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目が覚めたら悪役令嬢になっていたので最強のヴィランズになってみたかった(失敗)

堀尾狸逢

大切な存在になるのかしらね③

「ご飯は毎日食べられるの?」
「もう貴方は……え? そうね、食べられるわよ」


 六歳の男の子のクリューが小さく手をあげて、

「怒ってもぶたない?」
「どうして私が叩くのよ?」

 六歳の女の子ハナとメイが口を揃えて、

「お外で遊んでも良い?」
「当たり前でしょ、貴方の家なんだから」

  私がそう言い切ると子どもたちは顔を見合わせて、それから堰を切ったかのように必死に手を上げて発言の許可を求めた。

「お歌を歌ってもいいの?」
「ご飯を食べるときはしゃべってもいい?」
「本を読んでも怒られない?」
「夕方になるまで遊んでてもいい?」

 口々に、次々に、私が普通だと思っていた、許可すら聞かずに行っていた当たり前だと思ってた行為が、小さな子供の口から許可を求める。胸が締め付けられたわ。

 今までどんな環境で育てられたのかしら?
 今までどんな気持ちで成長したのかしら?

 マベルも胸を打たれているのか目を見開いたまま微動だにしない。そうよね、そりゃそうよね。貴方も昔はこんなだったのかしら?

 いいこと? 私は悪役。味方はマベルと孤児院の子供たちよ。それ以外は敵。だから私は子供たちを何がなんでも守らなきゃいけないの。

 私は手を挙げっぱなしの四人の子供に歩み寄って、まとめて抱き締めた。

「大丈夫。私はただの保護者よ。何もしていい?って聞かなくていいの」

 ドレスってこうも動きにくいのね。下半身の骨格を膨らませるワイヤーがお腹に食い込んで痛いわ。それでも抱き締め続ける。

「貴方たちは、貴方たちのしたいことをすればいいの」

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