絶滅危惧種のパパになりました………~だから、保護して繁殖をしようと思います~
0220★巨大虹色オオトカゲと遭遇
そう、一定の間隔を持って地震のような振動が近付いて来るのだ。
「……へっ? えっ? なんだ? このすっげぇ~地響き?」
地震にしちゃぁ~…揺れ方が変だぞ…って…もしかしてぇ~……
いや、まさかな…アレは…街道のかなり向こう側だったはずだぞ
そう思いながら、神護が頭上を振り仰ぐのと、そこには想像したくないモノが出現していた。
見上げるほど巨大な恐竜もどきが、すぐ近くで立ち止まっていた。
そう、ホタルの視界と繋いで観た、あの巨大恐竜並みの虹色オオトカゲである。
その巨大な虹色オオトカゲは、石化した倒木の日陰にいた神護達をギラギラした瞳で覗き込んでいたのだ。
神護と巨大な虹色オオトカゲの視線が一瞬交わる。
次の瞬間、神護は本能的に《守護結界》を張る為の詠唱を唱えていた。
「………ちっ…マジかよ………嘘だろぉ~…くそっ
遥か遠き彼方の泡沫に眠りし
遠き御親よ
この世界の…あまねく神々よ
《理》を司りし神々よ
数多の慈神達に来い願う
ひととき…このか弱き者達に…
慈悲の加護を……《守護結界》…」
神護は、唇が勝手に紡ぐ言葉に意識を乗せて、白夜達を護る為の強固な《結界》を張った。
そう、普段の《結界》よりも遥かに強固な《守護結界》を………。
神護の視線につられて、そちらを見てしまった白夜は、そのあまりにも巨大な虹色オオトカゲを見て、硬直していた。
もちろん、リオウもサァ~っと頭頂部から尻尾の先まで毛を逆立て、無意識に臨戦態勢になる。
が、いかに巨体であろうとも、ソレは美味しいモノという認識から、硬直はしなかった。
ちなみに、普通のヒリュオンならば、成体でも恐怖に硬直して、迎撃どころか逃げることも出来ずに、ただただ喰われるだけなのだが…………。
リオウは、神護に虹色オオトカゲの子供の内臓をもらって食べていたので、そういう意味での種族的な恐怖とは無縁だったりする。
そこには、食欲という原動力が潜んでいた。
もし、ここでリオウが喋れたなら、まず間違いなく………。
『ますたぁ~…美味しそう…早く内臓食べたい』
と、叫んでいただろう。
その証拠に、リオウは無意識の舌舐めずりをして、キラキラとした涎を零し始めていた。
白夜は、神護が詠唱し、強固な《結界》を張ったことで、少しホッとして、無意識にそのマントを掴む。
「ち…父上ぇ?」
白夜の怯えた声と、マントを引かれる感触に、神護は笑って言う。
「くすくす……大丈夫だぞ、白夜…《守護結界》を張ったからな
リオウも白夜と一緒に居ろ…すぐに獲ってやる、楽しみにしていろ
白夜…ちょっと、手を離してくれ アイツを倒して来るから……
クスクス……大丈夫だ白夜…心配するな」
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