絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0235★無事、馬車を3台も購入できました


 今の小さな白夜には、両手いっぱいに抱えなければならないほど、かなり大きな鳥籠だったが、幻獣【カーバンクル】の雛という稀少な存在に、白夜は興味津々になる。

 「はい 父上 とても可愛いですぅ
  でも1羽だけじゃ寂しいでしょうから 早く仲間を探したいですね」

 自分と同じ、ただひとりの状態で、鳥籠の中で震えている幼い【カーバンクル】の雛を見て、白夜は自分と一緒だと、いたく同情したのは間違いない事実だった。
 そんな白夜の様子に気付くことも無く、神護はやっと手に入った馬車と馬を確認する為に、アデル達が置いていった3台の馬車へと向かった。

 「さぁ~て、都合よく馬と馬車が手に入ったからな
  とりあえず、俺達も馬車に乗って街道に向かうか?

  どうやら、街道はあっちの方で良いようだからな
  残してもらった肉は、このまま馬車に乗せるか?
  いや、とりあえず、巾着袋にでも収納するか、運ぶの面倒だし

  アデル達のキャラバン隊のおこす土煙を追えば
  街道まで道案内してくれそうだから、さっそく出発しようぜ

  もともと俺達も、白夜の弟・グレンを取り返す為に
  彩湖さいこ王国の東の端にある美里みさと街に
  行くつもりだったから、好都合だな」

 神護のセリフに、白夜はにこっと笑って頷く。

 「はい 父上 なんとしても グレンを取り戻したいです

  それに たしか彩湖さいこ王国の東の端にある美里みさと街は
  魚を使った郷土料理が美味しいと とても有名なのですよ
  すごく 楽しみです」

 白夜の素直な反応に、神護も少しだけクスッと笑う。

 「そうだな……そんじゃ、俺は残った肉を収納しちまうから
  お前は、鳥籠に入ってる幻獣【カーバンクル】の雛を連れて
  このリオウと一緒に、馬車に乗って居てくれ

  馬車に乗ったら、まずは街道に向かおう
  そして、彩湖さいこ王国の東の端にある美里みさと街に行こう」

 そう言いながら、大商人らしいアデル達が置いて行った3台の馬車へと足を運ぶ。

 うわぁ~…この馬車ってば、近付くと結構デケェ~のがわかるわ
 その上で、みるからに質実剛健っぽいところが良いな
 ふ~ん、この大きい馬車を引かせるだけあって馬の方もかなりデカイな

 神護は、1番手前にある馬車の御者台に、とりあえず【カーバンクル】の雛が入った鳥籠を抱えた白夜を乗せる。



 と、神護の話しをちゃ~んと聞いていたリオウは、少し離れた位置で、指示が出るのを待つ。

 神護は、とりあえず白夜と【カーバンクル】の雛入り鳥籠を御者台に乗せてから、急いで馬車………特に馬具の安全確認を始める。
 馬車に繋がれている馬達の状態と、馬具の状態、双方を確認をしながら、白夜に言う。

 「すぐに、出発の準備をするから、少しだけ待っていてくれ…リオウ」

 神護に呼ばれ、おとなしく少し離れた位置で待機していたリオウは、いそいそと馬車の側に来る。
 が、馬達はリオウの存在を、綺麗に無視して、微動だにもしなかった。
 その様子を確認しつつ、リオウの頭を撫でて言う。
 
 「良い子だなリオウ、白夜の隣りに座って待っていてくれ」

 神護にそう言われたリオウは、グルルっと喉を鳴らして、ひょいっと御者台へと乗る。
 大きくゴツイ馬車なので、リオウが乗ってもキシリとも言わなかった。

 白夜の隣りにリオウを配置したことで安心した神護は、大急ぎで残してもらった虹色オオトカゲの肉を、巾着袋の中へと入れる。
 全部、入れ終わった神護は、馬車に戻り、残りの馬車と馬達のバテ具合を確認する。
 そのついでに、馬の装身具の確認もしたことは言うまでもない。









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