悪役令嬢はモブキャラになりたい
雨あがり
窓から差し込むあったかい朝日の光で目が覚めた。そして、なにやら私は何かを握って寝ていたみたいだ。その何かも私の手を握っている。そこでやっと目を開けた。
『え、わぁあ!』
変な叫び声が部屋に響きわたった。
だって、隣に…隣に…!
すっごいイケメンいるんだもん!
しかも寝顔。寝顔!可愛いしか言えない。
思わず、手で口をふさぐ。
精神年齢16歳には、天国のような展開だ。
「…ん…………。」
私が大きな声を出してしまったせいで、イアンが起きてしまったらしい。すごく申し訳ない。
手で目を擦ってゆっくり瞼を半分あけてこっちを見るイアン。
『ごめん、起こしちゃったよね…。』
するとイアンは、目をまん丸くして手で口を塞いで後ずさった。
私、変なことした?
『ど、どうしたの?』
「あ、あ、アリア……が……となりに…い、……る……。」
ああ、私がいることに絶望しているのね。
流石に、小学一年生でも女子と寝るのは思ってた以上に緊張したんだろう。
というか、私が嫌なんじゃ…。
『ごめん!すぐ出ていくから!』
急いでベッドを降りようとすると、手を引かれた。
グイッといきおいよく引かれてバランスを崩してベッドに倒れ込んでしまう。
少女漫画の主人公みたいに、華麗に倒れるのとは真逆で、なんかブフッと…なんというか…。
「そいういことじゃ…なくて…。あの…。」
やっぱり、私が嫌なんだろう…。
「あ、アリア!おはよう!」
急に大声で挨拶されて戸惑う。
嫌だから無理してるのかな?
『お、おはよう。部屋出て行った方がいいと思うし行くよ。』
ここは、速やかに退散しなければ。
「ちがうちがう!行かないで!ビックリしただけだから!」
な、なんだ…。
嫌いになられていたら、後々困るから。っていつのもあるけど、普通に悲しいし。
……あれ、王子と一緒に寝たって普通の公爵令嬢のすることじゃ…いや、公爵令嬢じゃなくてもそうそうないよね?
そういえば………。
変に関わった経歴があったら、それだけで巻き込まれそうだ。でもまあ、もし主人公のサラが転生者だったり転移者だった場合、私の存在は絶対に警戒される。
そうじゃなくても、この外見がそうさせようとする。
これから、むやみに関わるのはやめた方がいいかもしれない。
『………。』
時計の一定のリズムでカチカチとなる音と、外から聞こえる鳥のさえずりと、たまに吹く風の音だけが図書室内に聞こえる。
私の家より当然広い王宮の図書室は色んな本があって勉強になる。
私の家の図書室の本は読めるものはもうけっこう読んでしまった。だから、この際にいろんな書物を読んでおこうということだ。
少し目が疲れてきたので、伸びをしてから、窓を見た。
なんて穏やかなんだろう。図書室は1階で、窓からは庭園が見える。
そういえば、
『雨…やんでるな…。』
昨日の夜、あんだけゴロゴロザーザー降っていたのが嘘みたいに、雲ひとつない晴天だ。
地球は、雨が降ったあとはだいたい暑い猛暑になるのに、この世界では気温がすごく上がることは無く、とても快適な暖かさだ。
温暖化がないのかもしれない。
そもそも、この世界がどこにあるのか、どういう星なのかを知りたい。
正直、私は神様とかそこまで信じていなかったからこの世界のような神を信仰するところは、よく分からない。
今度、教会にでも行ってみようと思う。
そういえば、雨は降っていないんだしもう帰れると思うんだけど…。
私を追い出す気配が全くない。
私としては、早く帰って今後の作戦会議をしなきゃいけない。
小等学校は、上位貴族ばかりだからいろいろ大変そうだ。ここでしくじったらやばいと思ってる。
私のイメージだと、上位貴族は偉そうにしてて自分より下の身分の子をバカにしたり差別する印象がある。実際にそういう人はいるんだろう。アリアはもともとそういう性格だしね。
高等学校に入って、私が悪役令嬢として主人公のサラを援助するか。それとも、まったく関わりのないようにするか。
確か、アリアってサラに嫌がらせや怪我をさせたから追放されたんじゃ……。
追放…か…。
ここはあえて、冒険者とか騎士になるっていう選択肢もあるかも。そうすると、関わり方は変わってくるだろう。
それとも、私自身が乙女ゲームの世界だと意識せずに普通に学園生活をエンジョイするのもありだ。
それか…主人公の手助けをする取り巻きになるか。
『うん…そうしよう。』
「何が?」
『え?』
振り向くとイアンがいた。なんでここにいるんだろう。
『え、えっと…ごきげんよう、イアン王子。』
「……なんでそんなに改まるの?」
『え、いや…んーーもう!』
『イアンこそなんでここにいるの!?』
「アリアどこだろうなと思って探しに来たの。で、さっきのひとりごとどうしたの?
なんか悩み事があるなら聞くよ?」
あぁ、この王子様は絶対絶対モテるんだろうなと思った。
『えっと、今後のこと?みたいなのを考えていただけです。』
「…?   アリアって突然大人みたいなこと言うよね。」
そりゃ、中身は高校生だからね。
んー。もしかしたら、イアンには私が前世の記憶を持ってる事とか全部話した方がいいかもしれない。
言うにしても、今じゃなくてもうちょっと先になるよね。
『それは、褒めてもらってるの?』
「うん。褒めてるよ。」
『ありがとうございます。』
イアンもそこそこ大人っぽいと思うのは気のせいかな…?
『ところで、私を探してたのはどうして?』
「あ、そういえばそうだった。あのね…………」
『え、わぁあ!』
変な叫び声が部屋に響きわたった。
だって、隣に…隣に…!
すっごいイケメンいるんだもん!
しかも寝顔。寝顔!可愛いしか言えない。
思わず、手で口をふさぐ。
精神年齢16歳には、天国のような展開だ。
「…ん…………。」
私が大きな声を出してしまったせいで、イアンが起きてしまったらしい。すごく申し訳ない。
手で目を擦ってゆっくり瞼を半分あけてこっちを見るイアン。
『ごめん、起こしちゃったよね…。』
するとイアンは、目をまん丸くして手で口を塞いで後ずさった。
私、変なことした?
『ど、どうしたの?』
「あ、あ、アリア……が……となりに…い、……る……。」
ああ、私がいることに絶望しているのね。
流石に、小学一年生でも女子と寝るのは思ってた以上に緊張したんだろう。
というか、私が嫌なんじゃ…。
『ごめん!すぐ出ていくから!』
急いでベッドを降りようとすると、手を引かれた。
グイッといきおいよく引かれてバランスを崩してベッドに倒れ込んでしまう。
少女漫画の主人公みたいに、華麗に倒れるのとは真逆で、なんかブフッと…なんというか…。
「そいういことじゃ…なくて…。あの…。」
やっぱり、私が嫌なんだろう…。
「あ、アリア!おはよう!」
急に大声で挨拶されて戸惑う。
嫌だから無理してるのかな?
『お、おはよう。部屋出て行った方がいいと思うし行くよ。』
ここは、速やかに退散しなければ。
「ちがうちがう!行かないで!ビックリしただけだから!」
な、なんだ…。
嫌いになられていたら、後々困るから。っていつのもあるけど、普通に悲しいし。
……あれ、王子と一緒に寝たって普通の公爵令嬢のすることじゃ…いや、公爵令嬢じゃなくてもそうそうないよね?
そういえば………。
変に関わった経歴があったら、それだけで巻き込まれそうだ。でもまあ、もし主人公のサラが転生者だったり転移者だった場合、私の存在は絶対に警戒される。
そうじゃなくても、この外見がそうさせようとする。
これから、むやみに関わるのはやめた方がいいかもしれない。
『………。』
時計の一定のリズムでカチカチとなる音と、外から聞こえる鳥のさえずりと、たまに吹く風の音だけが図書室内に聞こえる。
私の家より当然広い王宮の図書室は色んな本があって勉強になる。
私の家の図書室の本は読めるものはもうけっこう読んでしまった。だから、この際にいろんな書物を読んでおこうということだ。
少し目が疲れてきたので、伸びをしてから、窓を見た。
なんて穏やかなんだろう。図書室は1階で、窓からは庭園が見える。
そういえば、
『雨…やんでるな…。』
昨日の夜、あんだけゴロゴロザーザー降っていたのが嘘みたいに、雲ひとつない晴天だ。
地球は、雨が降ったあとはだいたい暑い猛暑になるのに、この世界では気温がすごく上がることは無く、とても快適な暖かさだ。
温暖化がないのかもしれない。
そもそも、この世界がどこにあるのか、どういう星なのかを知りたい。
正直、私は神様とかそこまで信じていなかったからこの世界のような神を信仰するところは、よく分からない。
今度、教会にでも行ってみようと思う。
そういえば、雨は降っていないんだしもう帰れると思うんだけど…。
私を追い出す気配が全くない。
私としては、早く帰って今後の作戦会議をしなきゃいけない。
小等学校は、上位貴族ばかりだからいろいろ大変そうだ。ここでしくじったらやばいと思ってる。
私のイメージだと、上位貴族は偉そうにしてて自分より下の身分の子をバカにしたり差別する印象がある。実際にそういう人はいるんだろう。アリアはもともとそういう性格だしね。
高等学校に入って、私が悪役令嬢として主人公のサラを援助するか。それとも、まったく関わりのないようにするか。
確か、アリアってサラに嫌がらせや怪我をさせたから追放されたんじゃ……。
追放…か…。
ここはあえて、冒険者とか騎士になるっていう選択肢もあるかも。そうすると、関わり方は変わってくるだろう。
それとも、私自身が乙女ゲームの世界だと意識せずに普通に学園生活をエンジョイするのもありだ。
それか…主人公の手助けをする取り巻きになるか。
『うん…そうしよう。』
「何が?」
『え?』
振り向くとイアンがいた。なんでここにいるんだろう。
『え、えっと…ごきげんよう、イアン王子。』
「……なんでそんなに改まるの?」
『え、いや…んーーもう!』
『イアンこそなんでここにいるの!?』
「アリアどこだろうなと思って探しに来たの。で、さっきのひとりごとどうしたの?
なんか悩み事があるなら聞くよ?」
あぁ、この王子様は絶対絶対モテるんだろうなと思った。
『えっと、今後のこと?みたいなのを考えていただけです。』
「…?   アリアって突然大人みたいなこと言うよね。」
そりゃ、中身は高校生だからね。
んー。もしかしたら、イアンには私が前世の記憶を持ってる事とか全部話した方がいいかもしれない。
言うにしても、今じゃなくてもうちょっと先になるよね。
『それは、褒めてもらってるの?』
「うん。褒めてるよ。」
『ありがとうございます。』
イアンもそこそこ大人っぽいと思うのは気のせいかな…?
『ところで、私を探してたのはどうして?』
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