EX冒険者の成長記

光井ヒロト

事件

あれから時が経ち、教皇と聖女が来る一週間前になった。
「レイよ、王都までの護衛頼んだぞ!」
「お任せ下さい!」
レイとナミの二人で教国の境のグリンドに向かった。夕方には何とか着き、領主のナルガ・フォン・アイスマン・グリンドと夕飯を食べた。一週間後、教皇と聖女を乗せた馬車が王国内に入った。馬車の扉だけが開き、教皇と聖女は降りてこなかった。先ず一番位の高いナルガが挨拶をした。
「お初にお目にかかります。私、ナルガ・フォン・アイスマンと申します。以後お見知りおきを」
「初めまして、ナミ・フォン・ワンスです」
「初めまして、レイ・フォン・ザネリーです。護衛も兼ねております」
簡単な挨拶が済むと、扉が閉まり出発した。三人は馬車に乗り、領主邸へと向かった。道中、沿道では、領民たちが声援を送っている。領主邸に着くと馬車からシスターと教皇と聖女が降りて、中に入っていった。ナルガが夕餉ということで、呼びに行こうとしたが、護衛隊長に止められた。夕餉は中止になり、ナルガは気分を落としていた。次の日もう王都に出発するとのことになった。
「教皇様と聖女様と同じ馬車に乗れないでしょうか?」
「ダメだ!!!遠慮させてもらう!!!」
ナミが一緒の馬車に乗ろうと誘ったが護衛隊長に阻まれてしまった。
「何で一緒の馬車に載せてくれないのかなあ?」
「さぁね…」
出発してからレイはずっとサーチの魔法を使っていると何人かの人が引っかかった。
「護衛隊長殿。盗賊がいるかもしれません。注意しましょう」
「あぁ…」
森の横を通ったところで二十人程度の盗賊が現われた。レイはそれを一瞬で気絶させた。すると教皇と聖女を守る護衛隊が盗賊たちに止めをさし始めた。
「何やってるんですか?!?!」
「コイツらは危険だ故に止めをさした」
「な…」
レイは周りをよく見ると盗賊にしては上等の装備をしていた。
(盗賊にしては装備が良すぎる…そして、ここはこっちの国内なのに勝手に…教皇様と聖女様に近ずかせたく無いようだし…何か裏があるな!注意しよう)
それから魔物の襲撃が少しあったがレイが鎮圧した。途中、街によって一泊することになった。教皇が馬車から降りた瞬間目が合った。
(こちらに来いということか…)
それから夜になった。

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