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物知り執事ルアン君の、長い長い話

花波真珠

#2 ルアン君のいらない豆知識


「な、なんだお前」

僕は強がりながらも後ずさりをした。
その時だった。
男が黒いマントを脱ぎ捨てた。

「Hello坊っちゃん!初めまして、わたくし新人執事のルアン・ソルティーノと申します」

肌は真っ白でスタイルは良くて、きちっとしたスーツ姿の男に、僕は思わず見とれていた。髪はつやつやで真っ白。

「お前が執事…??テンションが高いやつだ。そんなんじゃクビにされるぞ」


執事だと名乗る男は、ニコニコと笑顔だ。 

「坊っちゃん、食事の歴史をご存知ですか?」
「は?なんだよそれ。知るわけないだろ」


「昔、まぁ縄文時代では、晴人坊ちゃんが嫌いな栗やクルミや、今と同様に魚や、狩をして得たイノシシの肉を食べていました。そして弥生時代でようやく日本に稲作が広まり、米を食べる食事になったのです。米派の坊っちゃんにはラッキーな出来事でございましょう」



僕は思わず「それがなんだよ」とツッコミたくなった。何がいいたいのかさっぱりだ。たしかに知らなかった話だけど、その話を聞いたところでなにか思うことはない。
 


「わかったから、食事をさせろ。」
「失礼いたしました。どうぞお席へ」

今更思ったが、なんでこのルアンなんとかって名前のやつは今初対面なのに、僕が米派だとか栗とクルミが嫌いだとか知ってるんだ?


此処のメイドや執事は僕の情報を外の者に漏らさないように固く口止めをしているのに。

頭の中でぐるぐると考えながら、キウイフルーツを一つ口に運んだ。
今日のキウイフルーツはいつもより歯ごたえがあって酸っぱくて美味しいかった。


「おい、今日のキウイフルーツ、味が違くないか」


「よくお気づきになられました!私が変えさせました。以前まで使用していたのは、ヘイワードという一般的に売られているものでしたが、こちらはゴールデンキウイという種類でして、ヘイワードのビタミンのおよそ20倍のビタミンを摂取できますので、健康にもいいかと」



まただ。こいつのへんな説明。
長くて聞くのもうんざりするうえに、さほど大事そうな知識でもない。

だけど、いつも食べていたものがヘイワードっていう名前なのは知らなかった。
少し勉強になるところもあるのかもしれない。

「晴人坊っちゃん、食事を終えたら買い物に出かけましょう。近くの商店街へ」

「は?この後家庭教師が来て勉強するんだから無理に決まってるだろ」

「いや、家庭教師の者は退職させました。私がその代わりにもなってますから」


どうしてこいつは今日来たばかりなのに、そこまで権力を持ってるんだ?
なぜ簡単に退職させられるんだ。

買い物か………。
もうずっと屋敷の敷地内から出てないから、不安ではあるな。
買い物なんてしたことがない。
いつも新人のメイドに行かせていたからな。

「なぁ、本当に外へ行くのか?」

「はい。お坊ちゃんのために…ね。」

にやっと口角を上げた表情は、どこか奇妙にも感じた。

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コメント

  • 花波真珠

    AZAMIさん、こちらにもコメントありがとうございます!!
    新作どんどん投稿するので、また読みに来てください!

    0
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