太陽の失われし世界

きょう✩.*˚

入学試験 1

「この子の名前は、凛。神々の施しを受けたこの子を、凛と呼ぶわ…」



2620年 5月11日 東京

「はっ!」

また同じ夢。何故こんな夢を見るのだろう。

私の家族は私が赤ちゃんの頃に、もう殺されたというのに。

「大丈夫?凄い汗だったけど。」

この人は私を引き取ってくれた祖母。

祖母の顔を見て、少し心が安らぐ。

「大丈夫。またあの夢だから…」

「そうかい?なら良かった。」

この世界にはかつて太陽という物が存在していたらしい。

しかし、太陽はロキという人に盗まれた。

だから外はこんなに真っ暗らしい。

「凛。あなたも10歳になったんだ。
今日は試験の日だろう?」

「そうだね。でもおばあちゃんに歳のこと言われたくないなぁ。」

そう。おばあちゃんは伝説級能力(レジェンダリィ)なのだ。

ちなみに、おばあちゃんは白雪姫に

出てくる「魔女」の力を使える。

まず一定の歳から歳を取らない。

その歳とは10歳。だからおばあちゃんは

私と同じ歳なのだ。さらに、おばあちゃんの

能力は「必然の鏡」。おばあちゃんが鏡で

見たものは、全て起こりうる事象。

つまり、未来を見る能力だという。

しかし、この能力を行使するには、

魔力のこもった鏡が必要なのだが、

今はそれが無くなってしまい、

能力は使えないらしい。

ちなみに買うとウン十万らしい。

高い。凄く高い。

「ほれ、さっさと朝ごはん食べて行っといで」

「…受かると思う?」

おばあちゃんは笑顔でこう言う。

「大丈夫さぁ。500年生きとる私が言うんだから。安心しな。」

ここで私はふと思った事を口にする。

「あれ、500年って…」

おばあちゃんは言う。

「ほれ、さっさと食べんと遅刻するぞ。」

時計を見る。8時。試験は9時からだ。

「1時間しかないじゃん!」

おばあちゃんは清々しい笑顔で言う。

「雑談しとるからだ。」

「おばあちゃん!どうしよう、今からご飯食べて髪とかしてってやると遅刻する!」

おばあちゃんはまだ笑っている。

「しょうがない。送ってってやろう。」

「ありがとう!」

ちなみにおばあちゃんは「魔女」だから、

伝説級能力でも魔法は普通に使えるのだ。

チートだね!

ちなみに普通の伝説級は魔法使えません。

「ほれ、さっさとせんか。お前が入りたがってた学院じゃろ?」

「待って!あと3分待って!」

おばあちゃんは苦笑を浮かべてこう言う。

「全く。凛は神となっても変わらんなぁ。」

Fin

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