悪役令嬢はモブキャラになりたい
勉強会?①
(久しぶりだ〜。)
王宮を見上げる。
王宮に着いてとりあえず王様に渡す物があると言ったら執事さんが「渡しておきます。」といって気を使ってくれた。
「ちょっと雲行きが怪しいから今回は庭園じゃなくてお部屋の方がいいわね。」
そう言われて空を見上げると黒い重そうな雲が広がっていた。今にも降りそう。
『そうですね。』
王宮の入口までの庭を歩いているとさっきの執事さんの声がした。
「王様がアリア様とイアン様をお呼びです。」
さっき私が手紙を渡して王室に行ったはずなのにもう戻ってきていた。早い…。
『王様が?なんだろう………。』
「気にする事はないわよ。」
いや、普通は気にするの!
王様に呼ばれるとか何事かと思うじゃない!それに今回が初対面だし(たぶん)。
「偏見ではないので普通にしてればいいですよ。」
私が緊張していることにきずいてくれたみたいで、執事さんが安心させるように言ってくれた。
王室の執事は完璧だ!
執事さんが大きなドアをノックすると王様の「入って良いぞ。」という声がした。
中は左の方に執務?をするための机と椅子があり、入って目の前のところには机を挟んでソファが置いてある。
私のお父様の執務室もこんな感じ。
王様はソファに座ってお茶を飲んでいた。
「アリアちゃんよく来てくれたね。前回は仕事で顔を見せることができなかったからこれが初めましてだ。」
思ったより、穏やかな人だ。
それに今は父親の顔をしてる。
どうりでこんなイケメンくんが産まれてくるわけだ。
『初めまして。国王陛下。』
おじぎをする。
「そんなに堅苦しくなくていいよ。今はイアンの父親として友達のアリアちゃんと話しているんだ。普通に接してくれてかまわない。」
優しく笑う国王はやっぱり国民の象徴だなと思った。
「お父様、なんのごようですか。」
イアンが話しかける。
そういえば、呼ばれたんだよね。
「ああ、
実はアリアちゃんに王宮に1週間暮らしてもらおうと思う。」
『……………え?…。』
「お、お父さん?」
イアンも驚いている様子だった。しかも、お父さん呼びになってるし。
「まあ驚くだろう。実はな、この先の天候がどうも危ないのだ。」
険しい顔になる王。
『それは……どういう……。』
「実はだな、ついさっき天気予報でこの先1週間、嵐になると予測されたんだよ。」
(て、天気予報!?)
この世界って魔法の世界じゃないのか?
もしかして魔法も科学もある最強の…………なわけないか。だって乙女ゲームの世界だし。
『天気予報とは何ですか?』
ここは素直に聞いてみることにした。
「ああ、天気予報とは特殊な魔法具でこの先の天候を予知するんだよ。」
(特殊な魔法具…)
魔法って最強だ。
『ふえーすごい…。』
「それで、この先1週間の天気予報が嵐だったんだ。」
1週間も嵐になるってことは最低でも王都に住んでる人は大変だよね。
でも今からならうちの家近いし大丈夫だと思うけど。
『それなら、今から帰れば大丈夫だと思います。』
こっちの方がいいだろう。1週間も公爵令嬢を置いとくのも使用人の手間が増えるだけだし、ここには主人公のサラが立っていた方が理想的だし。私と王様の仲まで深めちゃうとのちのち面倒くさそうだし。
「アリア、僕との約束は………。」
イアンが子犬のような感じでしょぼんとする。
(か、かわいい…じゃなくて、そういえばこのあとお茶する約束だった。)
『あ、そうですよね。』
「いや、アリアも家族に会えないのは寂しいだろうから約束は今度で…いい……よ……。」
もっとしょぼんとするイアン。正直、そんな感じで言われたら王宮にいたくなっちゃう。
「いまからか……。いや、もう雨が降っているようだ。」
王様が窓を眺めて言う。つられて私も窓を見ると確かにさっきより外が暗いし雨が降っているようだった。
『…………い、1週間お世話になります。』
と言うしかないだろう。イアンのその顔と外の様子が私に王宮にいろと言っているみたいだ。
急にイアンの顔が明るくなった。
天使みたい。
「アリア!いいの?じゃなくて、お家に帰った方が………。」
『大丈夫。イアンとの約束も守らなくちゃいけないしね。』
「…………うん!」
イアンの顔がぱあっと明るくなって優しくて可愛い笑みを浮かべた。
(天使だ……。)
「そういう事だからセバスチャン、アリアちゃんの部屋を用意してくれ。」
「かしこまりました。」
さっき、私のこと安心させてくれた執事さんだ。白髪で髭も白いおじいさんみたいな感じだけど、すごく優しそうで賢そう。
ていうか、多分執事長なんじゃないのかな。
「確かこの後2人でお茶をするんだろう。それなら2人で予習でもしたらどうだ?入学したが、1週間は学校行けなくなると思うからな。」
「たしかに…。アリア、僕の部屋で勉強しない?」
なんだろう……頭に耳とお尻から尻尾がブンブン揺れてるように見える……。
勉強か……。まあ、どうせ1週間王宮でやることもないだろうし予習して損はないかな。抜き打ちテストとか意外とあるそうだし。
『いいよ。』
勉強やるからにはちゃんとしなきゃ!文字とか!……………いや、待てよ…。小さい頃散々本読んだから読むのはできるし、もしかして算数とかは地球の小学一年生と同じなんじゃ………。
「アリア、すごい。頭いいんだね!」
『あ、アハハハハハ……ハ。』
案の定、小学生レベルだった…。やっぱ、そうだよね。前世はいちよう高校1年生まで生きてたから高1までは最強かもしれない。
『イアンもすごいよ。』
とは言ってもイアンも充分できてるし、高一になったら私より頭良かったりして…。
「ありがとう。実は家庭教師を少しの間だけつけていたんだ。」
「へへへっ。」と照れくさそうにイアンが笑った。
『へぇ〜そうだったんだね。もしかして、実技の方も?』
「うん、剣を習ってたよ。学校始まるからもうやめたけどね。」
(お、おぅ……)
そういえば、学校の授業は多分、実技もある。と、いうことは魔法を練習しなきゃいけない。
小さい頃、図書室にこっそり通ってたときに、魔法のことはまあまあ読んだけど、実際に使ったことはない。
確か、属性があるらしい。
(私は何属性なんだろう?無属性だったら泣くな………。)
そもそも、ステータス画面とか開くことはできるのだろうか?いや、ここは乙女ゲームの世界だから欲張りすぎか。
「どうしたの?そんな難しい顔して。」
『えっ、なんでもないよ。私も魔法とか頑張んなきゃな〜って。』
「あー、魔法か〜………。アリアは自分の属性知ってる?」
あ、イアンももう結構魔法について詳しいのかな?
『まだ分からないよ。』
もしかして、イアンは剣技習ってるときに魔法もちょっとやったのかもしれない。
だとしたら、属性なんだろう?
「そっか。僕の属性は、風属性なんだ。」
(ふぇー)
風ってなんかカッコイイイメージあるから王子らしいな。
『なんか、合う!』
「えへへ、そんな事はないよ。」
(かわよ〜!)
相変わらず、笑顔が天使だ。
「でも、秘密にして欲しいんだ。」
どうしてだろう。別に風属性なんて街の中を探せば意外といると思うし、秘密にする必要ないと思うけど。
『どうして?』
すごく言いにくそうな顔をするイアン。
「実は僕、属性が風だとわかった日、ためしに魔法をうってみたんだ。そしたら………。」
『そしたら?』
(なんだろ?すごい気になる!)
「そしたら、Aランク級のをうっちゃって、家の庭の半分を壊しちゃったんだ…。」
「アハハ」と苦笑いしながら話すイアン。
(まさかの王子チートだった?)
ちょっと怖くなってきた。子供でAランク級うてるってすごいことだよね、たぶん。さすが王子様だわ。
で、それで秘密にして欲しいんだ。
『なるほど。なんか、イアン凄いね!』
子供でAランク級うてるって周りに知られたら、イアンを誘拐しようとしたり、暗殺しようとする人が出てくるかもしれないからということだ。いちよう、王位継承権2位だしね。
(え、まてよ)
王位継承権2位だから1位はお兄ちゃんだよね。なら、イアンのお兄ちゃんってどんな人なんだろう。
予想だと…………まあ、イアンがそのまま育ったような感じかな?
さぞかし、モテるんだろうな〜。
「絶対秘密だからね!?僕の家の人は多分みんな知ってるけどそれ以外の人にはあまりバラしたくないんだ。」
なら、なぜ私に言ったんだイアンよ。
そんなにアリアって信頼できるか?仮にも悪役だよ。
『はい、秘密ですね。でも、将来きっと王国には心強いと思うな!』
イアンの顔が急に赤面した。
なにを照れているのかまったく読めない。でもこれだけは言える。
(可愛い…)
王宮を見上げる。
王宮に着いてとりあえず王様に渡す物があると言ったら執事さんが「渡しておきます。」といって気を使ってくれた。
「ちょっと雲行きが怪しいから今回は庭園じゃなくてお部屋の方がいいわね。」
そう言われて空を見上げると黒い重そうな雲が広がっていた。今にも降りそう。
『そうですね。』
王宮の入口までの庭を歩いているとさっきの執事さんの声がした。
「王様がアリア様とイアン様をお呼びです。」
さっき私が手紙を渡して王室に行ったはずなのにもう戻ってきていた。早い…。
『王様が?なんだろう………。』
「気にする事はないわよ。」
いや、普通は気にするの!
王様に呼ばれるとか何事かと思うじゃない!それに今回が初対面だし(たぶん)。
「偏見ではないので普通にしてればいいですよ。」
私が緊張していることにきずいてくれたみたいで、執事さんが安心させるように言ってくれた。
王室の執事は完璧だ!
執事さんが大きなドアをノックすると王様の「入って良いぞ。」という声がした。
中は左の方に執務?をするための机と椅子があり、入って目の前のところには机を挟んでソファが置いてある。
私のお父様の執務室もこんな感じ。
王様はソファに座ってお茶を飲んでいた。
「アリアちゃんよく来てくれたね。前回は仕事で顔を見せることができなかったからこれが初めましてだ。」
思ったより、穏やかな人だ。
それに今は父親の顔をしてる。
どうりでこんなイケメンくんが産まれてくるわけだ。
『初めまして。国王陛下。』
おじぎをする。
「そんなに堅苦しくなくていいよ。今はイアンの父親として友達のアリアちゃんと話しているんだ。普通に接してくれてかまわない。」
優しく笑う国王はやっぱり国民の象徴だなと思った。
「お父様、なんのごようですか。」
イアンが話しかける。
そういえば、呼ばれたんだよね。
「ああ、
実はアリアちゃんに王宮に1週間暮らしてもらおうと思う。」
『……………え?…。』
「お、お父さん?」
イアンも驚いている様子だった。しかも、お父さん呼びになってるし。
「まあ驚くだろう。実はな、この先の天候がどうも危ないのだ。」
険しい顔になる王。
『それは……どういう……。』
「実はだな、ついさっき天気予報でこの先1週間、嵐になると予測されたんだよ。」
(て、天気予報!?)
この世界って魔法の世界じゃないのか?
もしかして魔法も科学もある最強の…………なわけないか。だって乙女ゲームの世界だし。
『天気予報とは何ですか?』
ここは素直に聞いてみることにした。
「ああ、天気予報とは特殊な魔法具でこの先の天候を予知するんだよ。」
(特殊な魔法具…)
魔法って最強だ。
『ふえーすごい…。』
「それで、この先1週間の天気予報が嵐だったんだ。」
1週間も嵐になるってことは最低でも王都に住んでる人は大変だよね。
でも今からならうちの家近いし大丈夫だと思うけど。
『それなら、今から帰れば大丈夫だと思います。』
こっちの方がいいだろう。1週間も公爵令嬢を置いとくのも使用人の手間が増えるだけだし、ここには主人公のサラが立っていた方が理想的だし。私と王様の仲まで深めちゃうとのちのち面倒くさそうだし。
「アリア、僕との約束は………。」
イアンが子犬のような感じでしょぼんとする。
(か、かわいい…じゃなくて、そういえばこのあとお茶する約束だった。)
『あ、そうですよね。』
「いや、アリアも家族に会えないのは寂しいだろうから約束は今度で…いい……よ……。」
もっとしょぼんとするイアン。正直、そんな感じで言われたら王宮にいたくなっちゃう。
「いまからか……。いや、もう雨が降っているようだ。」
王様が窓を眺めて言う。つられて私も窓を見ると確かにさっきより外が暗いし雨が降っているようだった。
『…………い、1週間お世話になります。』
と言うしかないだろう。イアンのその顔と外の様子が私に王宮にいろと言っているみたいだ。
急にイアンの顔が明るくなった。
天使みたい。
「アリア!いいの?じゃなくて、お家に帰った方が………。」
『大丈夫。イアンとの約束も守らなくちゃいけないしね。』
「…………うん!」
イアンの顔がぱあっと明るくなって優しくて可愛い笑みを浮かべた。
(天使だ……。)
「そういう事だからセバスチャン、アリアちゃんの部屋を用意してくれ。」
「かしこまりました。」
さっき、私のこと安心させてくれた執事さんだ。白髪で髭も白いおじいさんみたいな感じだけど、すごく優しそうで賢そう。
ていうか、多分執事長なんじゃないのかな。
「確かこの後2人でお茶をするんだろう。それなら2人で予習でもしたらどうだ?入学したが、1週間は学校行けなくなると思うからな。」
「たしかに…。アリア、僕の部屋で勉強しない?」
なんだろう……頭に耳とお尻から尻尾がブンブン揺れてるように見える……。
勉強か……。まあ、どうせ1週間王宮でやることもないだろうし予習して損はないかな。抜き打ちテストとか意外とあるそうだし。
『いいよ。』
勉強やるからにはちゃんとしなきゃ!文字とか!……………いや、待てよ…。小さい頃散々本読んだから読むのはできるし、もしかして算数とかは地球の小学一年生と同じなんじゃ………。
「アリア、すごい。頭いいんだね!」
『あ、アハハハハハ……ハ。』
案の定、小学生レベルだった…。やっぱ、そうだよね。前世はいちよう高校1年生まで生きてたから高1までは最強かもしれない。
『イアンもすごいよ。』
とは言ってもイアンも充分できてるし、高一になったら私より頭良かったりして…。
「ありがとう。実は家庭教師を少しの間だけつけていたんだ。」
「へへへっ。」と照れくさそうにイアンが笑った。
『へぇ〜そうだったんだね。もしかして、実技の方も?』
「うん、剣を習ってたよ。学校始まるからもうやめたけどね。」
(お、おぅ……)
そういえば、学校の授業は多分、実技もある。と、いうことは魔法を練習しなきゃいけない。
小さい頃、図書室にこっそり通ってたときに、魔法のことはまあまあ読んだけど、実際に使ったことはない。
確か、属性があるらしい。
(私は何属性なんだろう?無属性だったら泣くな………。)
そもそも、ステータス画面とか開くことはできるのだろうか?いや、ここは乙女ゲームの世界だから欲張りすぎか。
「どうしたの?そんな難しい顔して。」
『えっ、なんでもないよ。私も魔法とか頑張んなきゃな〜って。』
「あー、魔法か〜………。アリアは自分の属性知ってる?」
あ、イアンももう結構魔法について詳しいのかな?
『まだ分からないよ。』
もしかして、イアンは剣技習ってるときに魔法もちょっとやったのかもしれない。
だとしたら、属性なんだろう?
「そっか。僕の属性は、風属性なんだ。」
(ふぇー)
風ってなんかカッコイイイメージあるから王子らしいな。
『なんか、合う!』
「えへへ、そんな事はないよ。」
(かわよ〜!)
相変わらず、笑顔が天使だ。
「でも、秘密にして欲しいんだ。」
どうしてだろう。別に風属性なんて街の中を探せば意外といると思うし、秘密にする必要ないと思うけど。
『どうして?』
すごく言いにくそうな顔をするイアン。
「実は僕、属性が風だとわかった日、ためしに魔法をうってみたんだ。そしたら………。」
『そしたら?』
(なんだろ?すごい気になる!)
「そしたら、Aランク級のをうっちゃって、家の庭の半分を壊しちゃったんだ…。」
「アハハ」と苦笑いしながら話すイアン。
(まさかの王子チートだった?)
ちょっと怖くなってきた。子供でAランク級うてるってすごいことだよね、たぶん。さすが王子様だわ。
で、それで秘密にして欲しいんだ。
『なるほど。なんか、イアン凄いね!』
子供でAランク級うてるって周りに知られたら、イアンを誘拐しようとしたり、暗殺しようとする人が出てくるかもしれないからということだ。いちよう、王位継承権2位だしね。
(え、まてよ)
王位継承権2位だから1位はお兄ちゃんだよね。なら、イアンのお兄ちゃんってどんな人なんだろう。
予想だと…………まあ、イアンがそのまま育ったような感じかな?
さぞかし、モテるんだろうな〜。
「絶対秘密だからね!?僕の家の人は多分みんな知ってるけどそれ以外の人にはあまりバラしたくないんだ。」
なら、なぜ私に言ったんだイアンよ。
そんなにアリアって信頼できるか?仮にも悪役だよ。
『はい、秘密ですね。でも、将来きっと王国には心強いと思うな!』
イアンの顔が急に赤面した。
なにを照れているのかまったく読めない。でもこれだけは言える。
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