BL共有罪~秘密の寮生活~

雪華月ふわり

秘密の寮生活〜サイトEX〜

カタカタカタカタ…高校生二人の部屋には少し違和感のある響きが耳を掠めていく。
可愛らしい恋人(暫定状態)のひなたは縁の黒い眼鏡をかけながら姿勢を固定したままだ。
優等生で生徒会長も務める優秀なひなたは資料づくりは落ち着いて部屋で行うのが常だ。
根が真面目過ぎるのか、テキトーにサボることを彼はしない。
まあ、学校をサボって部屋でゲームをしている俺もどうかと思うが。
クラスの独特の空気が嫌いだ。ヘラヘラとしていればやり過ごせるが、好んで居座りたくは無い。
それでも割と勉強はできるしまあ、よくね?
特に不満があるわけじゃないが、まあ、…つまらない。学校ってそんなもんだろ。
ふっ、ふぁっくしゅ!
何とも言えないくしゃみが聞こえたので反射的に顔を上げると、眉根を寄せながら鼻を啜るひなたが視界に映った。
「風邪引いたんじゃないか?」
決して丈夫と
は言い難い彼を案じて声を掛けると、気色悪いくらい優しい声が出た。
(毒されているな)
そう思うも、その事に悦びを感じる自分は不幸者だろうか?
「あっ」
少し硬い声が眼鏡と一緒に下に転げ落ちた。

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