太陽の失われし世界

きょう✩.*˚

入学編 1

2620年 6月1日 第一学院

今日は学院の入学式。第一は1番大きい学院という事もあり、強そうな人ばかりがいる。

「こんななか、勉強するのかぁ…」

そう思いながら門の中へ入ると、

「ねぇねぇ!あなた、長岡凛さんよね?」

見ると自分より一回り以上小さい女子が話しかけてきている。私の身長が149なので、かなり小さい。

「そうだけど…貴方は?」

「私の名前は小池鈴(こいけすず)!一応Aクラス3位なんだ!」

「トップ3なの?!凄い!」

と言うと、鈴は呆れたように、

「貴方はAクラス1位で特待生じゃない。そっちの方が凄い!」

と言う。

「そうかな…ありがとう!」

「そうそう。ねぇ、貴方のこと、凛って呼んでいい?あ、私の事は鈴って呼んで!」

「わ、分かった!ありがとう鈴!」

「どういたしまして!凛!」

友達も出来、なかなか良い学院生活が送れそうだ。


同年 同日 学院校長室

「で?」

「前々から言っている通りだ。君に教師として戻ってきて欲しい。」

「それなら前々から言っているはずじゃ。戻る気は無い。」

第一学院校長室。おばあちゃんと校長が対峙している。

「頼むよ。もう君しかいないんだ…」

「あの頃学院に居た5人の賢者はまだ生きているはずなんじゃが?私も含めてな。」

校長は困ったような顔で、

「…君以外全員行方不明だ。」 

「は?!あいつらが行方不明じゃと?!」

「驚くのも無理は無い。なんせ私も驚いているんだ。」

校長は言葉を続け、

「賢者が誰一人といなくなったおかげで、この学院の戦闘力はガクンと落ちた。」

「そこで、学院と生徒達を守るために、君の力を借りたいんだ。」

「やってくれないか?」

長岡風音。

そう言うと校長は俯く。それを聞き、おば…いや、風音は、

「生徒達を守るため。それなら手を貸してやろう。」

「もちろん、自己防衛の術も覚えて貰うがな。」

と言う。すると校長は、

「ありがとう。やっぱり、そういう所は風音君だよ。ところで、」

「その変な喋り方はなんだ?」

と聞かれ、風音は、

「なぁに。もう500年は生きとるんじゃ。口調がばばくさくもなるわ。」 

しかし、校長は、

「年相応の口調にしたらどうだ?その方が可愛いぞ?」

「今更そんな口調に変えられん。」

と雑に言い返す。風音は、

「わたしゃ入学式を見てくるよ。私の孫がいるんだ。」

「…孫?風音に孫なんていたのか?」

と聞かれ、風音はニヤッと笑い、

「居るよ。相当やばい才能を持ったな。」

と言い残し去っていく。

「…アリスか?」

学院生活。波乱万丈になる気がします。

Fin


コメント

コメントを書く

「学園」の人気作品

書籍化作品