女神と一緒に異世界転移〜不死身の体と聖剣はおまけです〜
第76話 守るべきは
俺という人間は学習能力が著しく欠如しているのかもしれない。
過去の失敗から何も学んでない……
いや失敗とも言えないか。結果的に俺は良い思いをしているのだし。時間も無制限なんだし。別に良いじゃん。男ってそういうもんだよ。
と開き直ってはみるが、パルメがやたら満足げなのはやはり俺の意志の弱さと彼女自身の策士力が化学反応を起こした結果だろう。
うん。
一国を治めていた――というか治めているトップがバカな訳ないじゃん。
俺がバカなんだよ。
……まあいいか。
俺が覚悟を決めれば良いだけだ。
俺が決めた事なんだから俺が責任を取らなければな。
とりあえずの目標は、生きてパルメの元へ戻って来ること。出来れば出産に間に合うように。
◆
パルメを連れて王宮に戻ると見慣れない顔が一人いた。
「なんでお前いるんだっけ」
「王のやつと和解したから、結界に閉じこもっとる意味もないからの」
ロリババアが当然のようにパーティに加わっていた。
俺、セレンさん、ミラ、ディーナ、ラリア。
本当はレオルとパルメがいると完全無敵の布陣なのだが、まぁそこまでの高望みはしないでおこう。ちなみに魔具の件だが、魔具を造れる技師というのがかなり限られているらしく、ドワーフ族くらいしか今はいないそうだ。
そのドワーフとエルフ族は関係が密なので、魔具での強化は人間の国王を説得してからになってしまう。まぁ、相手が人間ならば魔具なしでもこちらはトップクラスばかりだ。
セレンさんと俺とラリアだけでも十分すぎるほど戦力過多である。
加えてミラもディーナも人間の中ではトップクラス。
対人間ならほぼ負ける要素はない。
まぁ、戦闘するのを前提として考えるのもあれか。
幾らなんでもドンパチしまくるっていうのもあれだしな。人間の王。温厚な奴かもしれないし、結構スムーズに話が進むかもしれない。戦わずに済むならそれはそれで良しだ。
パルメの件もあるしな。
レオルもそうだ。これと言った問題は起きずに、なんだかんだ何とかなった。光のハイエルフは堅物そうだから難しいが、何とかなりそうだ。
問題は『大帝国』と呼ばれるその国の王を説得できるかどうかだが……セレンさんとかラリアとかディーナとかミラとかの意見を統合した結果、俺が何とかすることになってしまった。
まぁ、俺が一応竜王という立場になっているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。
パルメに任せっきりでも悪いしな。
「じゃあ、行ってくるよ」
「おう。生きて帰ってこいよ。死んだらこの子の名前はユウトにするからな」
「縁起でもない……」
パルメは。
一人で魔族を撃退出来るだけの能力があり、竜の海にはそれなりの兵力がある。仮にレッサーデーモンかそれ以上の魔族が現れても何とか出来るだろう。
何とも出来ない時のために、ラリアが例のぷちっと潰すやつをパルメに渡していた。新しい側室か? と素で聞くパルメにブチ切れかけてたが根は優しいロリなんだよ。
ちなみにあれぷちっと潰すと俺が呼び出されるらしい。
最も深くリンクされている吸血鬼を呼び出す魔法なんだとか。転移魔法とはまた違うらしいが、詳しくは知らない。なんか他にもルールがあるようだ。
とりあえずこれでパルメに何かあった時の心配はいらないだろう。多分。
さて。
ドワーフと言えば一人、心当たりがあるんだよな。
一応行ってみるか。
◆
「久しぶり、ドルーさん」
「おお、小僧か。竜の海でエルフ族と大立ち回りを演じたそうだな」
ドルーのおっさんは俺たちを竜の海手前――死の森まで船で連れていってくれたドワーフだ。魔具を造れる人が知り合いにいないかと訊ねてみると、茶色の髭をもさもさと触りながら答えた。
「うーむ。すまんが、儂は力になれそうにないな。儂んとこはほとんど全員船専門だったからなあ」
「そうか。いや、謝らなくて良いよ。俺もまだドルーさんとこを襲った吸血鬼っていうのをとっ捕まえれてないし」
「そんなん気にするな。小僧、お前自身の人生だ。お前のやりたい事をやれ」
「気にもするさ。俺のやりたい事だからな」
それに。
いずれにせよ、やらなければならない事だ。
人間と手を組むにしろ、エルフと手を組むにしろ、はぐれ吸血鬼や竜人はその障害となる。いつかは排除しなければならない存在だ。
「……お前さん、そんな生き方して疲れないのか?」
「こう見えても結構、楽な方に逃げるんだぜ、俺。心配には及ばねえ。自分の限界は自分が一番知ってる」
俺が出来ない事は他人任せだ。
だからこそ俺に出来る事はやらなくちゃな。
「……まぁ、お前さんの人生だ。儂はこれ以上口を挟まんよ」
「ありがとうな。ドルーさん」
「礼を言うのは儂の方だ。また顔見せに来い。その時は料理くらい振舞ってやる」
「期待はしないでおくよ」
◆
「あれ、もう済んだんですか?」
「ええ。心当たりはないそうです。やっぱエルフ族をどうにかするのが先ですね」
ゲートと潜って竜の海へ戻ると、セレンさん達は準備が完了していた。
と言っても荷物は大体俺の影の中に押し込んでるからほぼ手ぶらだが。
俺、セレンさん、ミラ、ラリア、ディーナの5人でしばらくは動く事になる。
パルメは忙しくて見送りに来れないそうだ。残念だが仕方がない。結局ほぼ丸一日潰れてしまったようなものだからな。
すすす、とミラが近づいてきて耳元でぼそっと呟いた。
「昨夜はお楽しみでしたね」
「うるせー」
何故お前がそのネタを知っているんだ。
しかしまぁ。
なんとも見事に俺以外全員女だな。
ラリアの枠が男でも良かったのではないか。
流石に肩身が狭いというかなんというか。
ハーレム状態と言えば聞こえは良いが、俺以外の四人中二人が嫁で一人が恋人で一人が師匠だ。
嫁がいるのに恋人がいるというのは不倫にあたらないのか。そもそも嫁が二人いる時点で倫理観が色々ぶっ壊れてるが。
男で師匠って言うと誰がいるんだ。
エルランスか修さんあたりか? 修さんはいないし、エルランスは田舎に行ってしまって連絡全然取ってないしでそもそも脈が全然ない。
なんで俺の周りは女ばかりなのだろう。
レオルぐらいじゃん。
この世界は女の方が強いのだろうか。
竜王も女だったし。
でも光のハイエルフは男だったな。先代は女だったらしいけど。
そう考えるとまあまあバランスはとれてるのか?
俺の周りがたまたま女ばかりだったというだけで。
なんというたまたまだ。
異世界ライフ最高じゃねえか。
実際は魔神だったり魔族だったり色々忙しいが。
ていうか魔神も女じゃん。
なんて世界だ。
「ユウト君、鼻の下伸びてるよ」
「ユウト、最低」
「最低じゃな」
「最低ですね」
「セレンさんまで乗っかります!?」
口調だけで誰だか分かるのは分かりやすくて良いが。
ちなみにディーナ、ミラ、ラリア、セレンさんの順番だ。
隠し事の出来ないディーナがいて、すぐ乗っかるミラがいて割とノリの良いセレンさんと悪乗りするラリアがいて、俺の味方が一人もいない。
敵だらけじゃないか。
そうだ。
敵と言えば。
「レッサーデーモンについて何か分かった事とかあります?」
「いえ……どこにも資料はありませんでした……けど、元の世界でレッサーデーモンと言えば格はかなり下の悪魔を指しているというのは覚えてます」
「元の世界にもいたんですねレッサーデーモン」
実在したかどうかは置いといて。
格が下の悪魔か。
デーモンだもんな。
悪魔の親玉といえばやっぱり魔王なイメージなのだが、あいつはついこの間俺とレオルで倒したしなあ。魔族の一番偉い奴って何になるんだろう。
魔神でもないようだし。
まぁ、分からない事を考えても仕方ないか。
さっきドルーさんと話したばかりじゃないか。
俺が出来ない事は他人任せ。具体的には大体セレンさん任せ。セレンさんが分からないなら俺も分からないし、多分誰も分からないんだろう。
魔神のやつは色々知ってそうだったが教えてくれる気配もないしな。
「そのレッサーデーモンって言うのは、ユウト君と比べてどれくらい強いの?」
「そうだなぁ。俺が10人くらいいたら多分勝てる」
9人で頑張って抑えて一人があの超必をぶっぱする。9人は死ぬけど。自分であれを喰らって耐えられる自信はない。
「無茶苦茶だね、それ……」
「無茶苦茶だよ。この面子でもあれが二匹以上同時に出てきたら危うい」
いや。一匹でも割りとスレスレだろうけど。
ラリアがまだ微妙に本気を見せてないんだよな。俺に稽古をつけていた時もそうだが、ラリアは全力を俺に見せたがらない。多分意図的に見せていないのだろうが、理由は分からない。
結局は俺がどこまで頑張れるか、というところになりそうだが。
俺が時間稼ぎ出来れば、ヒュドラを倒した時のセレンさんの魔法で勝てるだろうし。未だにあれを超える衝撃には出会ってないな。
あれはチートだろう。
だが、あれも時間がかかる。
レオルがいればなぁ。
あいつも、ラリアとはまた別の意味で本気を見ていない。
本気を出すに値する程の相手がいないのだろう。
もしかしたら光のハイエルフと戦った時は本気だったかもだけど。俺それ見れてないしなあ。
「うだうだ考えても始まりませんよ、優斗さん。そろそろ出発しましょう」
「そうですね」
動かなければ。
出来るだけ迅速に、適切に。
魔神も魔族も倒しちまえば良いんだ。
その前に、俺の手の届く範囲にいる奴らは守れるようにならないとな。
過去の失敗から何も学んでない……
いや失敗とも言えないか。結果的に俺は良い思いをしているのだし。時間も無制限なんだし。別に良いじゃん。男ってそういうもんだよ。
と開き直ってはみるが、パルメがやたら満足げなのはやはり俺の意志の弱さと彼女自身の策士力が化学反応を起こした結果だろう。
うん。
一国を治めていた――というか治めているトップがバカな訳ないじゃん。
俺がバカなんだよ。
……まあいいか。
俺が覚悟を決めれば良いだけだ。
俺が決めた事なんだから俺が責任を取らなければな。
とりあえずの目標は、生きてパルメの元へ戻って来ること。出来れば出産に間に合うように。
◆
パルメを連れて王宮に戻ると見慣れない顔が一人いた。
「なんでお前いるんだっけ」
「王のやつと和解したから、結界に閉じこもっとる意味もないからの」
ロリババアが当然のようにパーティに加わっていた。
俺、セレンさん、ミラ、ディーナ、ラリア。
本当はレオルとパルメがいると完全無敵の布陣なのだが、まぁそこまでの高望みはしないでおこう。ちなみに魔具の件だが、魔具を造れる技師というのがかなり限られているらしく、ドワーフ族くらいしか今はいないそうだ。
そのドワーフとエルフ族は関係が密なので、魔具での強化は人間の国王を説得してからになってしまう。まぁ、相手が人間ならば魔具なしでもこちらはトップクラスばかりだ。
セレンさんと俺とラリアだけでも十分すぎるほど戦力過多である。
加えてミラもディーナも人間の中ではトップクラス。
対人間ならほぼ負ける要素はない。
まぁ、戦闘するのを前提として考えるのもあれか。
幾らなんでもドンパチしまくるっていうのもあれだしな。人間の王。温厚な奴かもしれないし、結構スムーズに話が進むかもしれない。戦わずに済むならそれはそれで良しだ。
パルメの件もあるしな。
レオルもそうだ。これと言った問題は起きずに、なんだかんだ何とかなった。光のハイエルフは堅物そうだから難しいが、何とかなりそうだ。
問題は『大帝国』と呼ばれるその国の王を説得できるかどうかだが……セレンさんとかラリアとかディーナとかミラとかの意見を統合した結果、俺が何とかすることになってしまった。
まぁ、俺が一応竜王という立場になっているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが。
パルメに任せっきりでも悪いしな。
「じゃあ、行ってくるよ」
「おう。生きて帰ってこいよ。死んだらこの子の名前はユウトにするからな」
「縁起でもない……」
パルメは。
一人で魔族を撃退出来るだけの能力があり、竜の海にはそれなりの兵力がある。仮にレッサーデーモンかそれ以上の魔族が現れても何とか出来るだろう。
何とも出来ない時のために、ラリアが例のぷちっと潰すやつをパルメに渡していた。新しい側室か? と素で聞くパルメにブチ切れかけてたが根は優しいロリなんだよ。
ちなみにあれぷちっと潰すと俺が呼び出されるらしい。
最も深くリンクされている吸血鬼を呼び出す魔法なんだとか。転移魔法とはまた違うらしいが、詳しくは知らない。なんか他にもルールがあるようだ。
とりあえずこれでパルメに何かあった時の心配はいらないだろう。多分。
さて。
ドワーフと言えば一人、心当たりがあるんだよな。
一応行ってみるか。
◆
「久しぶり、ドルーさん」
「おお、小僧か。竜の海でエルフ族と大立ち回りを演じたそうだな」
ドルーのおっさんは俺たちを竜の海手前――死の森まで船で連れていってくれたドワーフだ。魔具を造れる人が知り合いにいないかと訊ねてみると、茶色の髭をもさもさと触りながら答えた。
「うーむ。すまんが、儂は力になれそうにないな。儂んとこはほとんど全員船専門だったからなあ」
「そうか。いや、謝らなくて良いよ。俺もまだドルーさんとこを襲った吸血鬼っていうのをとっ捕まえれてないし」
「そんなん気にするな。小僧、お前自身の人生だ。お前のやりたい事をやれ」
「気にもするさ。俺のやりたい事だからな」
それに。
いずれにせよ、やらなければならない事だ。
人間と手を組むにしろ、エルフと手を組むにしろ、はぐれ吸血鬼や竜人はその障害となる。いつかは排除しなければならない存在だ。
「……お前さん、そんな生き方して疲れないのか?」
「こう見えても結構、楽な方に逃げるんだぜ、俺。心配には及ばねえ。自分の限界は自分が一番知ってる」
俺が出来ない事は他人任せだ。
だからこそ俺に出来る事はやらなくちゃな。
「……まぁ、お前さんの人生だ。儂はこれ以上口を挟まんよ」
「ありがとうな。ドルーさん」
「礼を言うのは儂の方だ。また顔見せに来い。その時は料理くらい振舞ってやる」
「期待はしないでおくよ」
◆
「あれ、もう済んだんですか?」
「ええ。心当たりはないそうです。やっぱエルフ族をどうにかするのが先ですね」
ゲートと潜って竜の海へ戻ると、セレンさん達は準備が完了していた。
と言っても荷物は大体俺の影の中に押し込んでるからほぼ手ぶらだが。
俺、セレンさん、ミラ、ラリア、ディーナの5人でしばらくは動く事になる。
パルメは忙しくて見送りに来れないそうだ。残念だが仕方がない。結局ほぼ丸一日潰れてしまったようなものだからな。
すすす、とミラが近づいてきて耳元でぼそっと呟いた。
「昨夜はお楽しみでしたね」
「うるせー」
何故お前がそのネタを知っているんだ。
しかしまぁ。
なんとも見事に俺以外全員女だな。
ラリアの枠が男でも良かったのではないか。
流石に肩身が狭いというかなんというか。
ハーレム状態と言えば聞こえは良いが、俺以外の四人中二人が嫁で一人が恋人で一人が師匠だ。
嫁がいるのに恋人がいるというのは不倫にあたらないのか。そもそも嫁が二人いる時点で倫理観が色々ぶっ壊れてるが。
男で師匠って言うと誰がいるんだ。
エルランスか修さんあたりか? 修さんはいないし、エルランスは田舎に行ってしまって連絡全然取ってないしでそもそも脈が全然ない。
なんで俺の周りは女ばかりなのだろう。
レオルぐらいじゃん。
この世界は女の方が強いのだろうか。
竜王も女だったし。
でも光のハイエルフは男だったな。先代は女だったらしいけど。
そう考えるとまあまあバランスはとれてるのか?
俺の周りがたまたま女ばかりだったというだけで。
なんというたまたまだ。
異世界ライフ最高じゃねえか。
実際は魔神だったり魔族だったり色々忙しいが。
ていうか魔神も女じゃん。
なんて世界だ。
「ユウト君、鼻の下伸びてるよ」
「ユウト、最低」
「最低じゃな」
「最低ですね」
「セレンさんまで乗っかります!?」
口調だけで誰だか分かるのは分かりやすくて良いが。
ちなみにディーナ、ミラ、ラリア、セレンさんの順番だ。
隠し事の出来ないディーナがいて、すぐ乗っかるミラがいて割とノリの良いセレンさんと悪乗りするラリアがいて、俺の味方が一人もいない。
敵だらけじゃないか。
そうだ。
敵と言えば。
「レッサーデーモンについて何か分かった事とかあります?」
「いえ……どこにも資料はありませんでした……けど、元の世界でレッサーデーモンと言えば格はかなり下の悪魔を指しているというのは覚えてます」
「元の世界にもいたんですねレッサーデーモン」
実在したかどうかは置いといて。
格が下の悪魔か。
デーモンだもんな。
悪魔の親玉といえばやっぱり魔王なイメージなのだが、あいつはついこの間俺とレオルで倒したしなあ。魔族の一番偉い奴って何になるんだろう。
魔神でもないようだし。
まぁ、分からない事を考えても仕方ないか。
さっきドルーさんと話したばかりじゃないか。
俺が出来ない事は他人任せ。具体的には大体セレンさん任せ。セレンさんが分からないなら俺も分からないし、多分誰も分からないんだろう。
魔神のやつは色々知ってそうだったが教えてくれる気配もないしな。
「そのレッサーデーモンって言うのは、ユウト君と比べてどれくらい強いの?」
「そうだなぁ。俺が10人くらいいたら多分勝てる」
9人で頑張って抑えて一人があの超必をぶっぱする。9人は死ぬけど。自分であれを喰らって耐えられる自信はない。
「無茶苦茶だね、それ……」
「無茶苦茶だよ。この面子でもあれが二匹以上同時に出てきたら危うい」
いや。一匹でも割りとスレスレだろうけど。
ラリアがまだ微妙に本気を見せてないんだよな。俺に稽古をつけていた時もそうだが、ラリアは全力を俺に見せたがらない。多分意図的に見せていないのだろうが、理由は分からない。
結局は俺がどこまで頑張れるか、というところになりそうだが。
俺が時間稼ぎ出来れば、ヒュドラを倒した時のセレンさんの魔法で勝てるだろうし。未だにあれを超える衝撃には出会ってないな。
あれはチートだろう。
だが、あれも時間がかかる。
レオルがいればなぁ。
あいつも、ラリアとはまた別の意味で本気を見ていない。
本気を出すに値する程の相手がいないのだろう。
もしかしたら光のハイエルフと戦った時は本気だったかもだけど。俺それ見れてないしなあ。
「うだうだ考えても始まりませんよ、優斗さん。そろそろ出発しましょう」
「そうですね」
動かなければ。
出来るだけ迅速に、適切に。
魔神も魔族も倒しちまえば良いんだ。
その前に、俺の手の届く範囲にいる奴らは守れるようにならないとな。
コメント