エリートヤンキーの嫁にならなきゃいけないのですが

千桜

1話 夢への覚悟

「ふれあー」
親友のみいちゃんが小走りで駆け寄ってきた。
「やっほ!実技の授業どうだった?」みいちゃんが私の肩を軽く叩く。
洋裁コースは今ワンピース作りの基礎を習っている。自身のファッションブランドを持つ為に日々努力中だ。
ウエストの微妙な調整に神経を使うが、細かい作業は嫌いじゃない。
「結構楽しいよ。集中し過ぎて休憩の合図が聴こえなかったくらい。」
「そかそか!自分のやりたいことができるって本当に楽しいよねえ」
華やかなファッション業界への登竜門、私立希月高等学校では、全生徒がブランド界のリーダーとして羽ばたく為、校舎は若い熱意に満ちている。
私、三神ふれあも周囲に負けてはいられない。
高校一年生とはいえ、プロを目指す集団にいる以上、どう闘っていくかを常に自分で考えなくてはいけない。
誰かの指示を待つだけじゃ、芽すら出ないだろう。
やりたいことを貫く覚悟はとうにできている。大好きなファッションをもっと自由に表現したい。私にしか描けない夢で皆を絶対笑顔にする。
決意を再認識して帰り道を進んで行く。

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