転生。異世界。国造り。

ノベルバユーザー338048

三話

気がつくとそこは、見慣れた部屋だった。

すなわち、自室。

しかし、その近くには見慣れぬ少年が立っていた。

僕の事を気にしてくれていたのか、僕が目を覚ましたのを見ると、心底安心したような顔になった。

『良かった。目を覚ましてくれて。本当に、良かった』

少年は僕を見、最初にそう言った。

僕を心配こそすれども、敵対はしていない少年を、僕も信用し質問する。

「ここは、どこだ?」

すると、少年はすんなりと答えてくれた。

『あなたの頭のなかです。言うなれば、夢、でしょうか』

少年は、少年らしからぬ言葉使いでそう答えた。

「じゃあ、異世界には飛ばされてないのか?」

『いえ、異世界です』

あのくそジジイはやることはやっていたようで、しっかりと僕を異世界へと送り届けて、いた。

チッ

心の中で、(何を言っても思っても、心の中にはかわりないのだが)軽く舌打ちをする。

しかし、時には諦めも大事。

僕は、頭を切り替え再度質問をする。

「君は、誰?」

誰だって簡単に答えられるであろう質問を、少年はしぶった。

長くかかった。

少年が話始めるまで。

その沈黙を疑問に思った。

誰でも簡単に答えられると、思っていたから。

しかし、少年の名前を聞いたとき何故そこまで、しぶったのかが分かった。

少年が口にした名は......

『僕の......な、名前は......』

そして......

名乗った。

『魔王です』

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