フェイトトリップ ~才能の統べる世界~

ルカ

第15話 うにうに

 みなさんこんにちは、サニィです。

 たくさんのおうちがもとどおりになってからは、また、いつもみたいにあそんでます!

 ピアノはだんだんひけるようになってきたけど、まどうしょはぜんぜんよめません、、こんどルカさんにおしえてもらおうとおもいます!


  2018年  3月20日  火曜日  昼下がり


 今日の昼食は饂飩だったサニィと雪。がらんと空いた部屋に戻ると、部屋の至る所に置かれたミーティングテーブルを挟んで椅子に座り、いつものように雑談を始めた。

「ねーねーゆきー。」

「なになにサニィ?」

「ひだりてのえーと、うねうねみせてー?」

「あー、あれね。いいよいいよー。」

 雪は座ったまま、左腕をうねうねさせた。変幻自在に操る様子を、サニィは楽しんで見ていた。

「ゆきすごーい!」

 パチパチと拍手するサニィ。

「でしょー?」

 ドヤ顔の雪。

「さわってみていーい?」

「いーよー。ほーれ。」

 雪はサニィの手の前にうねうねさせた左腕を伸ばした。サニィはワクワクした顔で、それを掴んだ。

「うわ~ぐにぐにしてる~!」

 サニィのか弱い握力で握ったにも関わらず、サニィの指は雪の左腕にめり込んでいた。

「なんかきもち~、」

 雪の左腕を掴む感触にサニィの笑顔は、段々と蕩けていった。

「これってなにー?」

 サニィは蕩けた笑顔で雪の左腕を指し、雪にそう聞いた。

「知らなーい。」

 雪本人もわからない謎スキル《左腕変異レフトミューテーション》。その可能性は、無限大。

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