魔法学園暗殺者ブラック・バレット

ラキト

第3話 学園入学試験

俺は暗殺者─だったが俺はよく考えてみるとチキンな野郎だと気づき、生徒会長のアルネに勧められこのアルテナ学園に入学しようとしていた。
「ハァ、俺もクソみたいなやつだ。だが俺は新しく人生を送ると決心したんだ、頑張って行くしかない。」
そんな独り言を言いながら昨日渡された服を着ていると、俺の部屋に近づく足音が聞こえた。
ガチャ
「あら、朝は早いのねカリバー。」
「あぁ、そりゃ暗殺者はいざって時に備えないといけないからな。 
てかなんで俺の部屋に入ってるんだよ、まだ俺は着替えてるだろ。」
着替えている、というかもうすぐ着替え終わるところまで着ていた。
それからアルネは学園の制服を着ていた。俺は「うーん」と言いながら見ていると
「まぁいいじゃない、今からご飯食べに行くけど予定してた時刻より早く案内してもいいけど、どうする?」
「朝ご飯は不要だ。そんな事より外走ってきてもいいか?」
「いいけど、迷わないでね?まぁ"ブラックアサシン黒き暗殺者"だから大丈夫だとは思うけど。」
「殺るぞ?」
「今のあなたに出来るかしら〜?」
「遠くからなら殺れる。だが今の俺にはそんな気は無い。それじゃまた後でな」
そして俺は部屋を出た。その後外に出て俺は学園の外周を2週走った。大体1周で2.4km、なかなかのデカさの学園だとこれだけでも何となくわかる。それだけ優秀な"男子と女子"が居るのだろう。
俺は走り終わったあと学園を案内された。教室の場所、食堂の場所、更衣室の場所など色んなところを回ったが学園内もなかなか広かった。そして今アルナが最後の説明をしている
「─になってるわ。なにか質問は?」
「気になる事が一つある─"男子"が居ない気がするが。」
そう"男子"だ。学園ライフの始まりは男子と話し友達になるというのが俺的には普通だと思っている。
「そうねー魔法適性はどちらかと言うと女子の方が高いから主にこの学園に通っている人はほとんどが女子なの、と言うか今は女子しかいないわね。」
俺はそれを聞き少し戸惑いを見せた。なぜだ、なぜ男子が居ない。そう考えているとある言葉を思い出した─


「ターゲットがいる学園には女子が多い。女子学生は特に男子よりも魔法適性が高いからな。大丈夫だと思うが、見つかったら大惨事だ。それから─」


情報屋が言っていたな、そんな事よりこんな所に男子が入って大丈夫なのか?
「なぁそんな所に男子の俺がいていいのか?」
「いいわよ、この学園は女子だけっていう訳では無いし、だけど男子だから大騒ぎになるわね。…いろんな意味で」
「どういう事かは知らないがいても大丈夫なことだけは分かった。男子が入ったら何かしら騒ぎ立てる事も」
そんな色んな意味で大変そうな学園生活を送る前に、昨日学園長に呼ばれているとアルナから聞いたので学園長室にいった。
「ようこそいらっしゃいました。貴方が裏で有名なブラックアサシン黒き暗殺者、今は{カリバー・ウエッソン}くんですね」
「あぁ、{カリバー・ウエッソン}は昨日作った仮名だからどう呼んでもいい」
「そうね〜アサシンくんとそんでもいいかしら」
「出来るだけやめて欲しいと言うかそんな呼び方ならカリバーの方がいいのだが。」
「そうなの?しょうがないわね〜じゃあカリバーくん本題に移るわね」
学園長は何故かしょんぼりしたように話を進めた。
「何回も聞くようだけどカリバーくんはこの学園に入る気はある?」
もう俺の答えは決まっている。もちろんその後に誰かがミッションを放棄した俺になにかしてくるだろうだがそれでも俺はもう<孤独な人生>を送りたくはない。そういった意味で俺は学園長に答えた。
「あります。この先なにか困難なことがあるとしても俺は入ろうと思います」
「分かったわ、でも実技テストはやって欲しいの学力はもう分かってるから、この後そのままの服装でいいからグラウンドに来てもらえるかしら」
「分かりました」
「頑張ってねカリバー、あなたなら合格するから。」
そしてグラウンドに行くと多くの"女子生徒"が集まっていた。流石に気になり学園長に聞くと「カッコイイ男の子の転校生が実技テストやるわよ〜って言ったら集まっちゃった」とか言っていた。そんな事はお構い無しに実力テストが始まった。
「さ〜始めるわよ、準備はいい?カリバーくん」
「まぁ、みんなが期待の眼差しで見ていますが良いですよ。」
「じゃあ今からあそこにいるパペット人形の魔神を倒したら合格よ〜」
そう学園長が言うとみんなが「えー魔神だって」「私でも倒せないのに」「無理だって」などと色んな声が飛び交う。そういうのも無理もない、魔神とは滅多に出てこない魔人のボスである。その滅多に出てこない魔人でさえ国の中で一番強い人が3人係でやっと倒せるというのにそのボスが出てきたら一溜りもない大災害をもたらす。一応パペット人形なので普通の魔神よりかは弱くなっている、だがそれでも強いのには変わりない。なので一応俺もアサシン暗殺者の装備で立ち向かう。
「<エクイペッド:オプション装備オプション起動><レベル2選択><ウエポン:オプション武器オプション起動><アサルトライフルセット>」
そう唱えると俺の上に魔法陣が描かれそれが下がると服装が黒くなりアサシンの時の装備になる。それを見ていた女子たちは「あれってもしかして固有魔法!?」「わぁ〜かっこいい」「凄い」などと驚いている人もいた。当然だが固有魔法とはそう簡単に使えるもとではない、王国にも数えるほどしか居ないという。そんな事はお構い無しに俺は次の詠唱を唱える。
「<アタッチメント:オプション武器装備装着オプション展開>
<アタッチメント1サプレッサー><アタッチメント2レーザーサイト><アタッチメント3メガマガジン>終了」
そう唱えると武器に色んなものが取り付けされた。これで準備万端だ。それを悟った学園長は大きな声で
「始め!」
と言った瞬間魔神が物凄いスピードでこちらに突進してくるが速いのは俺も同じなので簡単によけられた。
「次は俺のターンだ。<付与魔法:麻痺バレット>寝転んでもらおうか、魔神」
ババババババそのような乾いた音が何回続いたか分からないがそれは全て魔神に命中し麻痺らせた。
「思ったよりパペットの魔神は弱かったようだ。」
俺はアサルトライフルの銃口を頭に向け1発打ち込んだ。思ったより弱かったので正直ガッカリした。すると─
「勝者カリバー・ウエッソン!」
学園長がそう言うと生徒達が大きな歓声をくれた。あれ?これって試験だよね実技の試験だよね?と思いながらも俺は装備を外しみんなの所へ向かった。
「良くやったわ〜合格したから明日から学園生活を迎えれるわね〜」
「良くやったわね、カリバー!パペットでも普通に強い魔神を倒せるたんて流石だわ。今日は寮に帰ってゆっくり休んでね。」
まぁ最初はどうなるかと思っていたが無事に試験を合格し明日から学園生活を送れることになった。


そこは薄暗く誰も近寄らない洞窟その中に水晶の光が人影を作っていた。
「お前の気持ちは変わらぬのだな、ブラックアサシン黒き暗殺者よ。いいだろうその答えにこの私が答えようではないか。お前が絶望しない日もそう近くないと思えよ」
その男はそう言いながら更に洞窟の奥へと進むのであった。

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