神々を従えし者

ロート

覚醒前夜

フェイトが魔法を練習している頃....

「おい。聞いているのか?これは失敗したらタダじゃ済まない重要なミッションだ。失敗したら、貴様の首だけでなく一族の首全て飛ぶと覚悟しておけ。」

王都には俗に言うスラム街という犯罪者が潜んでいたり、貧困の者達が集まっている区域がある。

今、1つの空き家でフードを目深に被った4人の男女が声を殺して話し合ってた。

「俺はこんな頭の悪い依頼を受けるのはゴメンだぜ。クライアントの貴族共も頭がイってるんじゃねぇのかよ」

鷹使いの紋章が入っている青年がそう言った。

「うんうん。そうだよ!ファルトの言う通り、これは失敗した時のリスクが大きすぎるよ!しかもあそこは天才たちが湧くようにいるんでしょ?
それこそ自ら死にに行くようなもんだよー」

その隣にいる花の紋章が入っている小柄な少女が1人だけ、場違いなほどの声を出しながら否定した。
そしてそれに同調するように彼女の周りの植物もブンブンと蔦を振り回す。

「プラント。あなた少し声を抑えた方が良くなくて?貴方のせいで計画がバレて白紙になるのはもうゴメンだわ。あと、貴方の友達の植物達も、もっと大人しくしてくれないかしら。」

プラントと呼ばれた少女の反対側に座っているフードを被っていても器用の良さが滲み出てる女が呆れたように言う。

「ありゃ?そんなに大きかったかな?ゴメンよ、ディバ。気をつけるよ!みんな!静かに!!」

ディバと呼ばれた歌姫の紋章が入っている淑女が呆れたように溜息をこぼす。

「もう、何も言う気になれないわ....。
この馬鹿は置いておいてどうするか決めましょう。どうするの?
アルケミー。」

それまで黙っていた最後のフードの偉丈夫の男が重々しく言い放った。

「お前達がどうしようが俺には関係がない。が、やるからにはフォロー位はしてやる。それにクライアントとは別に俺も用事があるからそれの手伝いをするなら俺からも何か報酬としてくれてやる。」

そう、重々しく言い放つ。

「しかし、作戦決行の時は俺は別行動させてもらう。俺に貴様らは不要だ。行動の邪魔にしかならん。」

「っ!.......まぁ、私達では貴方の足元にも及ばないものね.......悲しいことに。貴方の能力はこの世界を滅ぼせるほどの力を持っているわ....。ここで争うなんて具の骨頂ね。」

目線を下げながらディバが少しだけ落ち込んだように言う。本当は、連れて行って欲しかったのだ。

この集団が寄せ集めのチームだとしても.......

しかし、諦めるほかないと言うのもまた事実。先の言葉は三人の総意だった。


そして三人はそれぞれ少し昔の事を思い返す。


鷹使いの青年は遠くに見える草原と1匹の親友を。



植物と話せる少女は古き故郷とそこに残した大切な人を。



歌姫として慕われていた淑女は1人の青年に宿した淡い想いと自身の劇場を。



そして彼女たちを視界の端に留め、唇を狂気を感じるまで引き上げた偉丈夫の男は、過去に己が起こした最悪の出来事とその時に見かけた真なる魔王の姿を。

「クックックッ.......チェックメイトだ。フェイト。俺の愛しき人よ。待っていろ。再開はすぐそこだ.......。」

彼のフードに描かれているは、血塗れた錬金術師。それが何を意味するのか王都の民ならばすぐにわかるだろう.......。
その真の恐ろしさを。

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ほんとに投稿が不定期かつ遅くてすみません!

これからもこんな感じになるかもしれないのですが暖かく見守ってもらえればこれ幸いです。

さて、今回もまたフェイトの知らないとこで不穏な動きがありましたよね!
今後これがどうなって行くのか皆さんも楽しみにしていてください!

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