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神の玩具となった英雄の末路(仮名)

関 青葉

《こんにちは神官様》


「お口に合いませんでしたか?」

修道服のようなものを纏った少女が不安そうに聞く。

「いや、まぁ…うん。あんまり美味しくないね」

碧の素直な答えに少女はクスクスと笑う

「これでもこの街じゃ美味しい方なんですけどね
…所で本題なのですが、貴方は何者ですか?」

本当に唐突な話の切り替えだ。
おそらくこの少女は交渉術を知らない
…これは思ったより簡単だったかもしれないな。

「名前」

「え?」

「アンタの名前だよ、人に聞くなら自分から名乗らなきゃね」

ちょっと意地悪だった…?
まぁ豆鉄砲でも喰らった様な顔をしている
さっきの正直な答えに笑って返すのであればこの程度の意地悪も許容範囲だろうと踏んだが、頭が追いついてない感じか。

「あっ、あぁ…すみません。私ってこう見えても結構有名人だから、知ってるものかと。
えぇと、私はマリア・ヴェルフェルと申します
この街の教会のシスターでギフト持ちです」

ギフト持ち…軍人のおっさんもそんな事言ってたな。

「そもそも僕はギフトってもの自体がよく分かってないんだ、それはどう言ったものなの?」

「えっ?!あっ…失礼しました。
えぇギフトとは神々からの贈り物。
神と同等の力の事ですね、私のギフトは癒し
回復魔法自体は使える方は結構います
ただ、通常回復魔法っていうのはかすり傷などの軽い傷を癒したり痛みを抑えるための鎮痛剤の様なものです
ただ、私はギフトの力で無くなった部位などの再生、致命傷でも回復させることが出来て極端な話  お腹に大きな穴が出来てしまっても生きていれば治せます」

つまり蘇生は出来ない。
だが無くなった部位の再生は確かに異常だ。
即死以外は治癒圏内という訳だ。

「碧、来栖 碧
僕は旅をしててね、この街が近かったから通りかかった」

…。

…。

沈黙が続く

「えっ?それだけ?」

マリアは少し困惑したようにポカーンとしてる

「実際それしかないよ、あれは偶然巻き込まれただけだし
あ、歳は17  男  特技はこれといってない普通の男だよ」

「男だって点だけでも驚きですが…本当にそれだけですか…はぁ…まさか本当に偶然巻き込まれただけだなんて…」

顔に出やすいし声にも出るタイプだな
騙されやすい馬鹿な奴

「どうしかたの?」

「いえ…あなたを見た時とても怖かったんですが……気の所為だったみたいです。
なんだったんだろ…」

カンはそこそこいいらしい。
カンのいい馬鹿は厄介だな、しかもチート技能持ちときた。
仲間に引き込めず敵にまわられるとかなり厄介だ

「まぁ僕はそろそろ帰るよ、友達を待たせてるからね」

「あの」

まだ何かあるのか?

「何?」

「この料理、あんまり美味しくないって言いましたよね」

あ、実は怒ってた?

「つまり貴方はこれより美味しいものを知ってるんですよね?今度連れてってください!」

ただの食いしん坊か。

「いいですよ、ではまた今度。」

ちょろいな。




もう随分と空も暗くなった
優しい光がちらりと覗く扉を開ける
コットの店の扉だ

「!アオイ!心配したよ!リンちゃんが先に帰ってきてアオイは隠れてるって言ってたのに帰りがこんなに遅いから捕まっちゃったのかと。」

半分当たりだ

「半分当たり、でも僕を捕まえたのは軍人じゃなくてギフト持ちの女の子」

その言葉にコットはゾッとする
あのシスターに怖い所なんて無かったと思うが。

「ヴァルキリー…?冷酷の女騎士が来てたの?」

「ヴァルキリー?それは知らないけど修道服の少女」

「…よかった。あぁ、だからアオイの大怪我治ってるんだね。
リンちゃんがアオイが大怪我した!って騒いでたからさ」

ヴァルキリー…2人目のギフト持ちの事だろう。
戦乙女、なんとも戦闘特化してそうな異名だ事
絶対交戦したくないな。

「そのリンは?」

リンの姿は見当たらない。
帰ってろって命令をちゃんと守ってるはずだし流石に僕を探しに外に出てないとは思うけど…

「リンちゃんなら泣き疲れて寝ちゃったよ
いまは上の部屋でぐっすり」

「そっか…心配かけたな。」

明日、リンが起きたら謝ってお詫びに何か買ってやろう。

しかし…話してみて思ったがあの女…マリアに特にこれといったものは感じなかった。
少し異端の力を持ってるだけで、ほかの女の子たちと大して変わらない印象だった
親近感は湧くが面倒くさそうなタイプだ…

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