話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

天災殺しの異世界無双

マシュまろ

第27話 一方その頃2

*マガンが本人の知らない間に国の「顔のわからない重要参考人」になっていた頃、マガンが最初にいたマカルル山からさらに遠くの東と北の境界線上にあるギリガ山の山道で何かから逃げる女性の影があった。彼女の名前はユエ。赤い鎧に身を包み、刀を持つ鎧武者風の犬耳の獣人である。そんな逃げているユエの後ろには9人程の女性の人影が見える。皆格好はバラバラであったがそれぞれがユエと同等の強さを持つ者だった。

「クソ!来るな!【斬月】!」

そんな集団にユエはスキルで斬撃を放つ。しかし、追って来ていた白いローブを着た女性が魔法を放つ。

「【ホワイト・シールド】」

彼女が左手をかざすと、そこに半透明の白い障壁が展開され斬撃が無効化される。

「クソッ!」

さらにユエにできた隙を突くように胸元が開けたチャイナドレスを着た女性がスキルを発動させる。

「【脚力超強化】【獄殺・龍殺七星】」

「がはっ!!」

かわしきれず、放たれた七発の強化された蹴りを体にもろに受け、背後の岩に血を吐きながら吹き飛ばされるユエ。

「はぁ、はぁ…クソッ!ここまで来て…こんな…」

岩にぶつかり、そのままうつ伏せになって倒れたユエの前に白銀の鎧を着た男が現れる。ユエは現れた男を憎々しげに睨みつけた。

「ぐぬぅ…お、お前ごときに私が…」

そう恨み言をいうユエの周りを追いかけて来ていた女性たちが取り囲む。そしてユエの両腕を掴むと引きずるようにして鎧を着た男の前にユエを運び、結んであった髪を掴み上げ、無理やり男の方に向かせる。

「や、やめろ…私は、お前の奴隷になんて…なりたくない…!」
「ふん。お前の意見など、俺が聞く必要もない」

そう言って男は右手をユエの額に当て、スキルを発動させる。

「スキル【洗脳】【調教】【奴隷化】発動」
「ああああああああ!!!」

男がスキルを発動させると、ユエの全身が鈍い紫色の光を放つ。

(嫌だ!嫌だ!嫌だ!こんな男の奴隷なんて!)

ユエの思いも虚しく、スキルがユエの全身を蝕んでいく。

(ああ…私が消えていく…何も考えられない…何も思い出せない…あれ?私、誰だっけ?)

そこでユエの意識はプツンと途切れ、そのまま地面に倒れこむ。しばらくして起き上がったユエの目は他の女性達と同じ感情の無い虚ろな目だった。













「天災殺しの異世界無双」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く