絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~

ブラックベリィ

0223★切実に、商人のキャラバン隊が来て欲しい

 とりあえず、コイツの皮を全部剥いで、内臓を取り出したたら
 骨と枝肉にして……一部は蒸して薄切りした上で、乾燥させよう
 そうすれば、美味しいジャーキーもどきができそうだし

 まぁ~幸いなことに、ここはこのサバンナの帯だからな
 干し肉やジャーキーもどきを作るのに、わりと適している

 最適な砂漠じゃねぇーけど、空気の乾燥したサバンナだから
 干し肉を作るのにはそこそこ適しているし、移動も面倒だ

 それに、見たところ今は雨季じゃなくて乾季っぽいから平気だろう
 グダグダとクダを巻いても、何の意味もねぇー…しゃーねぇーや

 今日、白夜と一緒に食べる分と、リオウにあげる内臓以外は
 全部干すしかねぇーな、もったいないことはしたくねぇーからな

 腕輪や巾着袋に、虹色オオトカゲの肉を、生の状態で入れるのは
 ちょっと…いや、かなりイヤだ…気分的なモノだけど、イヤだな

 あぁ~…マジで、大きな旅商人のキャラバン隊が来てくれて
 この肉の半分くらいでも、売れたら良いのになぁ~……
 いや、残り肉……半分でもかなり多いけどさ…はぁ~……

 そんなことを考えながら、神護は白夜とリオウの側へといったん戻る。
 張った《守護結界》は、なんなく神護を受けいれていた。

 「白夜、この木陰で、少し待っていてくれるか?」

 神護の言葉に、白夜は素直に頷く。

 「はい 父上」

 頷く白夜の背中の翼を隠す為に、神護は自分の全身を覆っていたマントを外し、頭からバサッと被せる。

 「コレを被ると、よけいに暑いかもしんねぇ~どな
  流石に、何時誰が通りかかるか判らないから、一応被っておけ

  もう【竜ケ峰りゅうがみね】の樹海もどきから出ちまったけど
  襲撃される可能性は、まだ捨てられないからな」

 「はい父上 でもどうして? あの伝説級の虹色オオトカゲが
  私達の前に現われたんでしょうか?」

 本気でそう思っているらしい白夜に、神護は苦笑いを浮かべる。

 「たぶん、ヒリュオンのリオウの匂いに釣られたんだろうさ

  サバンナの帯や礫砂漠れきさばくを渡る風が、リオウの…
  虹色オオトカゲの好物であるヒリュオンの匂いを運んだんだろう

  かなりの距離があるから、流石に街道のこっち側には来ないと
  大丈夫だろう思ってたんだけどなぁ……はぁ~…

  リオウ、おとなしく待っていろな、内臓はぜぇ~んぶお前のモノだ
  白夜を護っていてくれな」

 そう言って、リオウの頭を撫でると、嬉しそうにグルグルと喉を鳴らす。
 リオウの愛らしい姿に双眸を細めた神護は、白夜の頭も撫でる。

 何時、どんな輩が白夜を狙って現れるかわからねぇーからなぁ……
 目立たねぇーに越したことはねぇー………

 遠目からでも、結構どころじゃなく白夜の翼は目立つからなぁ
 なんと言っても、綺麗な蒼みすら帯びた白銀色だからなぁ~………
 チラッとでも…見えたりしたら……はぁ~…

 飛翔族の祈願成就の《力》とやらを狙う輩には、白夜の翼の色は
 とても魅力的だろうからなぁ………
 何度、こっちに来てから、黒鼠族こくそぞくとか呼ばれている
 ネズミの獣人達に、襲われたか分からねぇ~からな






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