魔女と呼ばれた人形使い

かぐつち

魔女と呼ばれた人形使い

夢を見た気がする
「目が覚めた?」
聞き覚えのない声が聞こえた、声の主を探そうとしたが身体が動かない、仕方なく目だけで声の主を探す、窓際で光を浴びながら本を片手にこちらを見ていた。
「あ...」
返事をしようと思い、口を動かすが声が出てこなかった。
「今は動けないだろうさ、まだ寝てれば良い」
それ以降声が続かなかった、身体も動かないのでそのまま目を閉じると、そのまま意識が飛んだ。


次に目を覚ましたのは夜中だった、今度は身体も動くようだ、ひとまず上半身を起こして回りを見る
「おはよう、今度は動ける?」
昼間の声が聞こえた、場所も変わらず月明かりと蝋燭で本を読んでいるようだ、
「おはようございます、此処は?」
「私の家、動けるのなら枕元にパンと水がある、少しでも食べておきなさい」
「ありがとうございます、いただきます」
その声の通りにパンと水を口に含む、何故か涙が溢れてきた、「食べ終わったらまた眠りなさい、詳しい話も此れからの事も、起きてからで良いわ」
優しい声が聞こえる
「ご馳走さまでした、おやすみなさい」
言葉に甘えて又横になって目を閉じる、意識が又闇に落ちた。




三度目の目覚めでやっと意識がかくせいした、身体を動かしても違和感もない、右手を見ると包帯が巻いて有った、あの事は夢では無いらしい、あの人は部屋の中には居ないようだ、
「起きた?動けるのなら此方にいらっしゃい」
隣の部屋から声が聞こえた

「魔女と呼ばれた人形使い」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く