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隻眼の賢者

河野原ぺこ@垢停止中

五話 王都ヘ

 翌日。

「今日は成輝君の服や生活用品を買いに街へ行くよ」

 食事中の俺に師匠は言った。

 服や生活用品を買ってくれるのは嬉しいな。キングワーミーから逃げる時に結構服が傷だらけになっちゃたからな。只今来ているのは魔獣の革らしい••••••。周りから見たら奴隷みたいに見えるだろうな。そういえば、師匠の家の周りは木しかないような••••••。

「どうやって行くんですか?」

「すぐそこに街があるよ?」

 結構近くに街があったのか。もしかして、暗黒神イギスが俺を落とした場所って結構街に近くて俺が只今街とは反対方向に歩いて行ったのかもしれないな。


◇◇◇


「それじゃあ、行こうか。ちゃんとついてくるんだよ」

 なんか子供扱いされた••••••。まぁ、外見が子供だからな••••••。

「この道を真っ直ぐ歩くと街に着くからね。それじゃあ、身体強化魔法を使ってみよう!」

「あの〜。まだその魔法覚えていないですよ」

「ん?魔力操作で手とか足とかに魔力を集めたでしょ、それをやればいいの」

 なるほど。魔力が集まった所には力が発生するのか••••••。とりあえず足に魔力を込めて。

「速!?」

「その調子、後三分程で着くからね」

 只今、時速150キロメートル位の速さで走ってます••••••。この速さで喋れる師匠凄い!

 そしていつの間にか街の入口であると思わしき石レンガが積まれた門まで来ていた。

「あっという間ですね」

「本気を出したら十秒で着くよ」

 あ、化け物だ。師匠を怒らせるのはやめよう••••••。

「それじゃあ、門番に挨拶に行こう」

 師匠は槍を持った門番の男性の方へ歩いて行った。

「どうも、門番さん。今日は弟子の服や家具を買いに来ました」

 門番がいきなり膝をついて、

「これは賢者様、そちらのお坊っちゃんが弟子でしょうか。ようこそ、王都マグラへ」

 マグラって魔王と同じ名前様な気がするが••••••。とりあえず、名乗っときますか。

「俺の名前は成輝です。昨日、師匠の弟子になりました」

「ナルキ様ですね。ここの門番全員にナルキ様が来たら通すようお伝えしときます」

「ありがとうございます」

 流石師匠。有名人だな。

「師匠って何をしたんですか?」

「この国の結界を貼ってもらってるんです。ほとんどの魔物が近づいて来ません」

 それは有名人にもなるよな。しかも門番の人泣いてるし••••••。よっぽど嬉しいんだな。

「それじゃあ成輝君行くよ」

「分かりました」

 そうして、街の中に入る事が出来た。街でしかし誰も師匠に話かけるどころか、視線さえ合わせなかった。

「どうして、師匠に誰も話かけて来ないんだろう?」

「ん?それは僕が認識阻害魔法を使っているからだよ。あまり離れすぎると効果が消えちゃうから離れないでね」

 なるほど、いきなり街に賢者が来たら騒ぎになるもんな。

 そんな事を考えていたらいつの間にか大通りに出ていた。そして二人は服の看板がある店に入った。

「いらっしゃいませ」

「この子の服を見繕ってくれない」

「分かりました」

 そう言うと店員さんは服を奥の部屋からいくつか持ってきた。••••••全てゴージャス。俺はこういうの嫌いだな。目立つし。

「あの〜。普通の服がいいんですけど」

「分かりました」

 店員さんは渋々奥の部屋から平民が着てそうな服を五着持ってきた。高い服を買って欲しかったからかな?

「ありがとう。これ、全部買うね。一着はここで着てくから袋から出しといて。あと、弟子に付ける眼帯をいくつか見せてくれる?」

 師匠がそう言うと店員さんは嬉しそうな顔で「分かりました」と言って奥の部屋へ行ってしまった。

「認識阻害魔法を解除しているんですか?」

「そうだよ。ここは僕の行きつけのお店だよ。だから大丈夫大丈夫」

 店員さんは五種類の眼帯を持ってきた。

「どれがいい?僕的にはこの眼帯がいいと思うよ」

 師匠は竜が刻まれた真っ赤な眼帯を指さした。

「普通のがいいです。特に何も装飾のないのがいいです。この紺色の眼帯がいいです」

「分かった。これください」

「合計3500カラでございます」

 この世界のお金の単位カラらしい。1円=1カラってところか。

「銀貨35枚ですね。ご買い上げありがとうございます」

「それじゃあ、服着てね。なんなら、僕が着替えさせてあげようか?」

「結構です」

 そう言って試着室で上が茶色、下が黒の服を着た。うん、ちょうどだピッタリだ。流石本職、見ただけでサイズが分かってしまうんだろう。

「お、似合ってるじゃん。これから僕は食料品や日用品を買いに行くけどどうする?」

「この街を散策したいのです」

「分かった。じゃあ、お小遣いとして金貨3枚渡しとくね」

「ありがとう!師匠」

「それじゃあ、僕は行くね。買い物が終わったら転移魔法で迎えに行くから」

 師匠は元気よく服屋から出ていた。

「そろそろ俺も行くか」

 とりあえず適当に歩こう!


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