勇者召喚したら用済みだと言われたので、最強冒険者始めます。

かつお

怒り

私は最低だ。
結果として、あの龍は倒した。
だけど、それはあくまで結果だ。
そこまでの工程を省いていえばいいことに聞こえるかもしれない。
しかしどうだ?
私は何をした?
怒りに任せて力を放った。
それによって何人もの人が死んだ。
1人2人なんてものじゃない。
何十人もだ。
あの龍よりも私の方が殺している。
なんで、こんなことをしてしまったのか。
あの龍のせいか?
街が対策をしていないせいか?
違う。 何もかも私のせいだ。
元はと言えば私の力を察して龍がここに来た。
そうか。
全て私のせいか。
私のせいでこの町は滅んだんだ。
ああ、もう嫌だ。
力があると言うだけどこんなに苦しむなんて。
こんなことなら、

能力なんて、無ければよかったのに...
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あれから3ヶ月たった。
私は未だに責任を感じていた。
人も避けて、なんなら生き物と会うのも避けてきた。
今会ったら、「人殺し」と罵られる。
「悪魔」と蔑まれる。
...被害妄想かもしれない。でも、考えずには居られなかった。
そういえばどっかの勇者が、「異世界で俺TUEEEEE」とか言っていたな。
 ...ハハ、あいつらが羨ましい。
こんな残酷な状況も、あのバカ達は街が悪いと開き直るのだろう。
いや、さすがに偏見か。
なんにせよ、私はもう幸せになる権利はない。
多くの人の命を奪い、未来を壊してしまった。
ここで、「あの人たちの分まで幸せに生きよう」なんて言ったら、殺してしまった人達に失礼だし、何より責任感が無さすぎる。
だが、何もしないのもおかしい。
私は幸せじゃなくてもいい。でもせめて、周りの人達にとって利益になることをしよう。
もう私ができることは、
それぐらいしかないのだから。

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