異世界で魔法無双(仮)

Phobos

★004話★初めての魔法

ロゼットに向かって足を進めていると、女の子が魔物に
囲まれているのが目に入った。


「半信半疑だったけど、本当に魔物がいる世界なんだな…
おっと、そんな事を言っている場合じゃない。早く助けないと!」


魔物を見ると家ほどの大きさはあろうドラゴンが今にも炎を
吹こうとしていた。


このままでは女の子が殺されてしまうっ!そう考えると
そばにある石をドラゴンに向かって勢いよく投げつけた。


勢いよく石が当たったドラゴンは勢いよくこちらに振り返り
遼を目掛けて炎を吹きつけてきた。


「うぉ!あぶねぇ!!」


遼は横に跳びのき、間一髪炎を避ける事が出来た。


「こいつは俺が何とかするから今のうちに早く逃げろっ!」


女の子は遼が突然現れた事に驚きながらも叫んだ。


「でもそれではあなたが…」


「俺の事はいいっ!どうにかするからいいから逃げろっ!」


女の子は戸惑いながらも小さく頷き、ドラゴンと逆方向に
走って逃げていった。


「転生していきなりこんな巨大なドラゴンってありかよ…
 そもそも俺ってどんな魔法が使えるんだ…??」


ステータス画面を開こうとしたその瞬間、ドラゴンが
大きく右手を振りかぶり遼目掛けて勢いよく振り下ろした。
ギリギリ避けたものの、次は避けれるかわからない程
切羽詰まっていた。


遼はステータス画面を開いた一瞬に見えた魔法を唱えた。


「くっ!さっきの大賢者の力に賭けるしかない!
 いくぞっ!ファイヤーボールッ!」


右手をドラゴンに向けて力強く魔法を唱えたその瞬間、
遼の右手から燃え盛る炎の玉が飛び出し、ドラゴンに向けて
勢いよく飛んで行った。


炎の玉がドラゴンの頭に直撃したその瞬間、爆発にも似た
大きな炸裂音と共に大きく燃え上がり頭部の角を残して
跡形もなく燃え尽きた。


「えっ…………… 何だこの威力は………」


ドラゴンが燃え尽きたその直後、遼の頭の中に某有名RPGの
レベルアップにも似たかん高い音が鳴り響いた。
遼の前にステータス画面が表示されレベルが30に上がった事を
表示した。


「さっきまでレベル1だったのにいきなりレベル30だって?
 そういえば神様が成長速度20倍のスキルを付与したとか
 言ってたな…何にしてもあの女の子が助かってよかった」


張り詰めた糸が切れた遼はそう思いながら気を失った。



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