ある日、僕は異世界に転移した

翌朝

   翌朝、自然のリズムの赴くまま、目が覚めた。目覚ましをセットせずに起きたのは何年ぶりだろうか。普段、寝起きの非常に悪い僕にとっては珍しい出来事だ。こんな生活を続ければ、案外健康になったりして。

     ところで昨夜、眠りについたのは何時頃だったのだろうか?   疲れていたのですぐに意識を失った気がするが、スマホを確認しなかったので正確な時間は分からない。しかし、おそらくたっぷり眠れたとは思う。

"そうだ、スマホ"

    僕はバッグの中からスマホを取り出し
て、電源を入れ確認してみると、やはり、電池がかなり減っていた。昨日、森の中にいることに気づいたときに、真っ先にスマホを確認してみたのだが、完全に圏外で使用不能と分かったので、それ以降はバッテリー節約のため、電源を切ったままにしていたのだ。それでも電池は減る。

     だが、嘆いてみたところでどうしようもない。ここには電気というものが存在しないので、そのうちバッテリーが切れたらスマホは使えなくなるだろう。写真を撮ったりで必要になるかも知れないので、普段は電源を切るようにして、出来るだけ長く持たせねば。せめてモバイルバッテリーでも非常袋に入れとけばなあ……

非常持出袋?

そうだ……食料!

    僕は昨日から何も食べてないことに今気づいた。気づいてしまうと、急激にお腹が減ってきた。昨日は意味不明なシチュエーションにパニックに陥ってたのと、慣れない山歩きで疲れ果て、空腹であることさえ気がつかなかったのだ。

    食事はどうしようか……最悪、ここで何日も帰れない可能性もある。持ってきた食料でどれだけ持つだろうか……

    とりあえず缶詰1個ぐらいは食べても大丈夫だろう。しっかり腹ごしらえをしてから後のことを考えればいいや。僕は割と楽観的なほうなので、まずは気力を充実させるために食事をしっかりとることにした。

     サバの缶詰は無性に美味しかった。近所の小さなスーパーで売っていたただの缶詰だが、こんなに美味いんだ。なんでも感謝したくなってくる。僕は食事を終えると、今日の予定を思案した。やはり、昨日と同様、帰還ルートの捜索をしなければならないが、今度はまたここに帰ってくればいいので、昨日より安心だ。

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