EX冒険者の成長記

光井ヒロト

王国へ

「あの少年は一体何者なんだ…」
クレイはギルドマスターの指示によって少年を探しに来ていた。それから20~30分アバの森周辺を探すと、クレイは一つの小屋を見つけた。
「こんな森の奧に家があるとは…何か知っているか聞いてみよう!」
クレイは小屋のドアをノックした。すると中から返事が返ってきて、ドアが開いた。そこから顔を出したのは間違いなくあの少年だった。思わずクレイは
「君がさっき魔物を倒し奴だろう!一緒に来てくれないか!!」
少年は困惑した表情を浮かべて、
「ど、どうしたんですか?とりあえず中にどうぞ」
「あ、あぁ、すまない」
それからクレイは少年が危機を救ってくれたことを話し、もう一度来てけれないか、と頼んだ。少年は王都に憧れていたこともあってか快く快諾した。それからクレイと少年は一緒に王都へと向かった。道中、数体のウルフが襲ってきたが、少年は瞬殺した。
(やはりただ者じゃない)
クレイはそんなことを思いながら王都へと向かった。王都に入るとき少年が
「僕お金持ってないんですけど入れますか?」
と、困った顔で聞いてきた。それに対しクレイは
「大丈夫だ!俺にまかせておけ!!ちょっとまってろ」
そう言ってクレイはどこかへ走っていって
、すぐに帰ってきた。
「話はつけてきた。ギルドへ行くぞ!」
「ありがとうございます」
「おう!」
そんなやり取りをしながら門をくぐって行った。少年は王城やたくさんの建物が並ぶ道を見て、目を輝かせていた。
「これが王都か…大きい…」
「王都に来るのは初めてか?なら今度、案内してやるよ!」
「はい!ありがとうございます!!」
「まぁ先ず先にギルドへ行くぞ!」
「はい!」
二人はギルドに向かってあるいていった。「なんか、ざわついてますね」
それもそのはず少年の容姿は、整った顔立ちに銀髪、そして碧と蒼のオッドアイ。百人中百人がイケメンだと答えるぐらいの容姿だ。周りがザワつくのもしょうがない。それを悟ったクレイは、
「あ、あぁ。そうだな…」
と、言った。ギルドに着きクレイはカウンターにいる受付嬢に声をかけた。
「ギルマスはいるか?」
「はい、少々お待ちください」
そして受付嬢はどこかにいってしまった。数分後、受付嬢が、
「ギルドマスターがお会いになります。こちらへどうぞ」
そのままギルドマスターがいる部屋に連れて行ってもらった。
「お掛けください」
受付嬢はクレイと少年の前に紅茶をおいて出ていった。それからギルドマスターが入ってきて。
「おぉ、その少年が例の…はじめまして私がサイリア王国ギルドマスターのオッドだ。よろしくたのむ。さて君、名前を教えてくれないか?」
少年は少し困った表情をして、
「物心がついたときから森にいて名前がないんです」
「それは本当か?この国では、子どもを捨てることを禁止しているのだが…親の顔は覚えているか?」
「まぁはい、なんとなくですけど…」
「そうか…分かった。まぁ今はいい。これから王城にいくぞ?陛下からお前を連れてくるように言われてたのだ」
「い、今からですか?分かりました。ついていけばいいんですね?」
「あぁ、では行くぞ?」
「はい」
そうして、少年とギルドマスターは王城に向かった。

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