女神と一緒に異世界転移〜不死身の体と聖剣はおまけです〜
第29話 イチャイチャするだけ
「せ、セレンさん。次止まる場所まであとどれくらいですか?」
「そうですね。早くてもあと二日はかかるかと」
「二日の間にユウトが色んな意味で暴走しないかちゃんと見張ってないと。ボクが」
「いえいえミラちゃん。私がしっかり見てますから大丈夫ですよ。私が」
一体俺に何が起きているのだ……
空前絶後のドッキリじゃないだろうなこれ。
実は夢オチとかじゃないだろうな。
許されざる手法だぞそれは。
夢であれば気が楽だが夢だったらそれはそれでがっかりだ。複雑である。
女心って複雑なのである。
俺は今、セレンさんとミラにぴったりとくっつかれていた。
俺を中心に並んで座っている。
右隣にセレンさん、左側にミラ。
両手に花というか両手に花畑みたいな、日本にいた時では考えられなかった役得どころなのだろうが、俺を挟んでやりあっている姿を見るのは怖い。
色んな意味で。
ここで男らしい主人公とかならメインヒロインを選ぶのかもしれないが、俺は優柔不断系なのかもしれない。どちらかを切り捨てるなんて出来ない……
なんてな。
ミラが冗談半分にセレンさんを煽っているのはなんとなくわかるから放っておいているだけだ。目に余れば流石に止める。
セレンさんも多分理解してるだろうしな。
「ユウト。今日の晩御飯はボクがあーんしてあげよう。何なら明日から毎日毎回そうしてあげよう」
「なっ……それは私がやります! 優斗さんのあーんは私がします!」
「いいや譲れない。ここだけは何を置いても譲れない」
「私だって譲りませんよ。幾らミラちゃんだって超えてはいけない一線があるんです」
俺はいつまでこの人たちのコントを見ていなければならないのだろう。
頃合いを見て、引くに引けないところで割り込んで既成事実を作ろうと思っているんだが思ったよりも隙のない舌戦だ。
正直面白いから良いぞもっとやれって感じなんだが。
「どうしても?」
「どうしてもです」
「なら妥協案を提示しよう。ボクはユウトにあーんをする。セレンはその間ユウトを膝枕していれば良い」
朝三暮四か。
どっちが朝でどっちが暮れなのか分からないけど。
分からなくても面白いから静観してよう。
「それって私の目的は達せられてないじゃないですか。ミラちゃんが膝枕して私があーんします」
どっちでも俺が一番得するんだけどね。
でもどっちかと言えばセレンさんが膝枕の方が良いかなぁ。
太っているという意味でなく良い意味で肉付きが良いから。
肉付きが良いって何かエロい表現だな。
単純に巨乳と貧乳の差だよ。
どふ、と左わき腹に肘が入った。
痛いんだけど。
「じゃあボクとセレンで交互に食べさせよう」
「それなら……まぁ……」
おっと。
何か収束しちゃいそうなんだけど。
しかもこれはなぁなぁで終わるパターンだ。
何とかせな――と思って口を開きかけると、マリアさんが爆発物をふと口にした。
「間をとってわたしが食べさせましょう。口移しで」
どこの間をとったらそうなるんだ。
眼鏡っ娘女子は性欲が強いというのは本当だったのか。
俗説だよ。俺が今作った、な。
「な……」
「ぐ……」
マリアさんの物凄い発言に、セレンさんとミラは物怖じしてしまう。
そりゃそうだ。一足飛びどころか十足くらい飛んでるもん。もうちょっと間を取ろうとする努力をしようぜ。
……俺は一向にかまわないがね。
眼鏡美人に口移しで食べさせてもらうって。
想像するだけでドキドキでわくわくだぜ。
メインヒロインはまさかの新登場キャラだったのか。
「膝枕もしましょう。食事の時だけと言わず、常に。今からでも」
マジで?
行って良いの?
ちなみにマリアさんは俺たちの対面に座っている。
今動いたら完全に二人を取り残す形になるんだが……
正直それでも行きたいくらいの魔力はある。
どうしよう。
「駄目です。優斗さんに膝枕するのは私です」
あなたさっきあーんしたいって言ってましたやん――とツッコミを入れる暇もなく、セレンさんに腕を引かれて俺は態勢を崩した。
抵抗? するわけないじゃん。
セレンさんの膝の上に頭が着地する。
うわーすっげぇやわっこいー。
見上げれば巨大なメロンが。メロンと表現するしかないぜ。
凄いな人体って。こんなにも人を惹きつけてやまない物体を引っ提げてるなんて。これはミラにはないものだ。
ついでに言えばマリアさんにも。
ミラはただの貧乳だが、マリアさんはスレンダーだ。
それはそれで良いのだけど、やっぱり大きいに越したことはない。
俺もう今死んでも良いや。
多分全人類の誰よりも幸福な時間を過ごしてる。
今までの歴史にいるか?
女神に膝枕してもらった男って。
いやいない。
俺だけだ。
ひゃっはー。
「セレンもユウトもボクを甘く見てるね。ボクはそんなに甘い女じゃないよ」
いいやお前には無理だ。
何故なら無いからな。
セレンさんにしかないものだ。
なんて思っていると、ミラは脱ぎ始めた。
脱ぎ始めた。
もう一度言おう。
脱ぎ始めた。
「ちょっと待てお前何してんの」
何やってんの。
え、なに?
俺の知らないところで服を脱がないと死んでしまうウイルスでも蔓延してんの?
俺も脱がなきゃ死ぬの?
そうすればセレンさんもマリアさんも脱がないといけないじゃないか。
何その桃源郷。
桃がたくさんじゃないか。
かの斉天大聖孫悟空じゃなくても齧りたくなるぜ。
と、ミラは上半身の皮鎧を脱いだところで終わった。
スウェットと言うのだろうか。黒いアンダーシャツみたいな姿になっている。下はそのまんまだから、何かアンバランスだな。逆にそれが背徳的な雰囲気を醸し出している。
何をする気だお前。
等と言う気はなく。
さっきは気が動転して思わず制すような事を言ってしまったが、黙って事を受け入れよう。それが男ってもんだろう?
「あまり見られると流石に恥ずかしい」
そう言うなら少しは恥じらいの表情を見せろ。
お前の表情筋は死んでるのか。
恥じらいの表情を浮かべるまでじっくりと見てやろう。
じー。
じー……うわぁ!!
急にミラが胸を押し付けてきた。
俺の顔に。
お前マジで何やってんの理解できねぇ何やってんの何やってんの。
わー柔らかい。
ほとんど無くても柔らかいんだこれって。
新たな発見だぜ。大発見と言っても良いかもしれない。これから貧乳を見る目が変わってしまう。所詮は巨乳の劣化版じゃないかとか言えなくなってしまう。
そんな事言った事ないけど。
俺は平等に愛を注げる男だ。
大きいものは大きいもので当然柔らかいのだが小さいやつの柔らかさと比べるとまた違った趣があるようだ。
ていうか俺が何してんの、だ。
事細かに描写してんじゃないよ。
もうちょっとオブラートに包もうぜ。
柔らかい小さなメロンが顔に降ってきた、とか。
柔らかいメロンって腐ってそうで嫌だなぁ。
「どう?」
「どうと言われましても」
ミラに思わず敬語になってしまう感じですかね。
何してんのこいつ……
やべぇよ……頭おかしいんじゃないのか。
俺の頭がおかしくなったのか。
これは幻想なのかもしれない。
或いは俺明日死ぬのかもしれない。
人という生に与えられた幸運の値を今日だけで振り切っている気がする。
早くこの状況から逃げ出した方が良いんじゃないか。
明日俺の頭に隕石でも降ってくるんだろうか。
不死身だからそれでも死なないかもしれないけど。
セレンさんに膝枕され、ミラに胸を押し付けられ、眼鏡お姉さんがそれをドン引きしながら見ている。
最高かよ。
ここが天竺か。
俺の旅はもうここで終わって良いよ……
世界とかどうでも良いじゃん。
俺が幸せならそれでハッピーエンドだ。
「わたしも混じった方が良いんでしょうか……」
なんてちょっと真剣に考えているマリアさんを眺めながら、俺は果たしてこの状況からどうやったら生還出来るのかを考えていた。
「そうですね。早くてもあと二日はかかるかと」
「二日の間にユウトが色んな意味で暴走しないかちゃんと見張ってないと。ボクが」
「いえいえミラちゃん。私がしっかり見てますから大丈夫ですよ。私が」
一体俺に何が起きているのだ……
空前絶後のドッキリじゃないだろうなこれ。
実は夢オチとかじゃないだろうな。
許されざる手法だぞそれは。
夢であれば気が楽だが夢だったらそれはそれでがっかりだ。複雑である。
女心って複雑なのである。
俺は今、セレンさんとミラにぴったりとくっつかれていた。
俺を中心に並んで座っている。
右隣にセレンさん、左側にミラ。
両手に花というか両手に花畑みたいな、日本にいた時では考えられなかった役得どころなのだろうが、俺を挟んでやりあっている姿を見るのは怖い。
色んな意味で。
ここで男らしい主人公とかならメインヒロインを選ぶのかもしれないが、俺は優柔不断系なのかもしれない。どちらかを切り捨てるなんて出来ない……
なんてな。
ミラが冗談半分にセレンさんを煽っているのはなんとなくわかるから放っておいているだけだ。目に余れば流石に止める。
セレンさんも多分理解してるだろうしな。
「ユウト。今日の晩御飯はボクがあーんしてあげよう。何なら明日から毎日毎回そうしてあげよう」
「なっ……それは私がやります! 優斗さんのあーんは私がします!」
「いいや譲れない。ここだけは何を置いても譲れない」
「私だって譲りませんよ。幾らミラちゃんだって超えてはいけない一線があるんです」
俺はいつまでこの人たちのコントを見ていなければならないのだろう。
頃合いを見て、引くに引けないところで割り込んで既成事実を作ろうと思っているんだが思ったよりも隙のない舌戦だ。
正直面白いから良いぞもっとやれって感じなんだが。
「どうしても?」
「どうしてもです」
「なら妥協案を提示しよう。ボクはユウトにあーんをする。セレンはその間ユウトを膝枕していれば良い」
朝三暮四か。
どっちが朝でどっちが暮れなのか分からないけど。
分からなくても面白いから静観してよう。
「それって私の目的は達せられてないじゃないですか。ミラちゃんが膝枕して私があーんします」
どっちでも俺が一番得するんだけどね。
でもどっちかと言えばセレンさんが膝枕の方が良いかなぁ。
太っているという意味でなく良い意味で肉付きが良いから。
肉付きが良いって何かエロい表現だな。
単純に巨乳と貧乳の差だよ。
どふ、と左わき腹に肘が入った。
痛いんだけど。
「じゃあボクとセレンで交互に食べさせよう」
「それなら……まぁ……」
おっと。
何か収束しちゃいそうなんだけど。
しかもこれはなぁなぁで終わるパターンだ。
何とかせな――と思って口を開きかけると、マリアさんが爆発物をふと口にした。
「間をとってわたしが食べさせましょう。口移しで」
どこの間をとったらそうなるんだ。
眼鏡っ娘女子は性欲が強いというのは本当だったのか。
俗説だよ。俺が今作った、な。
「な……」
「ぐ……」
マリアさんの物凄い発言に、セレンさんとミラは物怖じしてしまう。
そりゃそうだ。一足飛びどころか十足くらい飛んでるもん。もうちょっと間を取ろうとする努力をしようぜ。
……俺は一向にかまわないがね。
眼鏡美人に口移しで食べさせてもらうって。
想像するだけでドキドキでわくわくだぜ。
メインヒロインはまさかの新登場キャラだったのか。
「膝枕もしましょう。食事の時だけと言わず、常に。今からでも」
マジで?
行って良いの?
ちなみにマリアさんは俺たちの対面に座っている。
今動いたら完全に二人を取り残す形になるんだが……
正直それでも行きたいくらいの魔力はある。
どうしよう。
「駄目です。優斗さんに膝枕するのは私です」
あなたさっきあーんしたいって言ってましたやん――とツッコミを入れる暇もなく、セレンさんに腕を引かれて俺は態勢を崩した。
抵抗? するわけないじゃん。
セレンさんの膝の上に頭が着地する。
うわーすっげぇやわっこいー。
見上げれば巨大なメロンが。メロンと表現するしかないぜ。
凄いな人体って。こんなにも人を惹きつけてやまない物体を引っ提げてるなんて。これはミラにはないものだ。
ついでに言えばマリアさんにも。
ミラはただの貧乳だが、マリアさんはスレンダーだ。
それはそれで良いのだけど、やっぱり大きいに越したことはない。
俺もう今死んでも良いや。
多分全人類の誰よりも幸福な時間を過ごしてる。
今までの歴史にいるか?
女神に膝枕してもらった男って。
いやいない。
俺だけだ。
ひゃっはー。
「セレンもユウトもボクを甘く見てるね。ボクはそんなに甘い女じゃないよ」
いいやお前には無理だ。
何故なら無いからな。
セレンさんにしかないものだ。
なんて思っていると、ミラは脱ぎ始めた。
脱ぎ始めた。
もう一度言おう。
脱ぎ始めた。
「ちょっと待てお前何してんの」
何やってんの。
え、なに?
俺の知らないところで服を脱がないと死んでしまうウイルスでも蔓延してんの?
俺も脱がなきゃ死ぬの?
そうすればセレンさんもマリアさんも脱がないといけないじゃないか。
何その桃源郷。
桃がたくさんじゃないか。
かの斉天大聖孫悟空じゃなくても齧りたくなるぜ。
と、ミラは上半身の皮鎧を脱いだところで終わった。
スウェットと言うのだろうか。黒いアンダーシャツみたいな姿になっている。下はそのまんまだから、何かアンバランスだな。逆にそれが背徳的な雰囲気を醸し出している。
何をする気だお前。
等と言う気はなく。
さっきは気が動転して思わず制すような事を言ってしまったが、黙って事を受け入れよう。それが男ってもんだろう?
「あまり見られると流石に恥ずかしい」
そう言うなら少しは恥じらいの表情を見せろ。
お前の表情筋は死んでるのか。
恥じらいの表情を浮かべるまでじっくりと見てやろう。
じー。
じー……うわぁ!!
急にミラが胸を押し付けてきた。
俺の顔に。
お前マジで何やってんの理解できねぇ何やってんの何やってんの。
わー柔らかい。
ほとんど無くても柔らかいんだこれって。
新たな発見だぜ。大発見と言っても良いかもしれない。これから貧乳を見る目が変わってしまう。所詮は巨乳の劣化版じゃないかとか言えなくなってしまう。
そんな事言った事ないけど。
俺は平等に愛を注げる男だ。
大きいものは大きいもので当然柔らかいのだが小さいやつの柔らかさと比べるとまた違った趣があるようだ。
ていうか俺が何してんの、だ。
事細かに描写してんじゃないよ。
もうちょっとオブラートに包もうぜ。
柔らかい小さなメロンが顔に降ってきた、とか。
柔らかいメロンって腐ってそうで嫌だなぁ。
「どう?」
「どうと言われましても」
ミラに思わず敬語になってしまう感じですかね。
何してんのこいつ……
やべぇよ……頭おかしいんじゃないのか。
俺の頭がおかしくなったのか。
これは幻想なのかもしれない。
或いは俺明日死ぬのかもしれない。
人という生に与えられた幸運の値を今日だけで振り切っている気がする。
早くこの状況から逃げ出した方が良いんじゃないか。
明日俺の頭に隕石でも降ってくるんだろうか。
不死身だからそれでも死なないかもしれないけど。
セレンさんに膝枕され、ミラに胸を押し付けられ、眼鏡お姉さんがそれをドン引きしながら見ている。
最高かよ。
ここが天竺か。
俺の旅はもうここで終わって良いよ……
世界とかどうでも良いじゃん。
俺が幸せならそれでハッピーエンドだ。
「わたしも混じった方が良いんでしょうか……」
なんてちょっと真剣に考えているマリアさんを眺めながら、俺は果たしてこの状況からどうやったら生還出来るのかを考えていた。
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