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隻眼の賢者

河野原ぺこ@垢停止中

九話 魔王の間で

 俺が拷問されてから一日がたった。

「今日の昼にお金貰いに行くから準備してね。って、何もしなくて良いけど」

「分かった」

 俺は大分師匠との距離が縮まったと思う。まぁ、多分自分から作っていたんだと思うけど••••••。

「よし。そろそろ行こうか」

「いくら貰うつもり?」

「1000万カラ位いったら嬉しいね」

 結構、欲深いな••••••。

「それじゃあ行くよ。『テレポート』」

 あっという間に王城の前まで来ていた。流石師匠の魔法だな!

「「「「お待ちしていました!!!」」」」

 門を通ると沢山の騎士達がキレイな列を作って待っていた。

「どうぞ。こちらへ」

 俺達は一人の女騎士について行く。なんか見覚えがあるような?あ!あの時、俺を傭兵所に連れて行った女騎士だ!

 俺達は大きな扉の中へ連れてこられた。

「この度はすまなかった。賢者の弟子よ。我は魔王マグラである」

 連れられたのは魔王の玉座の前であった。

「マグラ、今から僕の弟子を紹介するね。一昨日弟子になった成輝君だよ!どう?かわいいでしょ?それに凄いでしょ!たった一日で魔法が使えるようになったんだよ!これほど才能がある子を見たことが無いね」

 自信満々に俺の説明をしていく。なんか恥ずかしい。

「ほう。名はナルキと言うのか。それでは、今から慰謝料の受け渡しと賢者の弟子ナルキ殿に手を出した騎士四人と騎士長の処分をする。始めに慰謝料の受け渡しだ。1500万カラを渡そう」

 魔王の隣にいた秘書らしき人が重そうにお金を持ってきた。師匠が言っていたより多い気がする。まぁ、それほど師匠は頼りにされているんだな。

 師匠はそれはそれは満面の笑みでお金を貰っている。嬉しそうだな。

「次に、賢者の弟子、ナルキ殿に手を出した騎士四人と騎士長の処分をする」

「「「「「この度は申し訳ありませんでした!」」」」」

 俺の後ろからいきなり騎士五人が飛び出して頭を地面に突き刺すように土下座をした。なんて息が合っているんだろう。凄いな••••••。

「この者たちは辞職させる。これからは冒険者などやって金を稼げ!分かったか?」

 全員が頷く。それにしても、結構酷い仕打ちだな。まぁ、身体の傷は治ったから許しても良いけど?


「あの〜。あの時は助けて頂きありがとうございました」

 魔王の隣には確か名前はアルフェリスとかだったっけ?

「気にしなくて良いよ。たまたま悲鳴が聞こえただけだから」

「なんとキレイな心の持ち主なんでしょう!父様!あの不届き者五名は死刑の方がいいんじゃないですか!」

 な!?7歳なのに凄く酷い事言うな〜。ん?騎士達の顔が青ざめていく?あの姫ガチで言ってるのか?それだとヤバイな。

「それだと騎士達が可愛そうです!それに今は傷も癒えており、それほど怒っておりません!」

「なんて心が綺麗なんでしょう!」

 いや、ただ可愛そうじゃん。日本だと二人以上を殺したら死刑だけど今回は誰も殺してないし、あまり俺も怒ってないし。

「アルフェリスやめんか!ナルキ殿も困っておるだろ!」

 魔王様ナイスです。このまま死刑を無しにして!

「だけど••••••」

 魔王は何か思い付いた顔をした。

「それなら、あの騎士達への怒りを我慢できた報酬として我から何かプレゼントしよう!」

 お、なかなか良い提案だぞ!子供はそういうのに弱い!

「それじゃあ••••••。ナルキ様と結婚させてください!」

「「「「「え••••••」」」」」

 その場に居た全員が声を出した。

 結婚なんて無理!?まぁ、外見は良いけど••••••。中身が怖い••••••。

「絶対!成輝君はあげないよ」

 そう言いながら師匠が抱きついてくる。そもそも、師匠の所有物じゃない!

「アルフェリス••••••。それは••••••」

「これ以外は嫌!」

「そもそも、成輝君はまだ6歳だし結婚なんてダメ!」

 そうだ!もっと言って!頑張れ師匠!

「それじゃあ婚約で良いじゃない。ナルキ様が15歳になった時に結婚すれば••••••」

 その発想は無かった。これは承諾しないとあの騎士達死んじゃうしな。どうしよう。

「はぁ〜。分かりました」

「ちょっと!成輝君!」

「本当に良いのかね?」

「本当?やった〜!」

 魔王と師匠が反論しようとしている。アルフェリスはとても喜んでいる。

「そうしないと騎士達、死刑なんでしょ?」

「はい!もちろんです」

 清々しく答えるな••••••。

「でも、15歳までは結婚しないから」

「分かってます。自分から言い出したんだから」

「それでは、俺らはこれで••••••」

「ナルキ殿。娘のワガママに付き合わせてしまってすまなかった」

「「本当ですよ••••••」」

 俺と師匠は口を揃える。

「成輝君。行くよ」

「分かった。それじゃあまた今度」

「『テレポート』」


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