EX冒険者の成長記

光井ヒロト

依頼

合格発表まで一週間あるのでレイは久しぶり、というか初めてギルドで依頼を受けようとしていた。
「何にしようかな?」
「あれ?おーい!少年!久しぶりだな!」
「えっと確かあの時の冒険者さんですよね?」
「おう!5年ぶりか?あぁ、オレはフォンスだ。お前は…」
「レイ、レイです!!」
「そうかレイか!それで、ランクはどうなんだ?」
「えっとこれがカードです」
「な!!なに!!?!?…レイついてこい」
フォンスはレイを2階に連れて行った。奥の部屋に向かってノックしてから、中に向かって声をかけた。
「おーいギルマス!いるか?」
「あぁ、入れ」
どうやらギルマスの部屋だったらしい。ギルマスの返事でフォンスはドアを開けて中に入っていった。
「ん?なんだレイも一緒か。どうしたんだ?」
「レイがなんか受けようとしててな。でもコイツEXランクだろ?だからこっち来たんだよ」
「なるほど!だったらいいクエストがあるぞ!ダンジョンだ。今のところまだ25階層までしか分からないがまだ下はある」
「ダンジョンですか…行ってみます!ありがとうございます」
「おう!気おつけろよ!」
レイは部屋を飛び出していった。門を出た後飛行魔法でダンジョンがあるところまで飛んで行った。入口では、何人かの冒険者がパーティーを組んでいた。それを尻目に中に入っていく。中は薄暗く、じめじめしていた。10階層ごとにボスがいるらしい。10階層まではゴブリンやスライムなどの低ランクモンスターしか出てこない。あっさりとボス部屋に行くと、ゴブリンキングがいた。レイにとっては相手にならず上級魔法で1発だ。11階層から20まではコボルトやウルフなどの中級モンスターだ。これも難なくボス部屋までたどり着いた。今回のボスはワーウルフだった。今度は剣で威嚇される前に首を切った。30階層まではオークやオーガの強い部類に入るモンスターがいた。レイは作業のように屠っていく。ボスはキングオーガだった。毎度のごとく瞬殺だ。40階層までは虎の魔物や地竜だった。災害指定されている魔物だ。ボスはワイバーンだった。少し時間がかかったが普通に倒せた。まぁ時間がかかったといっても、数秒の差だが…50階層までは国の軍隊を持ってしても勝てないというドラゴンやキメラがいた。50階層のボスは伝説の龍エンシェントドラゴンだった。しかし、戦う前に降参してきた。レイの魔力の強さに怯えたらしい。すると、
《おめでとうございます。ダンジョンが制覇されました》
そのアナウンスが流れた後に
《スキル       神の裁き      》
という文字が表れた。
「なんだこれ?まぁ後で調べよう!」
隣の部屋にあった転移魔法陣でダンジョンを出た。それから飛行魔法で王都まで戻りギルマスに制覇したことを話した。
「なに?!?!制覇したか…分かった…」
レイはまたやってしまったのであった。

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