俺のパーティーは、この国だ!!

もみあげチーズ

男でも女でもないそれは...

5話



A



 「ユウキ!両目が黒くなっちまってるぞ!!」

「両目だと?片目だけじゃないのか!?」

 俺の体は勝手に動き出した。

「ナリューチ!!早く俺を止めてく...」

 俺は何者かに殴り飛ばされ 、国を囲っている壁にぶち当たった。謎の者が俺の所まですっ飛んで来た。

「お前、誰だ?」

「俺の事を忘れちまったか?ユウキ!!」

 セバスチャンだった。

「あぁ!?セバスチャン??セバスチャンじゃないか!!旅はどうしたんだ?」

「ん?あぁ旅の事ねぇー...旅というより...魔王城消しに行っただけだけどな。」

ん?セバスチャン今なんて言った?魔王城を消しに行った?魔王城に行った理由は?

「魔王城になんで行ったんだ?」

「魔王城にノーライフキングがいると思って行ったらいたからノーライフキングを地面に沈めてから城を出て魔王城ごと消してやったよ。」

「何で消したの?」

「殴りに決まってるじゃねぇーか。」

ヤバイ...トイレ行きたい!!今すぐ逃げ込みたい!敵だったとしたら一生引きこもり生活始めてたところだわ!

「ノーライフキングは死んだの?」

「なんかよく分からねぇーが、ノーライフキングを地面に沈めたあと全身粉々になっちまったから蘇生できるのかな?まぁ地面に沈めといたら勝ちだぜ!生き埋め状態だからなぁー。」

コイツ怖ぇー!!

「へぇ〜セバスチャンやっぱり強いなぁ〜...」

 俺はナリューチの事を思い出した。

「そういえば、新しい仲間が増えたんだ。人殺しだが、根は良いヤツなんだ!!だから...」

 セバスチャンはこう言った。

「人殺しだと?いくら根は良くたって人を殺したのには違いないんだ。どいつだ?俺が今すぐに処理してやる。」

「セバスチャン落ち着いてくれ!」

「仲間なんていらねぇーよ。お前のパーティーは国なんだろ?だったら何のための国のパーティーだよ。」

「もうこの世界には魔王はいない...でもまた大きな存在が現れるんだ。キリがない...でも!!国全体で戦えばその大きな存在でも倒せると思うんだ!!少なくとも俺はな。」

「そうか!俺を敵にまわしたらどうなると思っている??お前の国なんざ一瞬だ。」

「お前自意識過剰なのか?」

「あぁ!?なんだとゴラァ!!ブッ殺すぞ!」

 間にナリューチが入った。

「まあまあ落ち着いてくれ!俺は確かに人殺しだ。罪の無い者を殺した。でも、俺は償わない気じゃない。俺はユウキと一緒に戦いたい...そう思ったんだ!だからどんな償いでも受ける気でいる。」

 セバスチャンはナリューチの顔面を殴った。

「お前がその新しい人殺しの仲間ってヤツか!!ブッ殺す!」

 ナリューチは地面に倒れた。俺はセバスチャンに剣を向け、言った。

「セバスチャン...俺の暴走を止めてくれた事は感謝する。っでもさすがにコイツを殺すのは辞めてくれないか?」

 俺達の前に立ちはだかったのは...

 俺は思わず言った。

「コイツの存在忘れてた...」

ゴーレムだった。ゴーレムと言っても石の塊みたいなゴーレムだ。頭にはコケが生えている。

 セバスチャンは言った。

「邪魔するな!!」

 ゴーレムはセバスチャンによってワンパンで粉々にされた。

 ナリューチは驚き過ぎて...

「すまん...漏らした......」


 色々あったが、次の日!!


【次の日】


 俺はセバスチャンに叩き起こされた。

「ユウキ!!起きろ!朝だぞ。」

「なんだって?もう今日は寝ていたいよー。昨日は村の復旧や壁の強化で疲れた。」

 セバスチャンは大声で言った。

「今はまだ仮復旧で壁の強化も途中だろうがぁ〜!!!!お前なんぞ指示しているだけだろうが!!全部やってるのは国民達だ!そもそも王様は何のんきに暮らしてるんだよ。お前がちゃんとしねぇーからこんな事になったんだろうがぁぁぁ〜!!!!」

「うるせぇーよ!!死刑にすんぞ!」

「殺す。」

 ベッドを右手で持ち上げ、俺を乗っけたまま壁に投げた。俺は気絶した。

 セバスチャンは言った。

「...ったくクソ国王だなぁ...」



B



俺ってセバスチャンって呼ばれているが、正直セバスチャンのチャンを消してほしいかな。チャンが無かったらちょっとカッコイイよな。セバスってカッコ良くね?そんな事ないか?誰に聞いてんだよ俺は。


俺は城を出た。

「えっ〜と、俺は今日ヴリトラをブッ殺すか!!あっ、忘れてた!ナリューチとかいうヤツの息の根を止めておけば良かった。」

 俺は漆黒の森へ来た。

「ここがヴリトラの良く来る場所だって情報屋が言ってたなぁ〜。」

 森の中へ入り、迷子になった。

「こんな歳して迷子か...ヴリトラいるのか?こんな所にそもそも...」

 俺の前にあったモノは井戸だった。

「井戸ってこんな所にあるんだな。昔はここは村とかそんなんだったのか?」

 井戸の中から妙な声が聴こえてきた。

「すろこをえまお...」

「なんだ!?気持ち悪りぃーぞ!井戸ごとぶっ潰すか?なんて言った?さっき井戸から聞こえた言葉。」

 また聴こえてきた。

「すろこをえまお!!」

「うわ!さっきより大きくなったぞ声が...誰か人がいるのか?誰だ?聞こえてるかー!!いるなら返事してくれー!!」

 返事は何も帰ってこない。

「なんだよ...気味が悪い!すろこをえまお?だったけ?なんなんだよ!どういう意味だよ。」

 井戸から聴こえてきた。

「すろこをえまお!!すろこをえまお!!すろこをえまお!!すろこをえまお!!」

「もういい!!井戸を粉砕してやるよ。」

 俺は井戸を殴った。井戸は粉砕した。

「よし!!これで聞こえねぇー!すろこをえまおって...すろこをえまお...すろこをえまお...それってよぉ〜...【おまえをころす】って言っているのか?」

 井戸の中は光を発していた。

「なんだ!?これ...」

 井戸の中から人が出て来た。男...いや、女でもない...オカマだ...

「いやーん!どこ見てんのよぉ〜!」

 俺はこの世の終わりを感じた...

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