。
というか目から魔導液体を流して泣きながら飛んでいるわけなんですが。
「フィル、姉は非常に傷つきました。それはもう見たことはありませんが海より深くです」
「姉様、海よりも深いというけども姉様の心はそんなに深くない。現にフィルのケーキ取り上げた。ちゃんと対価の写真払ったのに!」
「…… この子はなぜ私と同タイプのくせに食欲が旺盛なのか理解に苦しみます」
昔からこの子の食に対する執着は異常でしたからね。
今でも記憶にあるキッチン立て篭もり事件は他の姉妹が怯えるほどの忌々しい事件でした。
手にしているナイフを手の中で回転さし、今にも私に飛びかかってきそうなフィルにため息をつくと仕方なく手にしていたケーキの乗った皿をテーブルへと戻す。
それを奪い取るようにして手にしたフィルは警戒するようにして大きく口を開けると一口で平らげてしまいました。
「はぁぁ、で、何の用ですか? 私のケーキを食べにきただけではないでしょう?」
幸せそうに食べるフィルに呆れるようにして尋ねます。
「うん、ちゃんと本題もある。母様が屋敷に来て欲しいって」
「私だけですか?」
おそらくはそんなことだろうとは思いましたが私だけならば大問題です。
なにせご主人様の護衛がいなくなってしまいます。
歳に見合わない巨大なお屋敷を持つご主人様ですが、この屋敷には護衛はおろか使用人すらいません。
というよりご主人様がお屋敷に人をあまり置きたくないようてすので。
ですので、このぱーふぇくとメイドたる私がいる間は侵入者などは容易くぶっ飛ばせるわけなのですが。
「安心して、フルーティ様も一緒にって。というか姉様はオマケ。なんかフルーティ様に頼まれていたのができたから見て欲しいって」
「ならば安心ですね」
ご主人様一人をお屋敷に残していくのは不安でしたから。
いくら罠を仕掛けてあったりしても不安は拭えませんからね。
それに母様の屋敷はある意味で一番安全な場所とも言えます。
「それならばご主人様を起こして来なければなりませんね」
「もう起きてるよ〜 あんだけ朝からうるさければね〜」
「ご主人様」
リビングの扉から入って来たのは本日はウサギ柄のパジャマを着込んだご主人様でした。ああ、可愛らしい。
私がうっとりとしている横でやたらと軽快な音が響きます。
「フィル、何をしているのです?」
「ん? 成長記録?」
隣のフィルの手にはやたらとごついカメラがありそれが容赦なくフラッシュを炊き、フィルが素早く動き回りながらご主人様の写真を撮って行っています。
「あ、フィルじゃないかぁ。メルエムアンは元気?」
私の隣のフィルに気づいたご主人様が手をひらひらと振りながらフィルに話しかけます。
メルエムアンとは母様の名前です。
「はい、フルーティ様。母様…… メルエムアンも元気にしております」
さすがにフィルも姉妹である私に接していたように気軽に話をするわけにはいかないのかケーキを咀嚼するのを止め、今まで撮りまくっていたカメラをごく自然な動作で隠すと片手を胸に当て膝をつき、頭を垂れます。
「今日はどうしたの? 姉に会いにきた?」
「はい、家事もできない姉を」
途中で言葉を切り、私の方をちらりとみたフィルの口元にはいたずらを思いついたかのような笑みが浮かんでいます。
悪しき気配!
「笑いにきました」
「え⁉︎」
あ、姉を笑いにきたと⁉︎
「そう、存分に笑っていいよ!」
「ご主人様⁉︎」
ああ、ご主人様がすっごくいい顔で笑われてる! 満面の笑みです! おもちゃを見つけた時や人をいじめる時に浮かべるS的な笑顔です!
私はいじめられて喜ぶような性癖は持ち合わせていませんがご主人様の笑顔を見てるとドキドキして興奮してしまいます! あと胸がなんだか熱いです!
「姉様の顔が恍惚としてる!」
「ん? 処理できない問題が発生したのかな? コアから煙上がってるみたいだし」
バァァァァニィィィィング!
私の胸からぶすぶすと音を立てながら黒い煙が上がっていました。
私の作ったクリームたっぷりのケーキを口周りにつけながらケーキを食べる手を止めないフィルが酷いことを言ってくれます。
「べ、別に家事ができないわけではありません! ちょっと! ちょっと苦手なだけです!」
そう、私はちょっと力が強いから掃除をしたら壊してしまうだけのはず。洗濯だって軽くやったら服は破けてしまうし。
「つまり、私に使われる物が脆いのが問題なんです!」
「姉様、人それを諦めという」
力強く宣言した私の言葉をフィルは無表情で淡々と斬り捨ててくれます。
ジト目でフィルの方を見ると私は素早く腕を走らせるとフィルがせっせと口に運んでいたケーキを皿ごと奪い取ります。
「姉様?」
突如として食べていた物が目の前から無くなったことに気づいたフィルが無表情なようで悲しそうにな眼を私に向けてきます。
そしてフィルより頭ふたつぶんほど大きな私が皿を手にして上へと掲げるとフィルの身長的に届かない位置へ皿をあげてやると椅子から立ち上がると必死に私の周りを飛び回り、私の手にあるケーキを奪い返そうとしています。
というか目から魔導液体を流して泣きながら飛んでいるわけなんですが。
「フィル、姉は非常に傷つきました。それはもう見たことはありませんが海より深くです」
「姉様、海よりも深いというけども姉様の心はそんなに深くない。現にフィルのケーキ取り上げた。ちゃんと対価の写真払ったのに!」
「…… この子はなぜ私と同タイプのくせに食欲が旺盛なのか理解に苦しみます」
昔からこの子の食に対する執着は異常でしたからね。
今でも記憶にあるキッチン立て篭もり事件は他の姉妹が怯えるほどの忌々しい事件でした。
手にしているナイフを手の中で回転さし、今にも私に飛びかかってきそうなフィルにため息をつくと仕方なく手にしていたケーキの乗った皿をテーブルへと戻す。
それを奪い取るようにして手にしたフィルは警戒するようにして大きく口を開けると一口で平らげてしまいました。
「はぁぁ、で、何の用ですか? 私のケーキを食べにきただけではないでしょう?」
幸せそうに食べるフィルに呆れるようにして尋ねます。
「うん、ちゃんと本題もある。母様が屋敷に来て欲しいって」
「私だけですか?」
おそらくはそんなことだろうとは思いましたが私だけならば大問題です。
なにせご主人様の護衛がいなくなってしまいます。
歳に見合わない巨大なお屋敷を持つご主人様ですが、この屋敷には護衛はおろか使用人すらいません。
というよりご主人様がお屋敷に人をあまり置きたくないようてすので。
ですので、このぱーふぇくとメイドたる私がいる間は侵入者などは容易くぶっ飛ばせるわけなのですが。
「安心して、フルーティ様も一緒にって。というか姉様はオマケ。なんかフルーティ様に頼まれていたのができたから見て欲しいって」
「ならば安心ですね」
ご主人様一人をお屋敷に残していくのは不安でしたから。
いくら罠を仕掛けてあったりしても不安は拭えませんからね。
それに母様の屋敷はある意味で一番安全な場所とも言えます。
「それならばご主人様を起こして来なければなりませんね」
「もう起きてるよ〜 あんだけ朝からうるさければね〜」
「ご主人様」
リビングの扉から入って来たのは本日はウサギ柄のパジャマを着込んだご主人様でした。ああ、可愛らしい。
私がうっとりとしている横でやたらと軽快な音が響きます。
「フィル、何をしているのです?」
「ん? 成長記録?」
隣のフィルの手にはやたらとごついカメラがありそれが容赦なくフラッシュを炊き、フィルが素早く動き回りながらご主人様の写真を撮って行っています。
「あ、フィルじゃないかぁ。メルエムアンは元気?」
私の隣のフィルに気づいたご主人様が手をひらひらと振りながらフィルに話しかけます。
メルエムアンとは母様の名前です。
「はい、フルーティ様。母様…… メルエムアンも元気にしております」
さすがにフィルも姉妹である私に接していたように気軽に話をするわけにはいかないのかケーキを咀嚼するのを止め、今まで撮りまくっていたカメラをごく自然な動作で隠すと片手を胸に当て膝をつき、頭を垂れます。
「今日はどうしたの? 姉に会いにきた?」
「はい、家事もできない姉を」
途中で言葉を切り、私の方をちらりとみたフィルの口元にはいたずらを思いついたかのような笑みが浮かんでいます。
悪しき気配!
「笑いにきました」
「え⁉︎」
あ、姉を笑いにきたと⁉︎
「そう、存分に笑っていいよ!」
「ご主人様⁉︎」
ああ、ご主人様がすっごくいい顔で笑われてる! 満面の笑みです! おもちゃを見つけた時や人をいじめる時に浮かべるS的な笑顔です!
私はいじめられて喜ぶような性癖は持ち合わせていませんがご主人様の笑顔を見てるとドキドキして興奮してしまいます! あと胸がなんだか熱いです!
「姉様の顔が恍惚としてる!」
「ん? 処理できない問題が発生したのかな? コアから煙上がってるみたいだし」
バァァァァニィィィィング!
私の胸からぶすぶすと音を立てながら黒い煙が上がっていました。
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