神官マオは鈍器で女神の教えを広げたい
ポヨンポヨンポヨン
モンスター、スライム。
水の塊のような外見をしていて弱そうに見えるが侮ることなかれ。
馬鹿にした初心者の五割を屠る初心者に対しての脅威である。
その理由は先に水の塊と評したようにスライムの体にある。
水の塊と言われるようにスライムの体の大半は水でできており物理攻撃が非常に通りにくいのだ。
そのため大して知識のない初心者冒険者は攻撃がまるで通らないまま、なす術もなくスライムの餌食となるわけだ。
しかし、スライムにもきちんと弱点が存在する。それは体の中心付近にある瞳のような赤黒い塊であり、俗に言うコアというものだ。
スライムはこのコアに攻撃を受けると穴の空いた風船のように瞬く間に萎んでしまうのだ。
またもう一つの撃退方法としては魔法で攻撃するという手段がある。
なぜかスライムは魔法に弱いのだ。
つまり、スライムを倒すには、
コアを斬る、又は突く。もしくは魔法で吹っ飛ばすの二択しかないのだ。
さて、以上の事から大してリーチのない果物ナイフを持ち、魔法なんて使うことが出来ないセリムがスライムに蹂躙されるのは当たり前というものだった。
ポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨン……
「ぐぁぁぁぁぁ」
十匹以上のスライムが地面に転がっているセリムに向かってひたすらに体当たりを繰り返していた。
スライムの性質上、弱った獲物を体内に入れてゆっくりと消化していくのだが、未だにセリムは元気? に悲鳴を上げているせいか弱っていると判断していないのか音が途切れることない程にひたすら体当たりが繰り出されていた。
「なんだかピンチに見えるんですが……」
ひたすらに体当たりを繰り返されているセリムを見ているマオだが、全く危機感という物が感じられない。
なにせ水の塊が体当たりをしているだけという光景なのだが、効果音が……
ポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨン
なんとも緊張感が無くなるような音しか響かないのだ。
「やめぇぇぇい!」
ついに体当たりをされるがままになっていたセリムがキレた。
どこにそんな力があったのかと思うほどの力で転がっていたセリムは跳ね起きるとその勢いで乗っかっていたスライムをも弾き飛ばした。
「おぉ、危ないです」
全く助ける気などなかったマオであったが、もしもの時の為に一応掴んでいた聖書で自分に向かって飛んできたスライムはすかさず迎撃。
聖書によってコアごと叩かれたスライムは地面に叩きつけられるとベチャリという水の塊らしい音を立てて地面の染みへと変わってしまった。
「おい、マオ! 神官なんだから助けろよ!」
幾らかを吹き飛ばしたとはいえセリムは武器を失ってしまったままの状態であり、さらには吹き飛ばしたスライムもマオが聖書でやったようにコアを潰したわけではないので、特にダメージらしきものを受けていないままであり、セリムをまだ獲物だと思っているようで逃げる隙間なくプルプルと音を鳴らし揺れながら包囲を解こうとしていなかった。
「実力を見せてくれるんでしょ?」
さっきセリムが言った台詞を思い出し、首を傾げながらマオはまた飛びかかってきたスライムを聖書で引っ叩き、大木へと吹き飛ばすとまたスライムはぶつかった衝撃か聖書での攻撃がわからないうちにただの水の塊へとなっていた。
「武器がないんだよ! 武器が!」
なんとも情けないとマオは首を振りながら背負っていたカバンを下ろし、中を漁る。
マオがカバンを漁っている途中でも隙あり! と言わんばかりにスライムが飛びかかっているのだが、まるで背中に目があるかのようにマオは聖書を振り回し、その度にスライムの死骸…… と呼んでいいのかわからないが水溜りを量産していた。
そうして水溜りを周りに作っていたマオであったが目当ての物が見つかったのか、それを引き抜き、
「ではこれをお使いください」
セリムに向かって躊躇なくぶん投げた。
水の塊のような外見をしていて弱そうに見えるが侮ることなかれ。
馬鹿にした初心者の五割を屠る初心者に対しての脅威である。
その理由は先に水の塊と評したようにスライムの体にある。
水の塊と言われるようにスライムの体の大半は水でできており物理攻撃が非常に通りにくいのだ。
そのため大して知識のない初心者冒険者は攻撃がまるで通らないまま、なす術もなくスライムの餌食となるわけだ。
しかし、スライムにもきちんと弱点が存在する。それは体の中心付近にある瞳のような赤黒い塊であり、俗に言うコアというものだ。
スライムはこのコアに攻撃を受けると穴の空いた風船のように瞬く間に萎んでしまうのだ。
またもう一つの撃退方法としては魔法で攻撃するという手段がある。
なぜかスライムは魔法に弱いのだ。
つまり、スライムを倒すには、
コアを斬る、又は突く。もしくは魔法で吹っ飛ばすの二択しかないのだ。
さて、以上の事から大してリーチのない果物ナイフを持ち、魔法なんて使うことが出来ないセリムがスライムに蹂躙されるのは当たり前というものだった。
ポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨン……
「ぐぁぁぁぁぁ」
十匹以上のスライムが地面に転がっているセリムに向かってひたすらに体当たりを繰り返していた。
スライムの性質上、弱った獲物を体内に入れてゆっくりと消化していくのだが、未だにセリムは元気? に悲鳴を上げているせいか弱っていると判断していないのか音が途切れることない程にひたすら体当たりが繰り出されていた。
「なんだかピンチに見えるんですが……」
ひたすらに体当たりを繰り返されているセリムを見ているマオだが、全く危機感という物が感じられない。
なにせ水の塊が体当たりをしているだけという光景なのだが、効果音が……
ポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨンポヨン
なんとも緊張感が無くなるような音しか響かないのだ。
「やめぇぇぇい!」
ついに体当たりをされるがままになっていたセリムがキレた。
どこにそんな力があったのかと思うほどの力で転がっていたセリムは跳ね起きるとその勢いで乗っかっていたスライムをも弾き飛ばした。
「おぉ、危ないです」
全く助ける気などなかったマオであったが、もしもの時の為に一応掴んでいた聖書で自分に向かって飛んできたスライムはすかさず迎撃。
聖書によってコアごと叩かれたスライムは地面に叩きつけられるとベチャリという水の塊らしい音を立てて地面の染みへと変わってしまった。
「おい、マオ! 神官なんだから助けろよ!」
幾らかを吹き飛ばしたとはいえセリムは武器を失ってしまったままの状態であり、さらには吹き飛ばしたスライムもマオが聖書でやったようにコアを潰したわけではないので、特にダメージらしきものを受けていないままであり、セリムをまだ獲物だと思っているようで逃げる隙間なくプルプルと音を鳴らし揺れながら包囲を解こうとしていなかった。
「実力を見せてくれるんでしょ?」
さっきセリムが言った台詞を思い出し、首を傾げながらマオはまた飛びかかってきたスライムを聖書で引っ叩き、大木へと吹き飛ばすとまたスライムはぶつかった衝撃か聖書での攻撃がわからないうちにただの水の塊へとなっていた。
「武器がないんだよ! 武器が!」
なんとも情けないとマオは首を振りながら背負っていたカバンを下ろし、中を漁る。
マオがカバンを漁っている途中でも隙あり! と言わんばかりにスライムが飛びかかっているのだが、まるで背中に目があるかのようにマオは聖書を振り回し、その度にスライムの死骸…… と呼んでいいのかわからないが水溜りを量産していた。
そうして水溜りを周りに作っていたマオであったが目当ての物が見つかったのか、それを引き抜き、
「ではこれをお使いください」
セリムに向かって躊躇なくぶん投げた。
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