天災殺しの異世界無双

マシュまろ

第48話 帰り道にて1

*「これが悪意の闇騎士カース・ブレアナイトを倒した時の写真で、これはガマツオオアザトを倒した時の写真」
「うわ〜!ねえ、他にはどんなのがあるの?」
「そうだなぁ…後は…」

そう言いながらマガンは茶色のアルバムをめくり中の写真をカリンに見せる。カリンはそれらをみるたびに「うわ〜」や「大きい〜」など様々な感想を口にした。何故マガン達がこんなことをしているかの。それは10分程前の事。マガンがディザスターフロッグを倒し、カリンを連れて『転移』で帰ろうとした時だった。

「ねぇ、お兄さんは他にも天災ディザスター級の魔物を倒したことがあるの?」

とカリンに聞かれ、マガンが「ああ、あるぞ」と言ったのがきっかけだった。その後にカリンに「どんな魔物だったのか聞きたい!」とせがまれ、仕方なく近くにあった切り株に2人で腰掛けて昔にゲームの時に撮った写真をカリンに見せながら一枚一枚丁寧に説明していた。

「これがタイタニア・ゴライアスっていう虫の魔物で、こっちが国堕とし」
「国堕とし!?あの伝説の天災ディザスター級の魔物!?」
「ああ。伝説かどうかはわからないけど国堕としだぜ。出来ればもう二度と戦いたくないけどな」
「うわ〜…お父さんに見せてあげたいなぁ…」
「うん?お父さんに?」
「うん!私のお父さんは魔物学者なんだ!魔物の図鑑も出してる凄い人なんだよ!」

そう言いながらカリンは自分のリュックから「魔物図鑑」と書かれた赤い分厚い本を取り出してマガンに見せる。

「自慢のお父さんなんだな」
「うん!」

そう元気に返事をするカリンの頭をマガンは微笑みながら撫でるのだった。

*マガンとカリンが話し始めてから30分。ようやく写真を見せ終わったマガンはカリンと帰ろうと、『転移』を唱えようとしたちょうどその時だった。

「おい、君達そこで何をしている?」

突然、後ろの茂みから皮の鎧のようなものに身を包んだ2メートルほどの大柄な男が出てきた。男の後ろには街で見たような装備をつけた兵士が何人も並んでいた。

(誰だ?こんな森の中で…俺と同じ冒険者か?)

マガンが出てきた男を見ているとカリンが男に声をかけた。

「あ〜ラルカンさんだ!こんなとこで何してるんですか?」
「ん?ああ!君はコムギ亭の。君こそこんなところで何をしているんだ?」

ラルカンと話し始めたカリンをよそにマガンはラルカンと名乗る男性を注意深く見るのだった。








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