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神の玩具となった英雄の末路(仮名)

関 青葉

《家族》

「君は判断を間違えた」

………。

「君は弱いくせに苦行へと身を投げる」

…。

「黙りかい?君は弱いが馬鹿じゃない、だが考えるより先に動くことがある」

「黙れよ。」

「君は相変わらず残酷な程に冷徹だな
自分だって本当は皆を救いたいと思ってる癖にそれでも救いたい者に順位を付ける」

「黙れつってんだよクソ女…!」

「図星だからってそんなに怒るなよクソガキ     そうやって守りたい順位をつけて下から切っていって結局何も救えない非力で無能でどうしようも無いクズのクソガキ」

碧の手は女の首を強く絞める
しかし女は一切意に返さず更に皮肉を込めたニヤケヅラで碧を見下ろす

「そのムカつくツラをグチャグチャに…」

「…調子に乗るなよクソガキ」

碧の一言にムカついたのか女の表情は一瞬で冷酷なものへと変貌する。
瞬間、碧の身体は弾け飛んだ―





「碧…?大丈夫?うなされてたよ」

「…大丈夫。ちょっと嫌な夢を見ただけ」

草原……そうか、たしかコットの家に向かってる最中だったか。
何時から寝てた…?道。覚えたかったんだけどな。
確か街を出て直ぐに寝落ちたのか…?
何で……あぁそうだ少し疲れたから横になったんだ。
こっちに来てから補充が出来なかったから自然に溜まるのを待つしかなかったから、まだ少なかったんだな。
一体何に?
検問所……。

「ど……しま…う。」

「…付けて……のご命…だ」

…ノイズがひどい…。
検問所で聞いたはずだが上手く思い出せない。

「なぁ、コット。検問所で何かあったけ」

「ん?んー…そういえば珍しく止められたって事くらいかな
まぁ貴族様の息子が殺されたんだし警備が厳しいのは仕方ないよ」

なるほど。大した検査もなく通ったのはコットがあの街での信頼が厚かったという事か。
まぁその息子とやらは多分昨日僕が殺した奴で間違いないだろう。
余計な事しやがって…面倒事が増える。

「そっか、ありがとう。
で、コットの家はあとどれ位?」

「そうだねぇ、あと30分前後で着くよ」

となればもう目の前に見えている森の中か
起きてからはモンスターらしき姿も見てない。この辺は…治安が良い…と言うべきだろうか
軍人が管理してる?いや流石にそこまで暇でもないか?そうなるとファンタジーあるあるの冒険者なる存在が居るんだろうな

「森って…もっと魔物が沢山居るものだと思ってた」

リン、ナイスな質問だ

「まぁ普通はそうなんだけどこの辺は低レベルの魔物ばかりだから人前にはあまり出ないんだ、簡単に言えば臆病なだけだね」

よくある魔物が人を襲ったりするってのは無いのか、草食動物よろしく臆病な性格で人から身を隠す…のか。

「あぁ、見えてきたよ
アオイ、リン。あれが僕の家だ」

目に見えたのは街にあったコットの店とそう変わらない大きさの家
軽い屋敷と言っても過言ではないだろう
…?屋敷のそばの庭らしき場所で小さな女の子が2人ボールを使って遊んでいる

「あっ!お父さん!」

女の子の1人がこちらに気づいたのか大きな声を上げてこちらへ走りよってくる

「やぁミリア、ただいま。サーヤもただいま。」

2人の女の子はコットに引っ付いて嬉しそうに満面の笑みだ
―隣に居るリンも気づいたようだ。
ミリアとサーヤには獣人特有の耳がある
どちらも恐らく犬の耳だろうか?

「……話は家の中でしようか。
妻も中に居るはずだ」

無言で頷いた碧とリンはコットについて行き家の中へとあがる




「まず、気づいてると思うが。
私の奥さんは獣人だ。」

綺麗な女性だ。
だが体型や顔以上に頭の耳へ目が行く
間違いなく獣人だ
リンが酷く驚いているようだ
それもそのはずリンにとっては人間と獣人では分かり合える事はまずない
特にこの帝国では獣人は忌むべき存在なのだろう。
それなのにあろう事か人間と獣人が婚約しておりさらには子供まで居る
これは異例の事だろう。

「これが僕が街で暮らさない理由だ
これから一緒に住むことになる君たち2人には知っておいて貰おうと思ってね
大丈夫、妻の許可も既に取ってある。
娘達も君たち2人のような家族であれば喜んで受け入れてくれる
あとは君たちの問題なんだが

「問題ないよ!」

少し意外だった
リンが声を荒らげて食い気味に答えた
耳が軽く跳ねている
かなりこの光景が嬉しいようだ
救ってくれた恩人は獣人の女性を愛している人間だった
獣人への差別意識は無く優しい
リンが喜ぶのもよく分かる

「僕も問題ない、リンが安全に暮らせるなら何処でもいいと思ってたけどこんな好条件な場所他には無いよ」

自分と同じ意見を述べたのが嬉しいのかリンがキライラとした目でこちらを見つめてくる。
少し眩しい。

「良かった…。実は主人も少し心配してたんですよ   彼らは賛同してくれるだろうか  って」

コットの奥さんがクスクスと笑っている

「あっ!失礼しました。私の名前はアリシアです    アリシア・ヴァーヴです
アオイくん、リンちゃん!よろしくね!」

「よっ…よろしくお願いしますっ…!」

リンが緊張して少し言葉が詰まっている
それを見て3人はクスクスと笑っている
恥ずかしかったのか顔を赤らめるリン

「改めて…」



「いらっしゃい!アオイ、リンちゃん!
我が家へ!」

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