絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0263★飛翔族の翼には祈願成就という《力》があるようです
白夜は、厭な感覚を溜め込むのを嫌って、思い切ってソレを言う。
「父上……実は…転生する前に その……すごく厭な
ある噂話しを…私は聞いたんです………」
「厭な噂話しか?」
「はい それを唐突に思い出しちゃって ちょっと……いや
ものすごぉ~く 気持ち悪くなってしまったんです」
白夜の告白に、神護は首を傾げてから、ちょっと詰めろと、手振りで合図しながら話しを促くす。
「厭な噂話しかぁ~………どんなモンだったんだ?
ああ、俺もお湯を浴びるから…少しそっちに詰めろ……
流石に、ちょっとが汗冷えしてきたんでな
あとは、自分でできるな、白夜
………んで、お前がそんだけ顔色を悪くする噂話しって
どんな内容のモンだったんだ?」
水樽のお湯の温度が下がったので、もう一度鉄の棒を熱くして温くなったお湯の中へと浸ける。
水樽の三分の一ほどに減ったぬるま湯は、先刻より少し高い温度のお湯になっていた。
それを浴びながら、神護は白夜の話す言葉に耳を傾ける。
ちなみに、馬達様の飲み水を入れる大きな水桶には、白夜が浴びたぬるま湯がちゃ~んと足元に溜まっていたりする。
残念なコトに、現在石鹸はまだ見付けていない為、使用していないので、そのまま馬達の飲み水に流用する予定の神護である。
また、もしもの時には、体内で眠る【ルシフェル】から、虫系にだけ効く、殺虫剤や防虫剤のようなモノを精製して塗布するつもりだったコトを追記しておく。
神護は白夜の翼が綺麗なコトを確認し、自分の身体を軽く洗い流しながら、その話しを聞いていた。
白夜も、神護がちゃんと自分の話しを聞いてくれているコトを確認し、ちょっと目を瞑ってから思い切って言う。
「私達飛翔族は 生まれながらに 《力》の大小はありますが
人の希望を叶える《力》が備わっているんです」
白夜の話しを聞きながら、神護は考える。
ああ確か、ホタルもそんなコトを言ってたな
白夜も、何度かソレらしいことをチラチラと言っていたし
俺の中の封じた知識にも、何か引っ掛かるから………
たぶん、白夜が今言った希望を叶える《力》に関するモノだろう
「ふぅ~ん……ってぇーとぉ…この馬車も馬達も、お前のお陰ってことか
だから、あそこで俺に欲しいモノが来たのか?」
何の気なしに聞く神護に、白夜はコクッと頷いた。
「はい 大きな願いには ソレに応じた代償が必要ですが………
ちょっと人よりも運が良い って言葉で済む程度の小さな願いごとは
案外簡単に叶えることができるんです
ただ それも相手に好意を持っていればですけどね
無関係な人や嫌っている人の願い事には反応しません
そして その願い事を叶える特殊な《力》 祈願成就の《力》は
白い翼にあると言われています それも大きく美しいほど強いと」
神護は、丁寧な口調で言う白夜の言葉を聞きながら、お湯で全身の身繕いをたったと終わらせる。
いや、白夜にしろ神護にしろ、毎日毎日、身体を清浄にする魔術を使っていた為、実際には汚れらしい汚れは存在していないので、足元に溜まっているお湯は綺麗だったりする。
それでも、日本人としての習慣として、神護はお風呂に入りたいのだ。
勿論、節約志向の神護だけに、水を大切に………という方向でだが。
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