異世界で魔法無双(仮)

Phobos

★003話★新世界

突然、俺の視界に広大な草原、真っ青な青空が広がった。


「ここは・・・」


頭の中に神様の声が響き渡った。


「聞こえるかの?そこは魔法の世界<リュミエール>じゃ
簡単にその世界での生き方を説明するからよく聞きなさい」


「まず右手の人差し指で空中にアルファベットのSを書いてみるのじゃ」


俺は言われたとおりに空中にSを書いてみた。
するとピロンという音と共にRPGのステータス画面みたいのが
ポップされた。


「そこに君のステータスが表示されているからよく確認しておくといい」


当然Lvは1、職業は「魔法使い見習い」と表示されていた。
ステータスは「HP」「MP」「ちから」「かしこさ」「きようさ」「すばやさ」と
RPGならではのパラメータがあり、軒並み2,3といった値になっている。


「確認が終わったら儂から君にプレゼントがあるからアイテムボックスを
見てみなさい」


言われた通りにアイテムボックスを開いてみると「大賢者の遺言書」という
アイテムが一つだけ表示されていた。
そのアイテムを選択すると「使用しますか? Yes or No」という
項目が表示され、恐る恐る「Yes」をタップした。


その瞬間、頭の中に激しい頭痛と共に膨大な情報が流れ込んできた。


「そのアイテムは昔この世界で名を馳せた大賢者である
「ジェレール」の知識の集合体なのじゃ。今君の頭の中に彼の知識が
流れ込んできているじゃろう。少し辛いじゃろうが我慢もう少し我慢するんじゃ」


ようやく知識の波が弱まり、頭痛も収まってきた。


「それでは改めて自分のステータスを確認してごらん」


神様の言う通り、もう一度自分のステータス画面を開いてみた


「え・・・?これは・・・」


そこにはLvこそ1のままだが、職業は「大賢者(神の使い)」に変わっていた。
各種ステータスも軒並み200を超える高い数値になっており、先ほどまでは何も表示されて
いなかったスキル欄にも様々な魔法、そして「成長速度20倍」というスキルが表示されていた。


「今は魔法は初期魔法のみしか使用はできないが、Lvの上昇と共に使用できるじゃろう。
成長速度20倍のスキルも付与したから、この付近で色々試しながらレベルアップをするといい」


「なぜ俺にここまでしてくれるんですか?」


俺は当然の質問を神様に投げかけた。


「君の自分の命を投げうってまで犬を助けた行いに心を打たれたからじゃ。それにさっき伝えた通り
この世界は今まで君がいた世界と違って油断すれば命を落とす可能性もある。
だからこれは儂からの君へのプレゼントと思ってほしい」


魔法世界に転生してくれるだけでもありがたいというのに、何とも過保護な神様だな。。。。


「それに、この世界は人々が魔物やモンスターに襲われることも少なくない。
儂はこの世界に介入する事が出来ないから、出来ることなら君に苦しんでいる人々を
助けてあげてほしいという気持ちもあるのじゃ」


恐らくこれが本音だと思われるが俺にとっても申し分の無いお願いだけに
断る理由も無い。


「分かりました。喜んで引き受けますよ!」


「そうか!君ならそう言ってくれると思っておったよ!
これからも君を見守っているからこの世界を楽しむといい。そのまま東北に進めば
「ロゼット」という町があるからまずはそこを目指すのじゃ」


「分かりました!それでは行ってきます神様!」


そして遼はロゼットを目指し、新たな旅が始まった。

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