会社の女

ageha

第1の女りか。第1章

あたし、小川友美が勤め会てる社は他半数が女ばかりの会社で
お客さん相手や事務手続きなど一般的に比べると
人と関わる事が多い。


お客さんからのクレーム対応は仕事だから
割り切ってる。

プライベートで人との付き合いが苦手なあたしは
会社でも中立な立場でいる事が身に付いてしまっていた。


何より揉め事が嫌いなあたしは
人が嫌がる事を率先してしたり
自分がする事でまるくおさまるんならと
我慢する事が多かった。


それは、人に対してもそうだった。
困っている人を見ると助けてしまう所がある。

そういう人の思いを利用したのが

この女りかだ。


「はじめまして、大島りかです。よろしくお願いします。」

新人として入ってきた女りか。

気さくな感じですぐに会社にも慣れて来たある日。


たまたま、休憩所で一緒になった時に話掛けてしまったのが最初だった。

「どう?仕事は慣れてきた?」
気軽に話かけたつもりが

「他のチームの人ですよね?」

思ってもみなかった返答にあたしはびっくりしてしまった。

あたしの会社は4チーム分かれて
チーム事に競って仕事をしている所がある。

確かにチームは別だけれど、今までも
新人の人には馴染めるように
声を掛けてきていたのだか。。

「そうだね、チームは違うけど。」
「何か情報が欲しいんですか?」

えっ?何?

またしても驚いて言葉がすぐに出なかった。

「やっぱり、そうなんですね。」
「やめてもらえますか?気軽に話掛けて情報を得ようなんて。」

「あたしはそんなつもりじゃ。」

「うちのチームが今1番だからって。」

「あのね、あたしはただ。」

「新人の私なら何か喋るんじゃないかとかですよね?」

「いや、あの、だからね。」

「しつこくすると上司にいいますよ?」
「失礼します。」

何も言い返す間もなくりかは去って行った。

誤解をされたままだとすごく嫌だったので
すぐに追いかけたのだが
フロアに着いて見たのは。。

泣きじゃくるりかを取り囲んでなだめている
中井あゆが率いるチームの人達だ。

「いくら、なんでも新人から無理やり聞き出そうとするなんてひどい。」
「あゆさんから一言言った方がいんじゃないですか?」
「今までも新人に話し掛けてたのはそういう事だったんでしょうね~。」

「ほら、もう泣かないで。あたしから話して見てあげるから。」

そう言ってすごい目で睨む中井チームが
一斉にあたしに視線を向けた。


えっ?ちょっと待ってよ。何なの、これ

「あの、実はね、さっき大島さんと」
あたしが言いかけた言葉を遮るように
中井あゆが口を開いた。

「小川さん、新人にイロイロ聞くのやめてもらっていいですか?」

「えっ?ちょっと待ってよ、あたしは何にも。」

「まだ入ったばかりなんですよ、もう、辞めたいって
泣いて言ってきたんですから。」

「ちょっとあたしの話も聞いてよ。」

「とにかく、りかが辞めたら小川さんのせいですよ。」

急にこんな事になってしまって
あたしは何にも考えられなくていました。

その日の夕方に、同じチームの責任者
大川由香に呼ばれました。

「ちょっと話が入ってきたんだけど
小川ちゃん、何か大島さんに言った?
あたしは聞いた時からそんな話は信じてはないんだけど。」

また上辺だけの言葉だ。腹の中では全くの逆なのに。

「あたしは会社には慣れたかどうかでいつも通り
新人には話し掛けただけです。
どうして、あんなデタラメな話になるのか
わかりません。」

「やっぱり、そうだよね~。最近の若い子はほんと
こわいなぁ。この話中井さんに言っていい?」

「いいですよ、それでもまだやめたいって言うんで
あれば、あたしが辞めます。
あたしのせいでって言われてるんで
貴重な新人を辞めさす訳には行きません。」

「それは、おかしいよ~。
だって、悪いのは向こうじゃない。
とにかく、話してくるから。」


そう言って大川さんは行ってしまった。

あたしはその日、早帰りで
さっさと会社を後にして、帰宅した。

夕食を済ませた夜の20時頃
あたしの携帯が鳴った。

着信は中井あゆ。
何かある為に職員全員を登録している。

また自分のチームの新人を悪く言われて
文句を言いに掛けてきたのだろう。

大川さんがどう言ったのかもまだ確認出来ていないのに。

とりあえず、でんわに出てみる事にした。

「もしもし。」

「もしもし。お疲れ様です。中井です。」

「お疲れ様です。何かなぁ?」

「大川さんから話は聞いた。あたしも
何かあの子は変わってるとは思ってたんだけど。」

中井あゆがタメ口の時はこっち寄りの時だ。
多分2人で手のひら変えて
新人の悪口に変わったんだと分かった。

「一応大川さんには真実を話したんだけど
聞いたんだ。」

「あたしもびっくりした。
まんまと騙されたって感じ~。」

よく言うなと感心するぐらい
ペラペラと喋るもんだ。

「あたしも何かあの子の事信じられなくて
少し距離置こうって、大川さんには言ったんだよ。
一応チームの一員だから、話を聞かないとって思って聞いてたらほんとはこうでしょう~。
何か怖くなったよ~。どう思う?」

どう思う?はぁ??

少し前まであたしを責めてたのに?
怖いのはこっちだよ。

「距離を置く前にちゃんと確認取ってもらっていいかなぁ?
あたし、みんなの前でひどい言い方されたじゃない。
話も聞いてもらえなかったし。」

「ほんと、ごめんね~。
やっぱり、同じチームの方信じちゃうじゃない?
明日もう一度話聞いてみるね~。
でも、もう、あたしは信じてはないから。
小川ちゃんの事を信じるよ~。
じゃあ、お疲れ様~。」

そう言うと電話は切れた。。

モヤモヤした感じが残ったまま
誰にも話せず、その日は寝たのだが
なかなか寝つけず気づくと朝になっていた。
寝不足のまま、嫌だなぁと思いながらも
会社へ向かった。

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